Day1 ダースベイダーはとろける寸前だった?

以前から、札幌雪まつりには行ってみたかった。そんなことを思っていたのは大学ぐらいの時だったのだが、雪まつりが開催される時期はいつも期末テストの時期と重なっていて、悠長に旅行なんて行ってられなかった。「どうしてこんな時期にやるんだよ〜!」といつも思っていた。それから歳をとって何となく出不精な性格からか、行く機会がなかったのだが、今回運良く行く機会があった。実際の雪像ってどんなんだろう?と心踊りながら出発することに。

そういえば、今ちょうどNHK朝の連続ドラマ「マッサン」の舞台として、北海道の余市が注目されている。自分は全くお酒を飲めないのだが、その舞台となったニッカウヰスキーも見学できるみたいなので、行ってみることに。さて、どんな旅になることやら・・・

羽田発 新千歳行の飛行機は定刻どおりに到着。久しぶりの北海道にテンションもあがる。

新千歳の空港から普通は札幌駅で降りるかもしれないが、我々は札幌駅では降りず、稲積公園駅まで向かう。新千歳から稲積公園駅までは大体1時間ぐらいで到着。

稲積公園駅は札幌駅からそんなに遠くない駅なのだが、結構のどかな駅で何となく落ち着く。

稲積公園駅を降りた目的は「三八飯店」という店に行くため。三八飯店は駅を出てすぐのところにあって、電車からでも店の看板は見えるぐらい。

わさわさ札幌に来て、何でこの店に向かったか?というと、北海道のローカルテレビ局「HTB」でやっている「おにぎりあたためますか」という番組があって、数年遅れとかで、我々が住んでいる静岡でも放送されている。大泉洋とかが出演している30分番組で、主に北海道や全国の食レポがメインの番組でなかなか面白い。

その番組のなかで、手稲区で有名な「浜ちゃんぽん」のお店として紹介されていて、これをみた妻が「是非行きたい」と言っていたので、ちょうど昼時ということもあり、バックパックを背負ったまま向かったのだ。

店の前には大きな赤い看板で「浜チャンポン」という表示があって、その番組の出演者の一人である「戸次 重幸」さん(手稲区出身らしい)は、店の名前が「浜チャンポン」だと、ず〜っと勘違いしていたらしいが、店の名前は「三八飯店」。

番組の中で紹介されていた「浜チャンポン」と「アンカケ焼そば」が この店では有名らしく、メニューにも「三八名物」と書かれていた。当然のようにこの2品を注文する。

店内はほぼ満席で常に数組の待ちがあった感じ。また、周りを見回すと、我々のような旅行客らしき人はほぼおらず、地元民100%だったといっても過言ではなかった。

店の中には我々がここに来るきっかけとなった「おにぎりあたためますか」の出演者のサインが端っこの方に飾られていた。

しばらく待つと料理が運ばれてきた。一言目に思わず言ってしまうのが「デカイ」ってこと。写真では比較する物が写っていないので、かなり分かりにくいが、「これ、一人前?」と聞いてしまいたくなるようなデカさだった。

浜チャンポンは丸々一匹のイカが入っている。それに加えてホタテとか数種類の海鮮がど〜ん!と入っている。写真では真っ黒に見えるが、これはわかめで、「これでもかっ!」ってぐらい入っていて、表面を黒く染めてしまっている。

浜チャンポンと同じような麺で構成されていた「アンカケ焼そば」は、麺の上にはこれまた「これでもかっ!」ってぐらいの野菜たっぷりの餡がたっぷり乗っている。

肝心の味の方だが、番組では出演者が大絶賛していたが、正直、大絶賛するほどではなく、我々のような県外から来た観光客がわざわざくるような感じでもなかった。しかし、決して不味いわけではなく、浜チャンポンなんかは、魚介の出汁がたっぷり出た、塩ラーメンといった感じで普通に美味い。

観光客だったら、せっかく北海道に来たんだったら、限られた食事の回数では、もっと豪勢な海鮮丼とか食べた方がいいと思う。しかしながら、もし自分の家の近くにこんな店があったら、休みの日の昼間なんかは、ちょいちょい行ってしまうんだろうなぁ〜って感じの素朴で安心できる味だった。だから地元民で埋まっていたのかもしれないと納得できる。

せっかく北海道に来たんだったら、正直、一回あたりの食事の量は減らして、数を稼ごうと思っていた。ところがどっこい、浜チャンポンのお店で完全に腹一杯になってしまった我々はバックパックを本日宿泊予定のホテルに預けて早速雪まつり会場に向かう。なんせ、今日は雪まつりの最終日。今日しか雪像を見ることができないのだ。

そんなこんなで向かったのが、メインの「大通公園会場」。我々が宿泊する予定だったホテルは時計台のすぐ裏手にあるホテルだったので、大通公園もすぐ近く。早速行ってみると、いきなりジャンプ台のようなモーグルコースとエア台があって、イベントをやっていた。エア台でモーグラーみたいな感じの人たちが、イケイケな会場アナウンスに合わせて見事なエアーを決めていて、いきなりテンションがあがる。

さて、このエア台から西の方にむかってどんどん見に行くことにする。

次に現れたのが、スターウォーズの「ダースベイダー」の像。ここに来るまでにニュースとかでじゃんじゃん映っていて、「これ、実際に見たらどんなんだろう?」と思っていたが、期待を裏切らない出来栄えだった。

雪像は思ったより近くで見ることができ、近くでみても「よく作ったなぁ〜」と関心してしまう出来栄えだった。なんで「ダースベイダー」なのか?というと、「スターウォーズ/フォースの覚醒」という映画の劇場公開に先がけて、ルーカス・フィルム公認の大雪像製作になったそうだ。これを製作したのは、陸上自衛隊さっぽろ雪まつり協力団だそうだ。

ニュースなどでは大雪像ばかりが映し出されるが、小さな雪像もたくさんある。選ばれた市民が作る雪像だ。これはどう見ても「マリオ」。大雪像でなくても結構素晴らしい出来だ。 

とはいえ、やはり見栄えが良いのは大雪像。これはフィリピンにある「マニラ大聖堂」の雪像。製作は「札幌市大雪像製作団」の作品。我々はフィリピンには行ったことはないのだが、スペインなんかにある教会を想像すると、「あ〜、こんな感じだったねぇ〜」と思う雪像で、実物を見たことはないが、多分結構精巧にできているんだと想像できる、また、細かい装飾なんかもちゃんとされていて、気合の入りようが伺える。

これは「春日大社・中門」の大雪像。製作はこれまた陸上自衛隊さっぽろ雪まつり協力団の作品だ。

この像に使われている雪はおよそ2000トンというとてつもない量で、製作に関わった人はのべ3500人で製作期間は29日もかかったらしい。そりゃ迫力あるわ。

雪像の前はちょっとしたステージスペースとなっていて、我々が行った時はあまり知らないアイドルグループが歌を歌っていたが、雪像の写真を撮りたかったのだが、どうしてもそのアイドルグループが映ってしまい若干邪魔だった。

この雪像は、夜にはプロジェクションマッピングをやるらしく、夜にも期待することにする。

小雪像で気に入った作品がコレ。題名「オラゆき」。さらに気に入ったのはそこに書いてあるコメントで「溶けないようにソーッと見守ってて下さい。視線が熱いので!!」とあった。雪像も立派な出来だったのでお気に入りだ。

実は残念なことに、雪まつり期間中に気温が高い日があり、しかも雨が降った日があったらしい。その結果、実際にみると雪像は結構溶けてしまっていて、どの作品にもシャープさが欠けてしまっていた。また、倒壊の危険があるとのことで、全体のおよそ1割ぐらいの雪像は我々が行く前に壊されてしまっていた。

まあ、自然の力なのでその辺は逆らうことはできないし、「こうゆうこともあるよっ!」ってことは、実際に行ってみたいとわからないことなので、そういう意味ではいい体験だったと思う。

さて、大通り会場の端っこの方には「サザエさん一家」の大雪像があった。これまたビックリするような大きさで、この雪像の出来栄えはかなり素晴らしかった。

しかしながら、サザエさんって普通2次元の世界なので、こうやって無理矢理3次元にすると、若干の違和感を感じるのは私だけだろうか?

大雪像の作品部分だけを見てしまいがちだが、裏側に回ってみると、こういった雪のブロックが高く積み上げられていて、作られていた。こんなに高く雪を積み上げるのだけでも大変だろうなぁ〜と思う。

さすがに、こういったことはニュースでは映らないので、実際に来てみて良かったと感じるポイントだ。

さて、大通公園会場を駆け足で見た我々は、時間もないことなので、「つどーむ会場」に向かった。

札幌雪まつりは、3つの会場で構成されていて、一番メインは「大通公園会場」で、大小の雪像がメイン。たいていニュースとかに出てくるのは、この会場の雪像。そして、もう一つは大通公園会場からすぐ近くにある「すすきの会場」こちらはスペース的には小さいのだが、主に氷像の展示がメインとなっている。そして3つ目は我々がこれから向かう「つどーむ会場」こちらは、雪の滑り台等、遊ぶことができる会場になっている。

ツドーム会場へは、地下鉄東豊線で終点の「栄町駅」で降りる。栄町駅から会場まではシャトルバスが出ていて、ほんの数分で到着する。

つどーむ会場はだだっ広い外会場には大小様々な滑り台が数台設置されていたり、さらには雪かきマシーンの操作体験なんかも出来たりする。また屋内会場もあって、フードコートスペースや、室内で子供が遊べるものがたくさんあって賑わっていた。

妻は以前より「雪まつりに行ったらチューブスライダー」をやりたいと言っていた。妻が子供のころ雪まつりで氷の滑り台を滑った経験があるらしく、大人になった今でもやりたいとのことだった。ということで、我々は「日清のどん兵衞チューブスライダー」をやることに。

ところがどっこい、想像はしていたが、すごい行列。吹きっ晒しの外で40分ぐらい並ぶ羽目になる。しかもあまり遅い時間になることを予想していなかった自分は、あまり厚着をしておらず、超寒かった。途中で心が折れそうになったが、なんとか自分の番まで待った。

チューブスライダーはその名の通り、でっかい浮き輪に乗って、雪の滑り台を降りるもの。ほとんど子供がやっているが、一応大人でもできる。この写真はスタートラインから撮ったもの、結構な距離があって、6コースぐらいある。

係員に言われたとおりにチューブに座ると、係員が後ろから押してくれる。滑り出しの部分がいきなり急になっていてちょっと恐い。自分は途中から次第にチューブが回転し始め。最終的には真横になってゴールした。40分待つのはつらかったが、雪国に住んでないとなかなか体験できないので、面白かった。

つどーむ会場は終了時間になってしまったので、我々は札幌中心にバスで戻り、とりあえず夕食(かに)を食べた後、すすきの会場に向かった。

ツドーム会場は氷像がメイン。これは、手でハートの形を作っているものの氷像。こんな構造的に不安定なものを氷で作っちゃうなんて、すごいと思う。

これは「ドラゴン」。中華街とか結婚式なんかに置いてありそうで立派だった。

ちょっと面白かったのが、氷像の中に魚が閉じ込められているもの。これは沖縄の竜宮城として作られていた。まるで魚が泳いでいるように見える。

やはり札幌ということだけあって「サッポロビール」は外せませんね。「かんぱ〜い!」って感じがすごくわかる作品だった。 

「すしざんまい」というお店の作品は、先ほどの竜宮城よりも、もっとたくさんの魚が閉じ込められていた。まるで博物館の標本をみているみたい。

NHKの朝ドラ「マッサン」のモデルとなっている「ニッカウヰスキー」。流行りにあやかって、こちらも見事な氷像が飾られていた。

それに対抗するように、サントリーウィスキーの瓶も氷像となって出現。

すすきのの交差点にはニッカウヰスキーの大きな看板が出ていた。明後日、我々はニッカウヰスキーの余市工場を見学しに行く予定。

さてさて、すすきのから地下鉄で一駅の大通公園に戻り、ライトアップされた雪像を観に行く。

ダースベイダーはこんな感じでライトアップ。よりスターウォーズ感が増していた。昼間見ると結構「溶けてるなぁ〜」感が感じられたが、ライトアップされた雪像はそんな感じは見られなかったので、夜の雪像を見た方がいいかもしれない。

ダースベイダーは次々といろんな色でライトアップされていた。「ダースベイダー七変化」といった感じだろうか。

春日大社のライトアップも見事であった。それ以上にすごかったのは、この雪像をスクリーンに映し出されるプロジェクションマッピング。ただの雪像の春日大社が本物になってしまったかのようになっていた。

実は雪像が高い気温で結構溶けてしまい、雪像自体が縮んでしまったらしい。となるとプロジェクションマッピングもずれてしまうので、それに合わせて映像の方を結構修正したらしい。関係者の努力と苦労に感謝なのだ。

プロジェクションマッピングはこんな感じだった。YouTubeにアップした動画を興味がある方は見てもらいたい。

プロジェクションマッピングというものを見る機会があまりなかったのだが、これが結構すごい。雪像はただのスクリーンなのだが、そこに命が吹き込まれる感じがする。だたの雪でできた馬の横顔(写真左)なのだが、プロジェクションマッピングの技術で、その馬がちょっとこちらに向いたりする(写真右)。実際みるとちょっとドキッとする。

ライトアップされた雪像や氷像は綺麗で楽しかった。テレビ塔なんかをバックにして写真を撮ると絵になる写真が撮れる。

札幌の観光シンボルである「時計台」はビルに囲まれてがっかりポイントだというのはよく聞く。でも夜に写真を撮ると、まわりのビルがあまり映らずそれなりに雰囲気のある写真が撮れる。

トップへ戻る