【アメリカ旅行記】Day1・2 アメリカ人のショーマンスピリッツの真髄を見た!

2015年夏旅。カリブ海の小さな島に、ビーチが空港の滑走路にあまりにも近すぎて、飛行機が頭上スレスレを通って着陸してくる島があるという。「おぉ!それは是非とも見たい!」と昔から思っていたのだが、何となく行くのにもハードルが高そうな感じがして、今まで躊躇してきた。

しかし、その周辺で行きたい場所が結構溜まってきたので、「そんなら、いっそのこと行ってしまおうか?!」という勢いで向かったカリブ海。

まずは、トランスファーで寄らなければならないアメリカ・オーランドに向かう。ここには、ケネディー宇宙センターがあって、実際に使われていた本物のスペースシャトルが見れるという。以前ロシア・モスクワに行った時には、やはり同じような宇宙センターに行ってみた。モスクワの宇宙センターもそれなりに見応えがある場所だったが、宇宙分野2強とも言えるもう一つの国アメリカの宇宙センターはどうなんだろう?と思って、時間を取って向かうことに。

まず、一日目はとりあえず日本からアメリカまでの移動で取られてしまうのだが、とりあえず向かわなければならない。

さすがに夏休み期間ということで、成田の出国審査はこんな感じで激混み。

飛行機に乗っている時間はすごく嫌いなのだが、乗らなければ始まらないので、まずは成田から経由地となる、アメリカ・シカゴへ飛ぶ。

日本食とはしばしのお別れ。ってか、最後の日本食が機内食とは・・・

日本からアメリカ方向に飛ぶと、一般的にはヨーロッパ方向に飛ぶのと比べて時差ボケになりやすいと言われている。事実今までアメリカ方向に飛んだ日は結構時差ボケに悩まされてきた。

そんなことがわかっていたので、体内時計の調整の為に飛行機の中では寝ようと思っていたのだが、ちょうど機内エンターテイメントで「半沢直樹」の全シリーズがあった。このドラマ、テレビで放送されていた時にはすごい人気だったのだが、自分は全く見ていなかったので、いつか借りて見ようかと思っていた。これはチャンス!ということで全部見てしまった。ということで、結果的に飛行機の中で一睡もせず、その後この日はとてもつらい目にあったのだった。

そんなこんなで、シカゴに到着。今回はとりあえず入国するのだが、アメリカの場合、トランスファーであっても必ず入国審査が必要。ということで、アメリカのイミグレの大行列はすごく悪評。今回もそれに対してかなり身構えて向かったのだが、シカゴでの入国審査が拍子抜けするほど少なく、あまりにもあっけない程に終わってしまった。

実はイミグレの時間が読めないので、トランスファータイムをたっぷり取っていたのだが、あまりにもあっけなくイミグレが終わってしまったので、逆にたっぷり時間が余ってしまった。とはいえ、オーランドの街まで出て観光するにはギリギリ過ぎる時間だったので、仕方なく空港で時間を潰すことに。というわけで、空港内シャトルでターミナルを移動。

シカゴの空港にあったアメリカ国旗。アメリカ人が「アメリカ大好き!アメリカ世界一!」と思ってる感がして、なんか嫌だ。

さすがに国土が広く、飛行機による国内移動が一般的なアメリカだけあって、シカゴの空港内も結構な賑い。

んで、空港内のとある店の前に飾られていた写真をよく見ると・・・

「りんご飴」ならぬ「りんごチョコレート?」もしくは「りんごキャラメル?」

「うわぁ~!こりゃすごい発想だなぁ~」と思ってしまう感じ。確かにりんご飴と同じような発想かもしれないけど、これだったら、りんごとチョコレートは別々に食べた方が良くね?

ここから、予想通りバリエーションの無いアメリカの食事にやられ続けることとなる。

そして、これがその「りんごチョコレートの実物」。とても食べられる気がしない・・・。

ということで、ごくごく普通のピザ(シカゴピザ)を食べる。野菜が乗っているピザって、アメリカでは割と少ないのだが、たまたま見かけたので、ちょっと生っぽいピーマンが乗ったピザをチョイス。これはこれで普通に美味し。

ところがどっこい、同じゲートで飛行機を待っているアメリカ人がこれと同じピザを食べていたのだが、この唯一の野菜とも言えるピーマンを全て取り除いて食べていた。「だったら、野菜が乗ってないピザにすればいいぢゃ~ん!」と思うが、アメリカ人の発想は
よくわからない。ちなみに日本でアメリカ関係の仕事をしている妻によれば、アメリカ人はバーガーに挟んであるレタスすら取り除いて食べるらしい。どんだけ野菜嫌いなんだよっ!

野菜を食わなくても生きていけるアメリカ人とは異なり、野菜を食べていかなくては生きて行けない我々日本人は、ピザに加えて「ひよこ豆のサラダ」を食べる。アメリカで野菜といえば普通サラダなのだ。「野菜を煮る」ような料理が少ないのも「あぁ、アメリカではきっと生きていけないなぁ~」と思ってしまう所以だ。

そんなこんなで、空港で過ごすにはたっぷり過ぎるトランスファータイムを経てシカゴからオーランドへ移動。

オーランド空港も綺麗で落ち着いた感じの空港だった。ここはフロリダのディズニーワールドの基点ともなる空港なので、空港の中にはディズニーに関するショップなんかも充実していた。この旅ではこのディズニーワールドにも行くのだが、今日ではなく、旅の後半で行く日程にしている。

空港からは予約してたホテルの巡回シャトルバスでホテルに向かう。明後日の早朝にメキシコに向けて飛ばなくてはならないので、空港激近のホテルをチョイス。

今回泊まったホテルは「La Quinta Inn Orlando Airport West」というホテルで、どっちかと言えば「モーテル」。

アメリカのモーテルはベッドも部屋も広くて良い。ところがどっこい、部屋に入ると「ここは東南アジアですか?」ってぐらいクーラーがキンキンに効いてた。何でここまでキンキンに・・・?と思っていたが、後日知ったことなのだが、ここオーランドは湿度が非常に高く、クーラーをかけていないとすぐに部屋がカビ臭くなってしまうのだそうだ。なので、ルームメイクをしおわった後は、クーラーをキンキンに効かせておくらしい。

と、ここではレンタカーを借りているわけではなく、しかも路線バス的なもの無いので、移動手段の足が無い。仕方なく夕飯はモーテルの隣にあったマックで済ます。ちなみに次の日、もうちょっと歩いた所にセブン-イレブンがあることを発見し、そちらだったら、まだまともなラップとかを食べれたのだが、この日は残念な食事になってしまった。まあ、アメリカで満足できる食事にありつくのは至難の業だとは思っているので、諦めも早い。

そんなこんなで、1日目が終了。

日付変わって2日目。本日は朝からケネディー宇宙センターへ向かう。

もともと、ケネディー宇宙センターまではオーランドの空港からレンタカーを借りて行くつもりだったのだが、レンタカー大国アメリカのくせして意外と値段が高かった。ガソリン代とか入場料とかもろもろを考えると「現地ツアーの方が安くね?」という結論に至り、現地ツアーを日本から予約していた。ちなみに今回の旅は日本からアメリカに飛ぶ飛行機のチケットを不覚にも割と高い値段で買うしかなかった。なので、旅行費全体がかなり行ってしまいそうなので、なんとか使うお金を抑えるのが急務となっていたのだ。

「現地催行会社に・・・」と案内に書いてあって、事前情報では「英語ペラペラの黒人ガイドが・・・」とか書いてあったので、てっきりそんな感じのガイドかと思っていたら、おもっきし日本人だった。しかもこの人のテンションは異常に高く、朝8時ホテルピックアップから、ケネディー宇宙センターまでおよそ45分ぐらいかかるのだが、ず~っとしゃべりっぱなしだった。ミニバンでの移動だったのだが、後ろの方に座っていたらあまり相手にしなくても大丈夫だと思われるが、運悪く我々は一番前の席に座らされてしまったので、相手をするしかしょうがなかった。

オーランド空港近くのホテルからケネディー宇宙センターまではこんな感じで超単純な道のりだった。レンタカーが安ければ、レンタカーで行っても全然問題ないだろうなぁ~というのが正直な感想。所要時間およそ45分。

さすが自動車大国だけあって、車も多い。そんなこんなで、遠くの方にロケットらしきものが見えてきた。

そんな感じでガイドの話に付き合いつつケネディー宇宙センタービジターコンプレックスに到着。

さて、入り口にはオシャレなデザインの噴水と、「NASA」の文字がおなじみの地球儀が。否応なくテンションが上がる。

チケット売り場の横では宇宙服を着た人がいて、その人と一緒に写真が撮れるようだった。ということで近づいていったら、もう一人係員がいて「次の写真撮影は10分後だから」と冷たく言われてしまった。多分この暑さで宇宙服を着てたら、中に入っている人が倒れちゃうんだろうなと思う。

ケネディー宇宙センタービジターコンプレックスはこんな感じの構成になっている。ゲートを超えてすぐに過去のロケット(実物大)が見えてくる。そして最大の見どころは一番奥にある、スペースシャトル(実物)ではないだろうか?

ビジターコンプレックス自体は思ったほど広い敷地ではないのだが、この後まわる発射台とかを含めると、ケネディー宇宙センター自体は広大な敷地だ。

セキュリティーゲートを超えると、あの有名な「アポロ」よりも昔の実物大ロケットが見えてくる。これだけでもかなりでかいのだが、この後見ることとなるアポロのロケットはさらに大きい。

今回一緒にツアーに参加した人たち。3組ぐらいの家族連れだった。子供を含めて家族で海外旅行できるなんて、みんな金持ちだなぁ~というのが正直な感想。我々は夫婦2人のみなのだが、金銭的には結構キツキツ。

どの家族も「大きな目的はディズニーワールドで、そのついでにケネディー宇宙センターのツアーに参加しました」的な感じだった。空港近くのモーテルに泊まっている我々がちょっと恥ずかしい。

さらに奥に進んでいくと、またまたあの有名な「NASA」のマークがお出迎え。

ビジターコンプレックスの一番奥にはスペースシャトルが展示されている建物がある。その建物の前には、こんな感じでスペースシャトルを打ち上げるロケットブースターと主燃料タンクのオブジェがある。これはさすがに実物ではないが、かなりの大きさ。

かなりの大きさで圧巻なのだが、近づいてよく見るとその造りは結構おもちゃチック。

建物内に入るとこんな感じの宇宙飛行士の写真が迎えてくれる。ちなみにガイドの話によると、宇宙飛行士は宇宙船のスペースの関係等から、割と体が小さい人が選ばれるのだそうだ。

さて、ちょっと広めのスペースで待機させられると、突然映画みたいな映像が始まる。

そして、その映像が終わると現れるのが・・・

どーん! このスペースシャトルなのだ。ただ、室内に入ってスペースシャトルが現れるのではなく、こんな感じで映画と組み合わせるなんて、アメリカ人のショーマンスピリッツは流石だな~と感じた。ロシアの宇宙センターも見たが、そちらはこんな感じの演出は全然なく、ただ漠然と展示がしており、強面(こわおもて)の係員があちこちに立っているぐらいなのだ。まあ、それはそれでロシアらしいと言えばロシアらしいのだが。

とはいえ、ロシアの宇宙センターの展示は「本当に真面目に宇宙と向き合っているなぁ~」と感心するような物ばかりなので、オススメだ。

ここに展示されているスペースシャトルは「アトランティス」というシャトル。スペースシャトルは5機作られ、このアトランティスはその4機目のスペースシャトルなのだ。飛行したミッションは計33回で191人もの宇宙飛行士を運んでいる。しかもこのアトランティスはスペースシャトル最後の飛行も行ったシャトルなのだ。

ここに展示されているアトランティスは実際に使われた実物。近くでその表面を見ると、何となく「布っぽい」質感がした。さすがに触ることはできないので、布かどうかはわからないが、多分布ではない。しかしながら、そんな質感が感じられるほどの近さで見ることができる。

スペースシャトルの主な目的は「物資の運搬」だ。したがって、このようにシャトルのほとんどはこのように上から大きく開くようになっており、ここに宇宙ステーションの建築資材や衛星等を積むことができる。

ちなみに、このスペースシャトルの写真はシャトルがみんな傾いて写っているが、これは変な方向で撮ったのではなく、実際にシャトルがこんな感じで傾いて展示されているから。このように展示することによって、シャトル全体がくまなく見えるように工夫されているのだ。

そして、シャトルのお尻の方にまわると、これまたその大きさに圧倒されるエンジンが目近(まじか)に見ることができる。大きく並んだエンジンは地球から発射するときのみに使われるもので、宇宙空間で使われることはない。宇宙空間では横の方にちっちゃく見えるエンジンのみが使われる。

このシャトルの後ろの方には主エンジン単体の展示もされていた。この見事な円錐状のところからあの猛烈な出力が発せられるんだなぁ〜と感心する。

実際のシャトルのエンジンもこんな近くで見える。シャトルが地球に帰還する時には宇宙空間で姿勢制御の為に使う逆噴射のエンジンとかを使って減速するのかと思いきや、これらのエンジンは空気がある地球では全く使われないとのこと。空気のある地球で使ってしまうと酸素が多すぎてしまい危険なのだそうだ。

だったら地球に帰還してくる時はどうやって減速しているのか? それはすごく単純な方法で、スキーのターンのようにシャトルが蛇行を繰り返して減速しているのだそうだ。しかもエンジンが使えないので、本当に着陸するまでグライダーのように完全滑空状態で降り、しかも一発勝負のやり直しが効かない着陸なのだそうだ。

シャトルが傾いて展示されているので、こんな感じで裏側までバッチリ見ることができる。

シャトルの裏側のアップ。この面は大気圏に再突入する際に面する部分で、空気との摩擦で1600℃以上の高温にさらされる部分。実はシャトルで最後の最後まで一番のネックになったのはこの部分なのだ。

どうやって大気圏再突入時の熱からシャトルを守るか?というのが課題で、その方法として、この面に耐熱タイルがビッシリと貼られている。この耐熱タイルは実際に持つことができるように一つ展示されているのだが、実際に持ってみると非常に軽い。

しかしながら、このタイルをシャトルに貼り付ける接着剤や、異種材料(耐熱タイルとシャトル本体のアルミ)同士の熱膨張率差をどうやって吸収するか?とかいろいろな問題があった。しかも打ち上げ時等の様々な外部要因でこのタイルが脱落してしまい、実際にこの耐熱タイルの脱落・損傷が原因で「コロンビア号」というシャトルは大気圏突入時に空中分解を起こしてしまった。

また、飛行を終えたシャトルはこの耐熱タイルが損傷を受けるため、毎回毎回点検・整備をしなければならず、これらがスペースシャトルの運用コスト上昇の一要因にもなり、結果的にシャトル計画が終了することにもつながってしまったのだ。

シャトルの側面に大きく書かれた「United States」の文字は、アメリカ人の自信の表れなんだろうなぁ〜と感じる。

さて、ひと通りビジターコンプレックス内を見たら、ここから、ケネディー宇宙センター内を運行しているバスに乗って、実際の発射台とかを見に行く。

スペースシャトルが展示されている建物のすぐ隣にバスターミナルがあって、ここからバスに乗る。ここに訪れる観光客は多いので、ひっきりなしにバスが来る。

ちなみにこのバスに乗るための入口では、何故か強制的に記念写真を撮らされる。当然戻った時には写真が出来上がっていて、買うことができるという、ド観光地にはお決まりのシステムなのだが、実際に出来上がった写真を見たら、びっくりするほど「合成感」溢れるもので、しかも予想の斜め上を行くお値段だったので買うことはなかった。

さて、このバスに乗ってビジターコンプレックスを出発する。まず向かうはロケットの組み立て工場。

ロケットの組立工場は、高さが200m以上もある建物なのだが、一階建ての平屋。平屋の建物として世界最大の大きさなのだ。

もともとはアポロのロケット(サターンV)を組み立てるために建設されたもので、アポロのロケットは同時に4基を組み立てていたため、建物のシャッターは4つある。スペースシャトルでは同時に4基もの組み上げはしなくなったので、2つのシャッターのみ(海側にあるシャッター)しか使われなくなったとのこと。このシャッターはあまりにも大きいため、完全に開くには45分もかかるそうだ。

ちなみに、ここからアポロセンターまでの施設はバスで通り過ぎるだけで中を見たりすることはできない。

組み立て工場を通り過ぎると、次に見えてくるのは組み上げたスペースシャトルを発射台まで運ぶ運搬台が見えてくる。

この運搬台は「クローラー」と言い、その重量は2500トンを超えるのだ。台座の下には大きなキャタピラみたいなのが付いていて、人が歩くぐらいの早さで移動する。

これ自体が重い上に、そこにスペースシャトルなんか乗っけたら想像を絶する重量になる。んで、通常のアスファルト路面では全然保たないので、ここから200km以上離れたアラバマ州等から大量の砂利を運び込み、組み立て工場から発射台までの道のりを2m以上掘って、その砂利を敷き詰めたそうだ。

運搬土台「クローラー」を通り過ぎると次にいよいよ発射台が見えてくる。ここまでの道のりは、組み立て工場から発射台までの運搬経路(クローラーウェイ)沿いに走るので、先ほど言った砂利が敷き詰められた道を見ながら走ることになる。

発射台自体は、ロケットが設置されていたら「お~!」と思うのかもしれないが、発射台だけ見たところで大して感動は生まれなかった。ちなみに発射台は「A」と「B」という2つの発射台が用意されているのだが、実際には1つの発射台しか使われないらしい。

最初に「A」の発射台を見て、それから「B」の発射台を見る経路を通るのだが、「B」発射台のすぐ近くには、打上げ時に「遮熱板」として使われた大きな板が置かれていた。

この遮熱板は、よく見るとシャトル発射時に発生する熱で溶けているのが良くわかる。ガイドは「この板は結構受けがいいんですよねぇ~」と、イチオシ感丸出しだったのだが、個人的には実際に見ても「ふ~ん」というぐらいにしか思わなかった。

さて、発射台を通りすぎて次に向かうのは「アポロセンター」。スペースシャトルの前に使われていた「アポロ」に関する展示をしている場所なのだ。

この場所にはバスを降りて中の展示物を見ることができる。

んで、建物の中に入って「えらい低い天井だなぁ~」と思ったら、実際のアポロのロケットが頭上に展示されるという、これまた工夫された展示方法で圧倒される。

アポロのロケットは正式には「サターンV(5)」ロケットと言う。3段式の完全使い捨て型のロケットで、スペースシャトルのように空中分解をする等、搭載物が失われるような大事故は起こしていない、意外と優秀なロケット。

これは1段目の部分の写真で、1段目と2段目は互いに切磋琢磨しあうように、別々の会社(航空会社)が作ったそうだ。

頭上に展示してあるロケットのすぐ横には、内部構造を解説した模型が置かれていた。

これだけ大きなロケットだが、ほとんどは燃料タンクで、実際に人が乗る部分や軌道周回する部分、さらには月着陸船等の宇宙で使われる物は先端部分のほんの少しの部分にしか無い。

サターンVロケットの他には、このロケットに搭載されていた「月着陸船」も展示されている。「月着陸船」その名の通り、月に着陸するための乗り物。地球から打ち上げられたロケットは「司令船」と「月着陸船」とで構成されて、宇宙で互いにドッキングして軌道を進む。月に近づくと、司令船と月着陸船は互いに離れ、司令船は乗員一名を残して、月の軌道を回って待機する。一方月着陸船には2名の乗組員が乗り込み、一つの大きなエンジンを搭載した月着陸船はそのエンジン動かしながらゆっくりと月に着陸し、月の探査をする。探査が終わると、やはりそのエンジンにて飛び上がって月から離れ、月の周回上で待機していた司令船と再びドッキングして地球に向かうのだ。

司令船と月着陸船がドッキングした状態で月に向かっていた途中に事故が発生したアポロ13号なんかは、司令船の方に問題が発生してしまったため、月着陸船を緊急避難船として利用し、月に着陸すること無く地球に戻ってきたのだ。その一連の模様は映画「アポロ13」にて知ることができる。

日本で有名なあの「アポロチョコレート」はこの写真の物と形が似ているので、その名前となったそうだ。これは、乗組員が乗って最終的に地球に帰還する部分。あれだけデカイロケットは最終的にこれだけになって地球に戻ってくるのだ。

アポロセンターには月探査で持ち帰られた「月の石」も展示されている。コーティングされてしまっているのでこの石は触ることができない。

展示されている月の石は2つある。まあ、見ただけでは「ただの石」って感じなのだが、「月にあった」ということを考えると感慨深い。

月探査で実際に使われた宇宙服も展示されていた。これ、実際に見ると意外と小さく、自分の背丈ぐらいの人が着ていた感じがする。デカイ人ばかりのアメリカ人では小さい感じで、実際に宇宙飛行士は小さい人が選ばれていたのが、これを見てもわかる。

実はこの宇宙服は地球に帰還してから、洗浄とかされることなく展示されているため、足元なんかは結構汚れている。これは月の表面の砂とかによる汚れで、「あぁ、実際に月探査をしてきたのね」って感じがして良い。

服に取り付けられた配管等は、実際に見てみると結構面白い。

月の上を実際に走るように作られた走行車も展示されている。さすがにこれは実際に使われたものではなく、レプリカだと思うが、重力加速度が地球よりも小さい月で走り、且つロケットの打ち上げに影響が少ないよう、なるべく軽量化を考えられた構造が読み取れてなかなか面白い。

ここで、ちょうどお昼時なので、アポロセンター内のカフェで昼食。まあ、お値段が高いことはご想像通り。

アメリカでは、努力してしっかりと野菜を取るようにしないと、体調を崩してしまいます。

さて、こちらも月の石なのだが、こちらの石は実際に触れるように加工された石。というのも、実際の石をそのまま触ると、中に鉱物がたくさん含まれていて、指を怪我してしまうそうなのだ。したがって、表面がツルツルになるように加工されている。

実際に触ってみたものの、さすがに表面がツルツルに加工されてしまっているため、「う~ん」と言う感じで感動はあまりない。

こちらは司令船。この司令船と月着陸船がドッキングして、地球から月へ向かう。

写真手前の円錐の部分が先ほど見た地球に帰還する部分。そして向こう側の円柱の部分には酸素ボンベや燃料・バッテリー等が搭載されている。地球に帰還する時にはこの部分は切り離されて、宇宙空間に放棄される。

ロケットの先端側から撮影。宇宙空間で必要な機材はここに写っているロケット全体に対してほんの少しの部分だけで、ロケットのほとんどの部分は地球の重量を振りきって宇宙空間へ飛び出すのに必要な燃料だ。

宇宙服を来たスヌーピーが置かれていた。これは単に観光客を楽しませるためのキャラクターとして置いているわけではなく(多少その目的もあるかもしれないが・・・)、アポロと関係があるので置いてあるのだ。

アポロ10号のミッションで、司令船と月着陸船のコールサインは、それぞれ「チャーリー・ブラウン」と「スヌーピー」だった。というわけで、このミッションでは半公式的にミッションのキャラクターとなったそうなのだ。

ロケットのエンジン側に回ってみると、ド迫力のエンジンだった。こんなにデカイエンジンが5基も付いていて、実際に発射したら、ものすごい衝撃なんだろうなぁ〜と思う。

ロケットの横には各ミッションの徽章(きしょう)が並んでいる。アポロ計画は当初20号まで打ち上げられる予定だったのだが、予算削減の為に17号までとなってしまった。スペースシャトルは最終的に135回のミッションが行われた。そう考えるとスペースシャトルも結構すごいなぁ〜と思う。

建物内の壁の一部には、アポロ11号で初めて人類が月に降り立った日の世界の新聞が掲示されていた。皆どこの国もその内容を大きく伝えているのがわかる。

当然日本の新聞も掲示されていて、毎日新聞だった。「いま月を踏んだ」という大きな見出しと写真が印象的。

アポロセンターからは、来る時に乗ってきたのと同じようなバスが常に巡回しているので、それに乗って最初にスペースシャトルを見たビジターコンプレックスに戻る。

時間がなくてゆっくり見れなかったのだが、ビジターコンプレックスのエントランスゲートの近くには昔の宇宙計画の資料が展示されている建物がある。写真はそこで展示されていた宇宙服。

アポロ計画で司令船と月着陸船がドッキングしている状態を示した模型。こんな感じで双方はドッキングする。

実は最初からドッキングした状態でロケットに搭載すれば良いように思うのだが、多分スペースとかその他もろもろの理由によって、それぞれはロケットに搭載されている時にはドッキングしていない。しかもドッキングする方向とは反対の方向を向いて格納されているのだ。したがって、宇宙空間では、一旦司令船がロケットから離れ、そして反転し、また月着陸船の方に近づいて行って手動でドッキングするのだ。

そんなこんなで、宇宙大好きの男子には大満足のケネディー宇宙センター見学だった。宇宙に全く興味のない女子にとっても、その迫力なんかは十分楽しめるんぢゃないか?と思った。

今回利用したツアーは、アポロセンターの途中までは自分の大嫌いな集団行動となり、途中で自由時間。そして、自力でビジターコンプレックスまで戻って、そこで集合という形式だった。自由時間はおよそ3時間ぐらいあったのだが、昼食の時間とか入れると自由時間はすごく少なく足りなかった。というか、ガイドの余計な話がすごく長かったので、そこら辺を端折って貰えれば、もっとたくさん見れたのにぃ〜と、若干残念な感があった。

結局金銭的な理由で安易に現地ツアーを選んでしまったが、満足するまで見たい人には、ツアーに乗っかるのはあまりオススメできない。オーランドの空港からだったら、ケネディー宇宙センターまでは、めちゃくちゃ単純な道なので、レンタカーで自力で行った方が良いと思われる。しかも、細かく見たら結構時間が必要なので、できれば朝早くから行った方が良いと思う。

そんなこんなで、自分で運転することもなく、楽ちんな状態でホテルまで戻る。さて、明日は早朝からの移動でメキシコ・カンクンに移動。文字通りの「カリブ海リゾート」を楽しもうと思ってますよ。

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