【スペイン旅行記】Day3 音楽と病院には意外なつながりがあったぁ?

旅も3日目。バルセロナは今日が最終日で、今晩の便でマドリードに移動しなければならない。今日は1日欲張ってバルセロナを満喫しようと思う。

ということで朝から活動。まずは、サグラダ・ファミリアの内部を見に行くことに。昨日は外観を十分に楽しんだ。チケットを買えば内部も見れるみたいで、ガイド本によれば「比較的空いている朝イチに行くのがオススメ」ということで、朝イチにいくことに。まあ、バルセロナでは我々的にサグラダ・ファミリアがメインだし「見たい所は後にとっておかず、見たい所から見に行く」というのが我々の旅のスタイルなので、そういう意味でもまずはサグラダ・ファミリアなのだ。

泊まっていたホテルからサグラダ・ファミリアまでは地下鉄で一本。超便利な場所だった。

地下鉄のサグラダ・ファミリア駅の出口を出ると、やはりサグラダ・ファミリアがど~ん!と現れる。昨日の夜のライトアップされた姿も雄大だったが、朝日に照らされる姿も言葉にならないほど美しい。

特に「生誕のファサード」側は朝日に照らされるように設計されているので、設計通り心が打たれてしまった。

さて、まだ開館時間前なのだが、チケット売り場付近に行ってみると、すでに行列が…。さすがに人気の観光スポットってだけはある。朝からこんなに混んでいるのであれば、昼間はどんなことになってしまうのか?

というわけで、チケットを購入する。チケット売り場は「受難のファサード」側にあるのだが、行列に並んでいる間でもそちら側の彫刻をじっくり楽しむ事ができる。

「受難のファサード」側の彫刻は「まだまだ、掘り始めで概形しか整えてませんよ」的な出来栄えに見えるが、これって最終的には「生誕のファサード」側の彫刻のように仕上げるんだろうか?

「生誕のファサード」側は「生誕」と付いているだけあって、キリスト教の聖書におけるキリストの誕生付近の記述を彫刻で表している。一方「受難のファサード」側の彫刻は、キリストが磔(はりつけ)になる頃の内容を表している。

さて、チケットを購入して、サグラダ・ファミリア内部に突入!

内部に入ると別世界が広がり、言葉を失う。なんて美しく壮大な光景が広がっていることか…。

天井はものすごい高さで、それを支える柱はとっても不思議な形状で木の枝のような形をしている。昨日見たカテドラルも素晴らしかったが、こちらもすごい。カテドラルの内部にさらに特徴あるデザインを適用したって感じだ。

天井なんかも本当に独特のデザインの為、天井だけを写した写真は正直「なんだ?これ?」みたいな写真となる。

実際に自分は行く前にこんな写真をガイド本で見たのだが、何が何だかさっぱりわからなかった。なるほど、天井の写真だったのね。実際にみると納得。こりゃ写真だけだと分からんわ。

天井や柱に限らず、どこもかしこも独特のデザイン。不謹慎な発言をすれば「ガウディって薬でもやってて、イッちゃってたんぢゃない?」ってぐらい独特だ。なのでどこの写真を撮っても、写真だけでは「何?これ?」って感じだ。やはり実際に見ることをオススメする。

教会に必ずある物と言ったら、パイプオルガンだろう。サグラダ・ファミリアのパイプオルガンは写真ではその大きさが全然わからないが、すんごくデカイ。
「巨大な工場の配管なんぢゃないか?」と思ってしまうほどだ。

建物の窓はステンドグラスで飾られている。ステンドグラスを通った朝日がパイプオルガンを照らして、なかなかいい感じになっている。

窓という窓は、ほとんどがステンドグラスで飾られているため、教会内を照らす光は本当に芸術のようになっている。こういうところまで考えられていたんだろうか?

さて、ここらで一旦外に出てみる。

生誕のファサードは入場券を買わなくても見れるのだが、ちょっと離れた場所からしか見れない。サグラダ・ファミリア内に入る入場券を買うと、生誕のファサードを間近で見ることができるのだ。

遠くから見てもすごいと思ったが、間近で見てもその素晴らしさに言葉を失う。

超細かい彫刻ばかりで、本当に今にも動きそうなものばかり。全然手を抜いている感じが無い。

普通だったらこんな上質な彫刻はしっかりと守られていてしかるべきだと思われるが、これは建物の外壁だ。ということは当然のごとく雨ざらし。そんなの絶対にモッタイナイぞ~!と思う。

色がついているわけではないので、写真ではわかりにくいのだが、例えば写真中央にはキリストが生まれたところが彫られており、その周りには楽器を奏でる「奏楽の天使たち」が彫られている。

この写真の中央にあるのは牛飼いの礼拝。最初に星を見てキリストに祈ったのが牛飼いと言われていて、民衆の象徴とされているそうだ。

キリストの誕生を拡大するとこんな感じ。生まれたばかりのキリストをマリアとヨセフが見守っているところ。

そんな感じで外壁の彫刻に感動していると、なんだかそこらじゅうで日本語が聞こえてくる。「えっ?」と思って辺りを振り返って見ると、周りは日本人ツアー客ばかりだった。

サグラダ・ファミリアは混むので「朝イチの時間がオススメ」と、たいていのガイド本に書いてあるのだが、そういうことに忠実な日本人気質を表しているのか?やはり朝に日本人が集中するのかも。とは言え、我々もそのガイド本の言葉に従った者たちの一人。

さて、生誕のファサードの彫刻を十分に満喫した我々は、再び教会内を見学することにする。

個人的にサグラダ・ファミリア内部の見どころと言ったら、天井の高さと天井の構造。そして奇妙な形の柱なんぢゃないか?と思う。

建物内にたくさんある柱は上に行けば行くほど枝分かれしたような形をしている。柱に限ったことではないのだが、ガウディはサグラダ・ファミリアを設計する時に、いろんな場所に自然と同じようなデザインを施したそうだ。なので、柱なんかまさしく木の枝を意識した物となっている。

サグラダ・ファミリアの地下にはサグラダ・ファミリアに関するちょっとした博物館的な物もあって面白い。主にガウディの行ってきたことや、当時の様子なんかが解説されている。

解説をあまり読まなかったので想像なのだが、この写真のものは重力に引っ張られてできる枝分かれの構造を再現していて、これをひっくり返した物がサグラダ・ファミリアの構造になっているんだと思われる。

まあ、デザイン的にも自然な形になるし、強度上も優れた形状になるってのは、なんとなく分かる。ただ、制作にお金と時間がかかってしまうよね。なので今でも未完成な状態なんだと思われる。あとはスペイン人気質かな?

ということでサグラダ・ファミリアは中も外も言葉で表せないほど素晴らしかった。やはりテレビだけぢゃなく、実際に自分の目で見に来て良かったなぁ~と思う。最終的に完成するのはいつになることやら分からないが、完成したらまた見に来よう!と素直に思った。

さて、サグラダ・ファミリアを後にして次に向かったのは、やはりガウディの設計である「グエル公園」

グエル公園は残念ながら地下鉄駅のすぐ近くにあるわけではない。通常ガイド本などによれば、地下鉄の「Lesseps駅」で降りてそこからバスに乗ると紹介されているが、サグラダ・ファミリアからだと遠回りだなぁ~と思い、我々はまず地下鉄で「Joanic駅」に行き、そこから「116番」のミニバスに乗って行った。

116番のミニバスは途中「えっ?グエル公園から離れていくの?」というような経路を走り、ビビリな自分は若干焦ったが、最終的にちゃんとグエル公園の前まで来た。バスに乗っていると「どこがグエル公園なのかちゃんとわかるか?」という不安に陥るが、グエル公園の前は人がいっぱいなので、見逃す心配は全く無い。

さて、公園内をブラブラしてみる。ここは「ブガデラ(洗濯女)の回廊」。デザインも独特なのだが、柱のうち一本が洗濯女の形になっているのは、帰国後に写真を見て気がついた。たまたま撮った写真に洗濯女が写っててよかったよ。

さて、グエル公園で有名なのはこのベンチ。鮮やかな色のタイルで飾られていて、曲線が美しいのが特徴。ガウディの作品らしい感じがする。この形は人間の体の曲線の形に合うようにできているらしい。

グエル公園は少し小高い丘のような場所にあるので、遠くにバルセロナの市街が見渡せる。写真では小さくしか見えないが、実際自分の目で見ると「あ~!サグラダ・ファミリアだね~」と、すぐわかる。

グエル公園で有名なのは、この「トカゲの噴水」なのではないだろうか?タイルで綺麗な色に飾られているトカゲで、口から水が出るようになっている。

さすがに、超有名な観光スポットだけあってすんごい人。人があまり写らないように写真を撮ろうとすると、かなり難しい。

どのガイド本にもこのトカゲの写真が載っているのだが、実際に見ると自分の個人的な感想だが、なんだかよだれをたらしているトカゲのようにしか見えなかった。

グエル公園については、結構期待大で行ったのだが、我々的にはそんなに楽しめる場所でもなかった。グエル公園をもっと楽しむ為にいろいろとさらに歩きまわるか?それとも違う観光ポイントに移るか?の選択に迫られた。
現在の時間からすると、急げばカタルーニャ音楽堂の館内ツアーに間に合うということで、ここからダッシュでカタルーニャ音楽堂に移動することに。

グエル公園からカタルーニャ音楽堂へは、公園前のバス停からミニバスにのって地下鉄の「Lesseps」駅へ。そこから地下鉄で移動。
ちなみにバルセロナ市街は意外と複雑に入り組んだ街なので、地下鉄の駅を出たとたんに迷いまくり、そこら辺の人に聞きまくってやっとたどり着いた。

カタルーニャ音楽堂は世界遺産に登録されている建物。その登録理由は「アール・ヌーヴォー様式」という建築物を伝えるために登録されたそうだ。

カタルーニャ音楽堂は、まず外観からしてとても凝った感じの建物になっている。

現在は使われていないが、かつてチケット売り場として使われていた窓口なんかも残されている。淡い色のタイルで飾られていて素晴らしい。

カタルーニャ音楽堂の内部の見学も可能だが、ツアー形式で見るしかできない。ツアー時間が決まっているので、行く場合はツアー時間を事前に調べておいて行った方が時間を無駄にしなくていいかもしれない。ツアー時間はカタルーニャ音楽堂のホームページの「BUY TICKET」の部分から調べることが可能。当然事前にネットで予約しておくことも可能だが、当日行っても多分大丈夫。我々は当日窓口で買った。

さて、ツアーで内部に入るとそれはそれは素晴らしい内部が現れる。

天井を見上げると「何故そこまで凝ったステンドグラス作った?」と思っちゃうぐらいうっとりするステンドグラスがあって釘付けとなる。

カタルーニャ音楽堂は現在でも現役で使われている音楽堂。ガイド本の写真からしてすごい広いコンサートホールなのかと勝手に思っていたが、実際行くと結構こじんまりしていた。というか「少ないスペースを上手に利用していた」と言ったほうが正しい。逆にそのほうが舞台と近くて良いのかもしれない。

ホールは2階席や3階席があって、3階席まで上がって見学することもできる。3階席まで上がると、ホール内全体が見渡せる。また、天井のステンドグラスもすごく近くに見えて良い。

3階席の奥(ステージに近い方)はVIP席のような個室状態になっている。こんなところで音楽鑑賞なんて優雅だよなぁ~と思う。

こんな歴史を感じさせる音楽堂が現在までちゃんと残っているなんて、この音楽堂が地元の人にどれだけ愛されているのか?というのが容易に想像できる。

カタルーニャ音楽堂のツアーで知ったのだが、この音楽堂を設計した「リュイス・ドゥメナク・イ・ムンタネー」という人が手がけた「サン・パウ病院」というのがバルセロナ市内にあって、こちらも世界遺産だそうだ。というわけで、そちらにも行ってみることに。

カタルーニャ音楽堂からは地下鉄一本で行ける。サン・パウ病院は現在でも使われている病院なのだが、世界遺産として見学できる所は現在は病院として使われていない。地下鉄の駅を出て地上に出ると現在病院として使われている建物の所に出るので、建物をぐるっと廻るように反対側(サグラダ・ファミリアに近い側)まで歩く必要がある。

サン・パウ病院の見学できる側に到着すると「これ、絶対病院ぢゃないよね」と思ってしまうような立派な建物がそびえ立つ。どちらかと言えば「由緒ある有名私立大学」と言ったほうがしっくり来る感じだ。

ガイド本では「ガイドツアーで・・・」と書かれており、現在の時間だとガイドツアーは終わってしまっているハズだったので「中は見れないかも」と思っていたが、係員に聞いたら「個人で自由に見学可能」ということだったので、遠慮無く内部を見学する。

やはりガイドが無いと「この建物はなんだろう?」的にあまり理解できない感じになってしまうのだが、現在の病院を想像すれば、建物のほとんどは病棟だったんだと思われる。

敷地内にはこんな感じで立派な実をつけたオレンジの木が何本もあった。見るからに美味そうな実が付いていて「これって収穫しないのかなぁ~?」と思ったが、どうやら収穫された様子はなく若干不思議。ステレオタイプな考えだったら「バレンシアオレンジ」とか言うので「さすがスペイン!やはりオレンジが有名なのね」と思っていたが、数日後我々は「何故このオレンジが収穫されずに、こんな立派な状態で残っているのか?」を身をもって知ることとなる。

一部、病棟内も見学できるようになっていたので覗いてみた。現在ではだだっ広い空間が広がる建物になっている。病院として使われていた時の写真がパネル形式で掲示されていたのだが、それを見るとこの空間に規則正しくベッドが並べられていた。

敷地内には病棟だったと思われる建物が何個もあって繋がっていないようにみえるのだが、実は全ての建物が地下でつながっていたりして、結構機能的な造りになっているそうなのだ。

さて、サン・パウ病院の見学が終わって敷地外に出てみると、正面にサグラダ・ファミリアが見える。地図を見ると、サグラダ・ファミリアとサン・パウ病院をつなぐように大通りが通っている。

その大通りは歩行者天国的になっていて、車が通るようにはなっておらず、その道路沿いの店が道路上にオープンカフェ的に席を用意していたので、そこにある適当な一軒で食事を取ることに。

とりあえずオーソドックスなサンドウィッチを注文。ツナのサンドウィッチだったのだが、これは間違いない味。まあ「わざわざスペインまで来て食べるものか?」という疑問は残るがあまり深く考えないことにする。

さて、次に注文したのは、スペインの郷土料理でもある「カジョス」。牛の胃袋(ハチノス)をトマトソースで煮込んでいる料理。

本来そうゆうものなのか?それとも、この店のがイケてないのか?はわからないが、我々の口にはあまり合わなかった。スペインの肉を使った料理は何故か全体的に「獣臭い」感じがあって、日本でショウガやニンニク等を使って臭み消しをするような処理をしないのかなぁ~?って感じだった。

あまり記憶が定かではないが、グラタンっぽいラザニアも注文。記憶に薄いので、普通に美味かったような気がする…。

夜の便でバルセロナからマドリードに移動しなければならず、そろそろバルセロナの空港に行っておかなくてはならない。というわけで、一旦ホテルまで戻り、バックパックをピックアップ。空港から乗ってきたバスを降りたところで、逆に空港行きのバスに乗ることができるので、カタルーニャ広場まで行きエアポートバスに乗る。

チケットはドライバーから買うことができるのだが、我々はバルセロナの空港で往復のチケットを買っていたので、そのまま乗車。

バルセロナからマドリードまでは飛行機で1時間も無いくらいで到着してしまう。あっという間。

マドリードの空港はマドリード市街の外れにあるので、市街まで移動しなければならないのだが、その手段は「国鉄」「地下鉄」「バス」「タクシー」等がある。我々は「バス=安い」という超単純で勝手な思い込みで、エアポートバスに乗ることに。

エアポートバスはこんな感じの黄色い車体のバスで、2~3個のバス停に止まって、アトーチャ駅まで行く。我々はアトーチャ駅近くにホテルを確保していたので好都合。

空港からアトーチャ駅までバスで3~40分。結構かかる。このバスは通常はアトーチャ駅までいくのだが、夜中の時間帯に限っては途中のバス停までしか行かないので注意が必要。

われわれは「バス=安い」という思い込みで、市街までバスに乗ったが、結果的に大して安くもないし早くもないことが後になって判明。バスだとアトーチャ駅まで5€ぐらいだった気がするが、国鉄に乗ればその半分ぐらいの金額で行けるし、時間も半分ぐらいで行ける。

アトーチャ駅以外の場所に行くのであれば、やはり地下鉄に乗ったほうがいいのかもしれない。というわけで「下調べは必要だな」と感じた。エアポートバスより国鉄か地下鉄がオススメ。

アトーチャ駅から徒歩5~10ぐらいの場所にあるホテルに到着。どうやら日本人ツアーでも使われるようなホテルだったみたいで、日本人たくさん。そしてホテルも若干引くぐらい高級だった。値段はビックリするほどではなかったのだが・・・。

飛行機は夜到着して、アトーチャ駅からホテルまで歩くのも当然夜だったのだが、マドリードの街はなんだかすごく騒がしかった。「お~!活気のある街。なんかのお祭りやってるのかな?」ぐらいに思っていたのだが、警官とかが多数出ていて若干殺気立っている感じもあった。ということで、巻き込まれないように急いでホテルに行く。

ところが次の日の朝、テレビで地元のニュースを見ていたら、どうやら「デモ」だったらしく(スペイン語だったので詳細は分からないが…)、そんな「お祭り」ぐらいの気楽な感じではなかったようだ。あぶねぇ。やはり夜中の街歩きは注意が必要だね。

さて、明日は水道橋で有名なセゴビアに特急列車で行ってみることに。

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