【メキシコ旅行記】Day4 ADOバスで行く灼熱のチチェン・イッツァはとろける寸前だったぁ?!

旅は4日目。カンクンは2日目にあたる。

オーシャンビューの部屋から見える朝方の海は静かで気持ちが良い。こんな贅沢していていいんだろうか?と思ってしまうのが小市民の証だ。

相変わらず古いガイド本で旅をしていた我々は、「ティコス」というサンドウィッチ屋があるという情報はゲットしていた。その情報によると、お店はホテルゾーンのインターコンチネンタルホテルの前あたりにあると言うことだったのだが、バスで通りかかった時に、それらしい店が見当たらなかった。

「なんかおかしいなぁ〜?」と思いつつ、ホテルでネットを使って必死に調べると、その店はホテルゾーンの我々が泊まったすぐ近くに移転したということ。「おぉ!、そりゃラッキー!」ということで、行ってみることに。都合の良いことに、この店は朝からやっているようだったので、朝飯ついでに買い、さらには今日行こうと思っているチチェン・イツァでのお昼ごはんにしてもいいかなということで朝っぱら歩いて行ってみた。

ということで、ティコスの店構えはこんな感じ。写真にも写っている「Hong Kong express」というお店の隣にある。近くには日本料理の「花いち」というお店もあるので、目印にしてもいいかもしれない。

ガイド本によれば、地元のタクシー運転手とかにも大人気ということだったのだが、自分たちが行った時にもすでに客が何人かいた。しかも、自分たちが買って出来上がりを待っている間にも、どんどんお客さんが買っていった。

店の前に掲示されていたメニューはこんな感じ。英語とスペイン語のメニューがあって、店の大きさの割にメニューはかなり豊富。

これは我々が注文した「ベジタリアン」。キュウリのような瓜が「これでもかっ!」ってぐらい挟まれている。他にはチーズとニンジンが入っていてかなり美味い。個人的にはこれがオススメ。若干の難点は、挟まれている瓜の量がハンパないので、若干食べにくいことと、水分を多く含んだ瓜が挟まれている為、すぐに食べないとパンがシナっとしてしまう。

どのメニューにも共通することだが、パンの表面を「カリッ」と焼いてくれているので、おいしく感じる。

そしてこれが「ターキー・ハム&チーズ」。個人的には日本ではあまり一般的ではないターキーが好きなので、海外に出て「ターキー」とあると、ついつい買ってしまう。

こちらもかなり美味。ターキーの味がしっかりしていて、塗られているアボカドチックなソースも絶品。全体的にリッチな味のサンドウィッチだ。

あまり美味しそうには写っていないが、中はこんな感じ。

二人分なのに、結構買ってしまった。まあ、朝ごはんとランチの兼用なので、多すぎる量ではないんですが。

そしてこれが「エコノミクス」。これの特徴はとにかくシンプルで安いこと。

お金の無い旅行者にとってはありがたい存在であって、それでいて美味しく、量も物足りない感じは全然無い。ベジタリアンもターキーハム&チーズが「高級」なものだとしたら、これは「オーソドックス」という感じで「貧相」な感じは全然無い。

メニューが豊富で、どれを買ったらよいか?迷ったら、とりあえずエコノミクスを買っておけば間違いないと思う。

中身はこんな感じ。チーズが挟んであったかどうかの記憶は定かではないのだが、ハムだけでも十分美味しいサンドウィッチだった。

ちなみに2015年8月現在、ベジタリアンは45ペソ、ターキーハム&チーズは48ペソ、そしてエコノミクスは18ペソで、エコノミクスは断然安い。大した金額の差でなければ、ベジタリアンやターキーでも良いかなと思うが、この値段差を考えればエコノミクスで十分だ。

さて、お腹も満たされたことだし、バスでまずはセントロにあるADOのバスターミナルを目指す。

これはバスの車内から撮影した写真なのだが、バスのフロントガラスにはこんな感じで大きく路線番号が書かれている。ちなみにこれは「ルート2」のバス。なので、バスに乗るときは「このバスは何番のバスなんだろう?」という心配は全然要らない。

ホテルゾーンからセントロにあるADOのバスターミナルまで行くには、本来だったら1番のバスに乗らなくてはならないのに、我々はその事を知らず、たまたま来た2番のバスに乗ってしまい、セントロで少し歩く羽目になった。

とはいえ、朝のまだ静かなセントロの雰囲気をゆっくりと感じることが出来てちょっとラッキーだったかもしれない。

チチェン・イツァ行きのバスチケットは既に昨日ここで買っていたので、出発の時間まで待合室で待つ。待合室はこんな感じで広く、普通だったらゲートがいくつもあるのを
想像しがちだが、実際にバスに乗るゲートは1つで、時間になると係員が「○○行きに乗る人~!」みたいに大きな声で呼んでくれるのだが、当然のごとくスペイン語なのでわかりにくい。さすがにチチェン・イツァは聞き取れたのだが、次の日に乗った空港行きのバスは全く聞き取れず、「これかな?」という当たりをつけて係員にチケットを見せたら「そうだ」と言われて乗るという感じだった。

ちなみにバスの出発時間は予想に反してかなり正確。バスへの乗り込みは出発の5~10分ぐらい前から始まるので、そのぐらいの時間になってゲートに人が集まり始めたら係員にチケットを見せてみたら、自分が乗るべきバスが呼ばれているのかどうかが分かる。

ということで、チチェン・イツァ行きのバスは定刻通りに出発。ちなみに我々が乗ったバスは1等のバスなので、バス自体が高級な上に高速道路も使うのでかなり快適。バスの車内ではず~っと映画が放映されていた(もちろんスペイン語吹き替え)

バスは途中の「バヤドリド」という街にあるADOのバスターミナルに寄る。あまり下調べをしっかりしていなかった自分は、勝手に「1時間ぐらい」と思い込んでいたのだが、実は片道3時間以上かかる道のりで、途中でそれを知った自分は「往復で6時間もかかるぢゃん!一日がかりだなぁ~」と我ながら「今更何を・・・」と思うような発言をおもわずしてしまった。

このバスが「冷房がキンキンで超寒い」というネットの情報がいろんなところに書いてあって、ここまでみんなの情報が一致しているということは、相当寒いんだなぁ~と二人して防寒対策バッチリで上着を持っていったのだが、全然寒くなくて拍子抜けした。
ちなみにこの後訪れるチチェン・イツァはとろけるぐらいの灼熱地獄なので、チチェン・イツァで上着を使うことは絶対にありえない。ということで荷物になるのが嫌な人は一か八かで上着を持って行かなくてもいいかも(自己責任で)

そんなこんなで、チチェン・イツァに到着。

早速チケット売り場に向かうと、ツアーで来ている客とかでいっぱい。プチカオス。

さて、先に言ってしまうことになるのだが、自分はADOのバスで直接来た。もちろん帰りもADOのバスで帰る予定。カンクンのセントロでもホテルゾーンでも、それこそチチェン・イツァ行きの現地ツアーは溢れかえっている。自分は何も調べもせずに「ツアーに乗らず、自分で行ったほうが安い」という勝手な解釈だったのだが、前日にADOの往復バスチケットを買った後に、ネットで調べてみるとツアーの方が割安だということが分かった。もちろん、ホテルゾーンでツアーを頼むとそれなりに高いようだが、セントロの方にそこらじゅうにあるツアーに乗っかれば、ランチやチチェン・イツァ近くにあるセノーテ(イク・キルというセノーテ)に寄ったり等して、同等の値段ぐらいで収まるということだ。若干バスが来るのが遅かったり等の海外特有の問題点が発生する可能性はあるが、それでも全体的に考えたらツアーに乗っかった方がいいかもしれない。

ということで、我々が使ったADOで自力で行くという方法は、正直あまりオススメできない。だったら、安い現地ツアーの情報を探したほうが賢いと思われる。

チチェン・イツァとは、マヤ文明の都市。6世紀頃に栄えた旧チチェン・イツァと、10世紀頃に栄えた新チチェン・イツァがある。古代のマヤ人達は暦によって定期的に遷都するという文化があり、6世紀頃栄えた街は遷都を繰り返して、10世紀頃にまた同じ地に戻ってきたというわけ。

現在のチチェン・イツァはチケット売り場を抜け、ゲートを超えてしばらく歩くと、新チチェン・イツァにあたる。そこから若干戻るような感じで手前奥の方へ進む道があって、そちらは旧チチェン・イツァというレイアウト。

ということで、ゲートを抜けて歩いて行く。ゲートからは少しだけ歩く。

ゲートからしばらく歩いて行くと、「ククルカン神殿」に出る。

どーん! まさしくチチェン・イツァの代名詞とも言える「ククルカン神殿」がいきなり登場。見たかったものがいきなり出てきてしまったら、この後もこのテンションが保てるかちょっと心配だ。

どうでもいいことだが、個人的にはショートケーキの上の「いちご」は最後までとっておきたい派なので、こういった遺跡もできればメインが最後に来てほしい。そんな希望はお構いなくいきなり現れるククルカン神殿。

近づいてみると、それはそれは圧巻なピラミッド。

ただの建造物かと思いきや、これはいわゆる「カレンダー」の役割も果たしており、考え尽くされた建物なのだ。このピラミッドの段数や方向は全てマヤの農耕暦や祭事暦に従って作られている。

以前はこのピラミッドに観光客が登ることもできたらしいが、現在は登ることが出来ず見るだけだ。

北側の階段にある蛇(ククルカン)は、春分の秋分の年に2回、影となって現れるというのは、あまりにも有名。それだけ古代マヤ人は天文学と建築学に高い知識と技能を持っていたということが分かる。

現在のように気象衛星なんかが無い時代。彼らは命にかかわる農業を失敗しないためにも、季節の変わり目なんかから、必要なタイミングをしっかりと把握する必要があるので、いつも太陽や星を観察していたんだなぁ~というのが分かって感慨深い。

これは、実際にククルカン神殿を見て分かったことなのだが、ガイド本なんかで必ず写っている方向と反対側の面は意外と階段の角なんかが崩れた状態になっている。

正面は「ちゃんと大きな石を切りました!」的な感じなのだが、反対側はご覧の通り「そこら辺の石を何となく形が揃うように積み上げました!」的な感じがする。まあ、風化等によって崩れた為に、現在はこんな感じになっているのかもしれないが・・・。

ガイド本だけではわからない、こういった部分を知ることができるのも「わざわざ来て良かったなぁ~」と感じる瞬間で、旅の醍醐味だと思う。

はしゃぐ妻。このショットを撮るために4回ぐらいは飛んでもらっている。

さて、ここら辺でじわじわと感じていたことなのだが、このチチェン・イツァ、事前情報からも「暑い」というのは知っていたのだが、本当に暑いのだ。まだ最初の部分しか見てないのに「帰りのバスの時間までもつかなぁ~?」と心配になってくる暑さなのだ。もう不快なぐらい暑い。写真を撮るにはできれば雲は出てほしくないのだが、正直に言えば「太陽を遮ってくれ!雲よ!」といきなり思うほどの暑さだった。

冗談抜きで「暑さ対策」というのは必要だと感じだ。海外で「日傘」なんてさしている人はおらず、ちょっと恥ずかしいかもしれないが、日傘があった方が良いと思う。
汗っかきの人はタオルは必須だと思うし、敷地内でも水は買えるのだが、それなりに高い。荷物に余裕がある人は水分をたくさん持っていった方がいいんぢゃないか?と思われる(われわれもそれなりに水を持っていったが速攻無くなり、敷地内で高い水をどんどん買った)。

そんな暑さにいきなりやられつつも頑張って観光を続ける。つづいては球戯場に向かう。

球戯場はククルカン神殿から、だだっ広い敷地の反対側に存在する。遠くから見ると、球戯ごときの娯楽に良くここまでの建物を建てたなぁ~と感じてしまうぐらい。現在で言えばいわゆる「スタジアム」だ。

ところがどっこい、この球戯とは、単に娯楽の為ではなく、豊穣の宗教的な儀式としての球戯だったそうだ。こんな感じの広い敷地が広がる。

ここで行われた球戯とは、生ゴムで出来たボールを手を使わずに、この壁の上の方に飛び出して付いているリングみたいな穴に入れるというもの。いわゆるサッカーみたいなもので、ゴールがこのリングなのだ。

てか、手を使わずにこんな高いところにあるリングにボールを通すなんて、全く意味がわからない。やはり、ここにボールを通すのは結構難しかったようだ。

試合の結果、勝ったチームのキャプテンは栄光を担って、生贄として捧げられたそうだ。何で勝ったチームのキャプテンなのかは、自分は全く理解できない。自分がキャプテンだったら、チームメイトに「絶対に頑張るな!」と言うと思うし。自分がキャプテンではなく、単なるチームの一員で、嫌なやつがキャプテンだったら、すごく頑張るかもしれない(我ながら嫌な性格だ)。

一説によれば、負けたチームのキャプテンが生贄となるとも言われているそうだ。それなら若干納得できる。

この球戯場は選手同士の声が確実に届くように、音響が良い構造になっているそうで、それを体感する為に球戯場内で手を叩くと驚く程音が反響するそうだ。

確かに叩いてみると、そう感じるような感じないような・・・。周囲を壁で覆われた空間で音を出せば、それなりに反響するのは普通ぢゃない?とひねくれた考えを持つのは自分だけだろうか?

ツアー客の集団はその音の反響を実感するため、みんなで集まって一斉に合わせて手を叩いていた。これはその写真。みんなが一列になってガイドの合図に合わせて手を叩く。ちょっと異様な風景。


球戯場のすぐ隣にはジャガーの神殿とツォンパントリがある。

ジャガーの神殿は小さいながらも意外と立派。日本のガイド本では扱いが割と小さいのだが、海外のガイド本では扱いが大きいのか?たくさんの外国人は熱心に見ていた。

割と立派な建物にもかかわらず、中央にはジャガーの像がちょ~んと鎮座する。ジャガーの像は意外にも貧相だった。建物内部壁には10世紀のトルテカ人侵入の際の戦闘風景と考えられている風景が描かれている。

ジャガーの神殿の横にあるのが「ツォンパントリ」。これは「頭蓋骨の城」というなんとも気味が悪い意味で、生贄の頭蓋骨等を大衆にさらす場所だっという。

台座の壁の部分にはドクロの絵が並んでいる。古代マヤ人はどんな趣味をしていたのだろうか?と疑ってしまうが、実際に現在でもメキシコでは、個人を思う「死者の日」という盛大なお祭なんかでもドクロが出てくるし、おみやげなんかでもドクロを模した物が多い。大昔からの文化を今でも引き継いでいるのかもしれない。

ツォンパントリ付近から見るククルカン神殿の姿は結構美しいですよ。

さて、ここから、チチェン・イツァ敷地の奥の方にある生贄のセノーテに向かう。セノーテは一本道を入った奥の方にある。

さすがに観光客だらけの一本道だけあって、観光客になんとかお土産を売ろうとする露天がず~っと連なっている。

セノーテを地下水が湧き出す水たまりのような場所で、カンクン周辺の土地にはたくさんあるそうだ。場所によってはものすごく綺麗な水で泳ぐこともできるそうだが、ここのセノーテはみるからに綺麗ではない感じだ。

もともとこのセノーテは、、日照りの時期に生贄を捧げたと言われているもので「聖なる泉」とも言われているが、現在では実際に生贄として捧げられた人数は120人程で、ほとんどは貴金属や天然石の装飾品が主だったという説が有力らしい。

セノーテからククルカン神殿付近まで戻り、次に向かうは戦士の神殿。

戦士の神殿は3層の基壇を持つ神殿で、結構立派。その造りには中央高原にある遺跡と同じような神殿があるため、中央高原との文明の交流があったのではないか?と言われている。

この神殿の周りにはたくさんの石柱が立っている。当時はここに屋根がついていて、宿の役割を果たしていたと考えられている。

こんな感じでず~っと石柱が並び、神殿に向かって右側の石柱群には商人が住んでいて、内部は市場だったと考えられているそうだ。

爬虫類嫌いの人には申し訳ない写真なのだが、神殿内にはあちこちにこんな感じで、野生だと思われるイグアナが結構いる。さすがに人に慣れているようで、相当近づかない限りなかなか逃げないが、追いかけると結構早いスピードで逃げていく。

さて、戦士の神殿を取り囲むように建つ石柱群の千本柱の間から、森の中を通る小道を進んでいくと、旧チチェン・イツァに入る。

まず最初に現れるのが高僧の墳墓。

高僧の墳墓もククルカン神殿と同じくピラミッド型の建物で、発見された時は崩壊が激しかったのだが、現在の姿は修復された物。ここから貴重な埋蔵品も発見されているそうだ。

高僧の墳墓にも、ククルカン神殿と同じく蛇の階段がある。こちらは春分と秋分の日に影になるのかどうかは不明だが、ククルカン神殿のそれと方向が違うので同じようにはならないんぢゃないか?というのが自分の勝手な想像。

高僧の墳墓からさらにお土産屋が並ぶ一本道を進んでいくと、天文台が見えてくる。

「これが天文台だよ」と言われたら、「お~、確かに天文台っぽいね」と言ってしまいそうな形をしているのは、現代の天文台と似たような構造をしているから。多少崩れてしまっているのだが、現代の天文台と同じような形をしているということは、当時もそれなりに理にかなった天文観測をしていたんだなぁ~というのが、容易に想像できる。

そのような高度な天文観測技術が、ククルカン神殿のような暦と密接に関連した技術の高い建築物の建設に一役かっていたということだと思われる。

天文台を超えて、さらに奥にあるのが、尼僧院と教会。

尼僧院と教会は、旧チチェン・イツァを代表する建物で、新チチェン・イツァにある建物と異なり、中央高原との文明交流がされていない時期の物と考えられ、純粋なマヤ文明ののデザインで出来ている。

尼僧院と命名はされているものの、実際のところの役割は不明らしい。

尼僧院から新チチェン・イツァの方向へ少し戻った所に「赤い家」というのがある。

結構立派な建物なのだが、これが何の役割だったのか、ガイド本にも載っておらずさっぱり分からず・・・。

最終的にチチェン・イツァの感想は「素晴らしかった」ではなく、「暑かった」というのが正直なところ。あまりの暑さで後半はほとんど木陰で休んでいたし、疲れすぎて暑かった思い出しか残っていない。

我々は往復でバスチケットを購入していたので関係なかったが、チケット売り場のすぐ横にあるお土産屋の一番奥にADOのバスチケットが売っている場所があって、時刻表もある。帰りのバスも結構満員に近かったので、できれば往復でチケットを買っておいた方が安心だ。

というわけで、帰りもADOのバスで3時間以上かけて帰る。チチェン・イツァからADOのバスに乗る時は、カンクンから乗ってきたバスを降りた所で乗れる。チチェン・イツァの駐車場にはたくさんの観光バスがひっきりなしに来て、ADOのバスを見失わないか?と若干心配になったが、実際にバスが来たら車体に大きく「ADO」と書いてあるので心配は要らない。

カンクンに着いた時にはすでに夜になっていたので、ADOのバスターミナルがあるセントロで夕飯を食べることにする。ガイド本にも載っていた「ラ・パリージャ」というお店。本当は「ラブラシータ」というお店に行こうと思っていたのだが、実際に行ってみると無くなっていて、ちょうどその数件となりにあったので入った。

店内は広くにぎやか。マリアッジなんかもやっているお店だった。セントロの裏通りにあるので、地元民がよく通う店かと勝手に思っていたのだ「こりゃ、完全に観光客向けだね」と肌で感じるような店だった。なんせ入店した時に「どこの国から来た?」と聞かれて「日本だ」と答えると、表にメモっていたぐらいだから。多分何かの統計でも取っているんだろうと思われる。また、添乗員付きのツアーで来たと思われるおばちゃんの集団もいて、おそらくマリアッジを旅行会社にアレンジしてもらっているようだった。旅行会社が選択するぐらいなので、完全に観光客向けのお店だろう。

メキシコではタコスやその他の料理にライムを絞って食べることが多く、お皿にもライムが乗っていたりする。爽やかな酸味が気に入ってしまった我々は、チチェン・イツァで疲れた体を癒やすため、レモネード的な酸味の効いたジュースを注文。

適度な酸っぱさが体に染み渡る美味さだった。ここも2人で1つのジュースを注文したら、ちゃんとストローを2本入れてきてくれる気の使いようはありがたい。

こちらの店でも問答無用でサルサソースがまず運ばれてくる。メキシコ料理にとってサルサソースはやはり「命」なんだと思う。写真右下のようにお皿にライムが乗って来る。そして、日本の居酒屋で言う「お通し」的に何も注文しなくともトルティーヤが出てくる。

こちらはコンソメスープ的なスープ。最初から輪切りのライムが入っていて、ほのかな酸味があって美味い。中に入っている具のようなものは、トルティーヤを千切りに切ったものだった。

こちらはごくごく普通のサラダ。

これは鶏肉と野菜が炒められた物。トルティーヤも一緒に運ばれて来るので、トルティーヤに巻いて先ほどのサルサソースを少し塗って食べると美味しい。よく炒められたタマネギの甘さが美味かった。

先ほどの鶏肉の炒めものにはご飯が付いていた。そして言い方は悪いが「う○こ」のような色のものは、やはりこれも豆を煮て潰したもの。見た目はこんなだが美味い。

ここのお店の料理のお味はごくごく普通に美味い。しかしながら、観光客相手に商売をしているだけあって、「これでこの値段はねぇ~」とちょっと思ってしまう感じ。ただ、ビーチリゾートでお金を使いに来た人には全然問題ならないような値段なのだが。

そう考えると昨日行った、地元のおばちゃんが作る学食形式のレストランはとても割安で、味もこのレストランに全然負けてなくて「お得」だったなぁ~という感じだった。

さて、お腹も満たされたので、宿泊していた「クリスタルカンクン」があるホテルゾーンにバスで戻る。

メキシコは治安の悪いところが多いのだが、カンクンは例外のようで、夜のバス車内も危険そうな空気はなかった。とは言え、夜間の外出は最大限の注意を払っておくことに越したことはない。

噂には聞いていたが、バスの中でギターを持って生演奏をする人がいた。観光客はともかく、地元の人も完全無視で全然稼げている感じはなく、親子二人でやっていたのだが「生活大丈夫か?」と、何故かこちらが心配してしまうような感じだった。

ホテルに戻る前にちょっと寄り道を。

カンクンの滞在は今日が最後で明日はカリブ海に浮かぶ孤島である「セントマーチン島」へ移動しなければならない。というわけで妻は会社の人とかのバラマキ土産を買わなくてはならず、ホテルゾーンにあるお土産屋さん(プラザ・ラ・フィエスタ)へ。

さすがにホテルゾーンにあるお土産屋だけあって、品数も豊富。まあ、それなりに値段も張るのだが。メキシコには、観光客の気を引いてしまうお土産が結構ある。

お土産屋なのに、何故かちょっと生鮮食品が置いてあった。

そこで気がついたことなのだが、こちらで売っているタマネギは、最初から皮が剥かれている。

あれだけ食事にライムが付いてくるだけあって、ライム(写真右下)が、かなり豊富。

事前情報では、メキシコではかなりたくさんの種類のアボカドが売られているということだったのだが、実際には全然種類も無く、日本のようだった。メキシコシティーではまた事情が違うのかもしれないが・・・。

日本ではなかなかお目にかかれない、10L入りのオレンジジュース。こんなに飲んだら絶対にヤバイよね。そりゃアメリカを抜く肥満大国になるはずだわ。

コカ・コーラも2.5L入り。「2Lでいいじゃん!」と思うが、少しでも多く飲みたい!という気持ちが汲み取れる。

南米でもちょっと南に行ったペルーやボリビアでは「コカ茶」が一般的だし、ブラジルでは「マテ茶」なんかも一般的だ。メキシコはお茶文化は発達しなかったんだろうか?とちょっと不思議。

そんなこんなでカンクン滞在は終了。明日はこの旅最大の目的でもある、セントマーチン島への移動。

これまでとこの先のカリブ旅
Day1・2 アメリカ人のショーマンスピリッツの真髄を見た!
Day3 カンクンのおばちゃんが作る料理は絶品だったぁ?!
Day4 ADOバスで行く灼熱のチチェン・イッツァはとろける寸前だったぁ?!
Day5・6 カンクンからセントマーチンへの果てしない道のり!
Day7 世界で一番美しいビーチはアンギラにあったぁ?!
Day8・9 絶対絶命!日本の免許証が無いとレンタカーできないですってぇ〜!

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