【セントマーチン島旅行記】Day5・6 カンクンからセントマーチンへの果てしない道のり!

今日は丸一日かけて、カリブ海に浮かぶ孤島「セントマーチン島」に移動する。まあ、距離はそんなに遠くないのだが、単に良い乗り継ぎの便がとれなかっただけのこと。

というわけで早朝(と言っても6時ぐらいだが)にホテルをチェックアウトする。また辺りは薄暗い。

そんなこんなで、最初は結構緊張したが、すっかり乗るのにも慣れてしまった路線バスでセントロにあるADOのバスターミナルへ向かう。

さて、これは到着した当日から気になっていたことなのだが、このADOのバスターミナルがある建物の裏側にある交差点でいつも屋台が営業していた。んで、いつ見ても混み合っていたので、すごく気になっていたのだ。

ってなわけで、今日も朝から盛況。と、ちょっと覗きながら通りすぎようとすると、おばちゃんが片言の日本語で話しかけてきた。「おいしいよ。タコス」みたいな感じだったんだと思う。

興味を持ってしまった自分は、お腹が空いていたわけではないのだが、ついつい寄ってしまった。

おばちゃんは、本当に片言だったが、「これはチキン。これはポーク、これは・・・」って感じで、用意されている具材を教えてくれた。どうやら、タコスの屋台だったようだ。タコスだったらどう頑張っても一個数十円か数百円って値段なので、試しに1つ注文し、妻とシェア。

食べてみるとびっくりする程ではないが、ごくごく普通に美味い。皮はとうもろこしで出来たものではなく、小麦粉で作った皮のようだ。ここはADOのバスターミナルに隣接した所にあるので、通勤でバスを利用する人やタクシーの運転手なんかがたくさんいる。そんなお客を狙って店を出しているんだろうが、不味い要素は全くないので、朝ごはん代わりや、ちょっとした腹ごしらえに最適なんだと思う。とういうことで、地元民で混んでいるんだと納得。美味くて安い店には客が集まるというのは世界共通の法則。

パクチーやタマネギなんかはもちろんのこと、金時豆を煮たやつなんかも自分でお好みの量をトッピングすることができるのもうれしいところ。金時豆ってトッピングなんだぁ~と、ちょっとおもしろかったが、トッピングしてみるとこれまた普通に美味い。

お金が無いのが大きな理由だが、自分はこういうスタイルの食事がすごく好き。安くて美味い店が見つかると本当に幸せな気分になれるのだ。凝ったスタイルの高級レストランでタコスを食べるのも美味いだろうが、タコスなんて大衆食なので、こんな感じで全然十分だし美味いよ。

そんなこんなで、個人的に押し押しの屋台のタコス店はADOのバスターミナルのこの部分の交差点にありますよ。まあ、屋台なんでいつもあるかはわかりませんが・・・。

空港行きバスを待ってる間、バスターミナル内からもう一度その屋台の方を見てみたら、やはり新しい客が食べていた。客が途切れる感じが全然無い。

余計な話はこのぐらいにして、とりあえず空港行きのバスを待つ。ちなみにチケットは昨日チチェン・イツァから帰ってきた時にココで予め購入。バス代はやはり1人5USドルで、ちょっとメキシコペソで小銭のお釣りが返ってくる値段だった。

バスはこんな立派な感じのバス。一日に何本か走っていて、チケットを買う時に時間を選択できる。自分が乗った時は朝7時台のバスをチョイス。飛行機の時間に合わせて買っておいた方がいいので、なるべく前日とかに買っておいた方がトラブルが少なくて良いと思う。

ということで、ADOのバスターミナルからカンクンの空港までは、ざっくり30分ぐらいの移動。

カンクンの空港内には映画「フォレスト・ガンプ」でも出てきた「ババ・ガンプ・シュリンプ」のお店があった。

空港には多少の余裕を持って行ったのだが、余ったペソをちょっと使おうかと、ターミナル内のレストランで、サラダだのタコスだのを2軒ぐらいの店で注文した。ところがどっこい、ここでメキシコ人らしさが出たって言ったら、その通りなのだが、いつまでたっても注文した品物が出てこない。個人的には数分で出てきてもおかしくない品だったのだが、トイレで「大」の用を足してきても全然余るような時間がかかっていて、「これ、乗り遅れんぢゃね?」と二人して不安になる。しかもいろいろな事情で、現在のところシートナンバーまだ決まってないし。それの手続きの時間も必要だ。

焦りに焦ったが、こんな状況でも貧乏性は丸出しで、大した金額ではないお金だが無駄にするわけにはいかん!と、しぶとく待って、やっとのこと出来上がった「サラダ」ごときを持って、ゲートまでダッシュする。

若干ヒヤヒヤしたものの、無事飛行機には乗ることができ、とりあず中継地のアメリカ・マイアミに到着。

マイアミに到着したものの、やはりココは空港の悪名高きアメリカ。乗り継ぎだけなのに相変わらずの入国審査で、予想通りの並びっぷり。我々は乗り継ぎ時間に時間がたっぷりあったので大して焦らなかったが、やる気のない係員の周りには、乗り継ぎ時間があまりない客でごった返し、プチカオス。どうにかしろよ。アメリカ。

乗り継ぎ時間はたっぷりあったので、搭乗ゲートで暇を持て余す。マイアミは乗り継ぎのハブ空港になっているからか、搭乗ゲートはどこも人でいっぱいだ。

そうしているうちに、我々の便の時間に近づいてきたので、あまりお腹が空いていなかったのだが、セントマーチン島に到着する時間は夜中なので、夕飯が食べられない可能性も考えて、無理やり夕飯を空港で食べることに。

この段階で外は、ありえない程のスコールに見まわれ、ほんの数分で滑走路のあちこちに水たまりが出来て空港内をひっきりなしに走る作業車のトラックがすんごい水しぶきをあげて走っているのが、ターミナル内からでもはっきりわかり、「お~、すごい雨だね」なんてのんきな事を言っていた。

そんなのんきな事を言っていた我々なのだが、たっぷり暇を持て余していた割に、ご飯を食べ始めた時間が遅かった為に、何故だが飛行機の時間まで余裕が無くなり、ここでも若干焦り気味にご飯を食べる。火を通した野菜が恋しくなり、中華系の惣菜を食べる。

食べ終わって、飛行機に乗り遅れないようにと、急いでゲートに戻ると、ゲートの掲示板には悲しいかな「DELAY」の表示が。「だったら、あんなに急いで食べる必要なかったわ!!」と思わず突っ込んでしまった。どうやら、このスコールで離発着が遅れ、全ての便にその遅れが影響しているようだ。

「まあ、数十分の遅れなら大したことないわ」とナメていたら、その後30分単位でどんどん遅れて行き、ネットでマイアミの空港の離発着状況を見てみると、「CANCEL」になる便も出始め、若干嫌な予感が頭をよぎる。

「これ、もし便がキャンセルになったら、この旅の最大の目的でもある、セントマーチン島に行けないかも・・・」と、かなり不安になったが、結局のところ3時間ぐらいの遅れで何とか飛ぶことになった。最終的にマイアミの空港に7時間ぐらい居るという、時間が限られた我々リーマンパッカーにとっては、すごく勿体無いことになる。まあ、旅にはつきものなのだが・・・。

さて、とりあえず飛行機が飛ぶことになって一安心。心配事が多少あるものの、セントマーチン島までおよそ3時間ぐらいの空の旅。

飛行機の中で隣になったおばちゃんはフランス在住の方で、このカリブ海のいろいろな島とかに行っているらしく、なかなか貴重な情報を教えてくれた。

日本人にとってはカリブ海なんて、遠くの地なので「おぉ~、いいなぁ~」と思うのだが、フランスからだったら意外と近く、絶好のリゾート地なんだと思う。

ちなみに今までフランス人って、「休暇のために仕事をする」って姿勢で、一ヶ月以上もバカンスを取るのが普通と聞いていたので、せいぜい休暇がとれても1周間か出来て2週間ぐらいの我々サラリーマンにとっては、「いいなぁ~、フランス人って」て思っていたが、そのおばちゃんの話によれば、フランス人もお金が無いので、年間数回に分けて2週間ぐらいの休みを何回か取るぐらいが普通だとのこと。フランス人もなんだかんだで、なかなか大変なのね。

そんなこんなで無事飛行機はセントマーチン島に到着。機内で配られたイミグレのカードはこんな感じで「Welcome to sint Maarten」の文字が本当にウェルカムな感じで良い。

空港に到着してイミグレに行くと、普通どの国でもパスポートを機械で読み取って、一応なんらかの入国処理をするのだが、セントマーチンでは機械で読み取ることもなく、自分が書いたイミグレのカードをちらっと見ただけで、ハンコをポン!と押して終わり。いいのか?こんなスルーで。

というわけで、無事イミグレも済ませて、セントマーチン上陸を果たす。出口には「Car Rental」「Taxi」「Bus」とあるが、バスについては事前情報を全然ゲットできていなかったので、使えるんだったらバスを使いたかったのだが、今回は使えず。

後日見たのだが、空港の目の前の道路でバスを待っているような人が数人並んでいるのを見たので、空港前の道路沿いにバスが停まるんだと思う。ただし、セントマーチンでは我々が一般的に想像するような、いわゆる「バス」って感じのバスは走っておらず、バスと言えばトヨタ・ハイエースのようなミニバンでナンバーのところに「BUS」って書かれているやつなのだ。しかもフロントガラスの所に行き先が書いてあるようなのだが、どこに行くのかわからないので、初めてセントマーチンに来た人には厳しいかもしれない。

そんなセントマーチンだが、観光客の島内での足はレンタカーが一般的らしい。しかも値段は結構安め。ということで、Hertzのレンタカーで事前に予約をしていた。で、イミグレを抜けたところにレンタカーのカウンターがあり、この時間でも光々とライトが点いていたので「ラッキー!」と思いカウンターに行ってみると誰もおらず。カウンターには多分事務所直通だと思われる電話が置いてあったので、受話器をとって呼び出してみるが、いくら呼び出しても反応無し。

困っていると、一人の女性が近づいてきた。おそらくセントマーチンに到着する客と落ち合う予定の旅行会社かホテルの現地女性だと思われる人で
女性:この時間はタクシーで行くしかないわ。んで、シンプソンベイの近くにフラミンゴリゾートってホテルがあって、そこにHertzのカウンターがあるから、明日行ってみたら?

と、セントマーチンに初めて来た我々にとって「フラミンゴリゾート」とはなんぞや?とよく分からない状態で、とりあえずお礼を言った。いずれにせよ、今日ここでレンタカーを借りるのは難しいようだ。だったら、ここのレンタカーカウンターにこんな光々とライトを点灯させんなよ!と思わず言いたかったが、誰もいないので言えず。

仕方なくタクシーで予約していたホテルまで行くことに。

余計な情報だが、空港のイミグレを抜けて左側に進み、出発カウンターがある方にSIMカードの自販機があった。自分は事前情報でSIMカードの自販機があることは知っていたのだが見つからずで結局買えなかった。最終的にセントマーチンを離れる日にチェックインしている時に見つけたので意味なしだった。

結局買わなかったので使えるのかどうかは分からないが、とりあえず10ドルでSIMが買えるようだが、どのぐらい使えるのか?トップアップ(入金)が必要なのか?は結局のところ分からず仕舞い。

空港からのタクシーは行き先によって大体値段が決まっているらしく、15ドルぐらい。ところが我々が到着した時は深夜になってしまっていたので、深夜割増しで20ドル必要だった。もともと「タクシー代が高いなぁ~」と思って空港からレンタカーを借りればタクシー代を抑えられると思って予約していたのに、なんだか腑に落ちない。

需要と供給の関係で値段が決まるからしょうがないと諦めつつ、予約していた「シンプソンベイ リゾート&マリーナ」に行く。車でほんの5~10分ぐらいの距離なので、タクシー代が勿体ない気がしてならない。かと言って深夜に歩くにはちょっと遠い距離だ。

今回予約したシンプソンベイは結構広い敷地に何棟もの建物があって想像以上のデカさだった。セントマーチンに来た目的は、マホビーチで飛行機を見ることなので、そのすぐ近くにある有名な「ソネスタ・マホビーチ」に泊まりたかったのだが、空港に近くて飛行機が見れるということ以外は値段も高く、従業員の態度もあまり良くないみたいだったので、安めの宿(それでも結構するが・・・)を探した結果ココになった。

Booking.comで予約した時には、「この宿は1周間単位での予約が基本となります」と書いてあって、若干「???」的な感じだったのだが、実際に行ってみると、どうやらコンドミニアムタイプの宿みたいで、欧米人が長期でビーチリゾートを楽しむようになっているのね、というのが良くわかった。

施設は古くなく、一応キッチンに揃った食器類も綺麗。長期で停まったら結構快適に過ごせるんぢゃないか?という感じだ。

しかし、カンクンの宿と同じく、こちらの宿も施設についてやルールについて大して説明をしてくれないの難点。我々はこの後レンタカーを借りたのだが、どうやらホテル内の駐車場に車を停めるには許可が要るらしく(われわれはレンタカーを借りる時にフロントのねぇちゃんにレンタカー屋に電話してもらったので、彼女は我々がレンタカーを借りることは分かっていたハズ)、そんなことの説明を受けていない我々は、許可証を持っておらず、最終日に駐車場のゲートのおっちゃんに怒られた。

さて、日付は変わって旅は6日目に突入。
今日はこの旅最大の目的でもある、セントマーチンのマホビーチで飛行機が頭のすぐ上を飛ぶのを見るのだ。

と、朝6時頃に寝ていたら、外ですごい轟音がするので見てみたら、土砂降りの雨。スコールと言っても良いぐらいで、「えっ!(汗)。これぢゃあ飛行機見れないぢゃん・・・」と軽く絶望感に襲われてしまった。

結局実際に活動し始める8時頃にはピーカンになっていて、「あの雨は何だったんだ・・・」と思った。次の日もやはり同じように早朝に土砂降りで日中は想像もできないほど晴れていたので、そうゆう天気のサイクルを繰り返す土地なのかもしれない。

とりあえず飲み水とかを確保したかったので、そこら辺にスーパーとかないかなぁ?と歩いてみたら、コンビニみたいながあり、適当な食料をゲット。南米で一般的な「エンパナーダ」的な物があって食べてみたら普通に美味かった。

セントマーチンに来る観光客の主な目的は、自分と同じく飛行機が間近で見れる環境があるということからか、ホテルのテレビのチャンネルには、セントマーチンの空港の発着予定時刻と状況が常に流れるチャンネルがあった。

昨晩のマイアミからの飛行機がディレイしたせいで、予定していた空港でのレンタカーをゲットできておらず、ホテルのフロントからHertzに連絡をしてもらったら、Hertzの係員が迎えに来るからちょっと待ってろということっだった。

しばらくホテルのフロントで待っていると、Hertzの係員が迎えに来て連れて行かれた所は、シンプソンベイの隣にある「フラミンゴリゾート」というホテル内にあるHertzの小さなブースだった。「あっ、昨日の夜空港で親切に教えてくれたねぇちゃんが言っていたのはこの事だったのね」と今更ながら納得。

そんなこんなで、レンタカーは無事ゲット出来たのだが、我々はてっきりこの車は空港近くにあるHertzの事務所に返却して良いのかと思っていたら、やはり返却もこのフラミンゴリゾートにある事務所に返却せねばならず、空港の事務所に返却するのであればエクストラチャージがかかるとのことだった。空港の事務所に返却できれば、ホテル→空港間のタクシー代(十数ドル)が不要になるのでそうしたかったのだが、エクストラチャージの方が高かったのでしょうがなくココに返すことにする。

そもそも飛行機がディレイしておらず、空港の事務所で借りられれば、空港からホテル間の往復タクシー代(35ドルぐらい)は不要だったので、余計なお金を使う羽目になってしまい、やはり何だか腑に落ちない。

愚痴を色々書いたが、そんな細かいことは忘れて、早速飛行機を見に行くことにする。レンタカーでホテルから空港近くのマホビーチに向かう。

マホ・ベイ・ビーチ自体には駐車場は無いのだが、空港のターミナル側からマホ・ベイ・ビーチを超えたところに「Sunset Bar & Grill」という有名なレストランがあって、そのちょっと先に駐車場がある。おそらくこの周辺の店の共同駐車場のようなのだが、朝早く(8時か9時頃)行ったらガラ空きだった。その後停め続けたが誰かにお咎めを受けるようなことはなかったので、停めていても問題ないんだと思われる。心配だったらお昼ごはんを「Sunset Bar & Grill」で食べればいいんぢゃないか?

ちなみに更衣室らしきものは見当たらなかったので、海に入る予定があれば、最初から水着を着込んで行った方がいいかもしれない。

マホ・ベイ・ビーチはテレビとかでも何回か見たことはあったので、勝手に広いビーチなのかと思ったら、幅は広いが道路から海岸までの距離はめちゃ近くて「あれ?こんなに小さいの?」という感じだった。

実はお土産屋とかに行くと、ここのビーチと飛行機の写真がポストカード的にたくさん売られているのだが、その写真をみると、もっとビーチは広く見えた。しかも現在のビーチは「Sunset Bar & Grill」がある方側にテトラポット的な物が置かれていた。単なる干潮満潮の関係かもしれないが、もしかしたら侵食されているのかな?とも思った。

足元を撮ってみると水が綺麗。カンクンでも「海が綺麗だなぁ〜」と感じたが、セントマーチンの海の方が綺麗だった。

エメラルドグリーンの海と青い空。そして白い雲が本当に綺麗。

そんなことに感動していたら、遠くの方から何だか小さい飛行機が見えてきた。

と、小さめのセスナみたいな飛行機が飛んでくる。迫力は無いがさすがに目の前を飛ぶ姿を見ると感動。

その後も小さい飛行機はひっきりなしにやってくる。

今度は遠くの方から今までとは風格の明らかに違う飛行機が来た。今までの飛行機はわりと近くに来てから気づいたのだが、今度の飛行機はかなり遠くから見える。しかも、飛行機の後ろにはちょっとした排気ガス的なものも見えるし・・・

んで、来たのはAmeriJet Internationalという会社の飛行機。飛行機に窓が無いのでどうやら貨物飛行機のようですな。

さすがにジェット機は迫力が違う。飛んでいる飛行機のお腹をこんな間近で見たことなんて無いよ〜!

その後も小さめの飛行機がたくさん着陸したりしていたが、今度は今までとは全然ちがう一際大きな飛行機が遠くに見えてきた。

そう、この旅はこの飛行機を見るために来たんだ!と言っても過言ではない、KLMオランダ航空のボーイング747。
日本で「ジャンボジェット」と言われていた飛行機なのだ。

この飛行機はセントマーチンには週3ぐらいでしか来ない。ということで自分もこの747が来る日とセントマーチンの滞在日をわざわざ合わせたのだ。真っ青な空に映える綺麗な水色の機体が美しい。小さい飛行機は空港の近くで旋回とかして着陸態勢に入ってくるが、ここまで大きな飛行機ともなれば、直前での旋回とかはさすがに難しく、本当に遠くの方からまっすぐ入ってきたという感じだ。

セントマーチンの滑走路はこの747が離発着するには結構ギリギリの長さらしく、失敗ができない滑走路らしい。

これほどまで大きい飛行機はさすがの迫力なのだが、来る前はどれだけ恐ろしい勢いなのか?と思っていたら、以外にも上品な感じで耳をつんざくような音とかでも無い。747のお腹もさすがにこの近さで見ることなんてできないので本当に感動だった。

本当に飛行機を近くで感じたかったので、滑走路の延長線上で待機した為、飛行機のお腹しか写らず迫力には欠ける。写真撮影のポイントとして、ビーチのすぐ上を飛ぶ飛行機の写真を撮りたかったら、ビーチから少し離れたSunset Bar & Grillの近くで撮った方が迫力のある写真が撮れると思う。

しかしながら、これは個人的なオススメなのだが、写真なんかネットで本当に良い写真がゴロゴロと転がっている。いくら頑張って撮ったところで、上手く行ってもそれと同じような写真が撮れるぐらいだ。だったら、写真を撮るのに一生懸命になっていないで、全身で飛行機の迫力を感じ取って、自分の目でしっかり飛行機を見た方が良いと思う。自分も写真を撮るのに一生懸命になってしまっていて、カメラばかりを見ており、飛行機は直接あまり見ていなかったなぁ〜というのが正直な感想。今思えばちょっと勿体無かったとも思う。

空港なので、もちろん着陸だけでなく離陸もする。風の影響で、普通着陸と離陸は同じ方向からする場合が多く、海側から着陸するのと方向を同じにして山側へ向かって離陸する。

ゲートを出た飛行機は誘導路を通ってまずマホビーチの方に来る。そして、一番端でクルッと180°方向転換をして離陸していくこととなる。

となると、離陸時には飛行機が停止している場所とマホビーチがめっちゃ近い位置関係となり、離陸スタート時には飛行機は当然フルスロットルとなるので、エンジンから発生する後方気流をビーチにいる人達がモロに受けることになる。

とはいえ、ココに来ている人たちはそれを楽しみに来ているので、飛行機が離陸のスタンバイ状態になると、こうやって滑走路に近い空港のフェンスに物好きがしがみつく光景が見られる。

自分はフェンスにはしがみつかなかったが、ちょっと離れたところで後方気流をモロに受けてみた。本当に危険というのが正直な感想。砂や小石がものすごい勢いで体を襲撃し、ジェット燃料が燃えたガソリンのような匂いが周囲を襲う。そして猛烈な風はしゃがんでいないと飛ばされてしまいそうになるほど強い。本当のところフェンスにしがみつくのはかなり危険な行為だと感じた。

ココに来る人達に共通する関心はもちろん飛行機だが、そのタイプは大きく2つに別れ、「着陸を楽しむ組」と「離陸を楽しむ組」に何となく分かれている感じがした。自分は「着陸を楽しむ組」で、離陸を楽しむ組となると、飛行機が離陸のスタンバイをし始めると、「我先に・・・」とフェンスにしがみつき始める光景が面白い。

当然ビーチなので、飛行機が来ていない時にはこんな感じでくつろぐ。海に浮かびながらのんびりと過ごす俺。

セントマーチンの海は本当に綺麗で同じ青でも「海の青」と「空の青」がこんな感じで微妙に違うのがわかって面白い。

本当に水が綺麗なので、光が下の方まで届き、ゆらゆらと揺れる光の芸術が言葉では表せないほど綺麗。

海の中から飛行機を眺めるのもなかなか楽しい。海に入る人があまりいないので、何となく独り占め的な感じもある。

マホベイビーチに一番近いところにある交差点(というか、基本的にセントマーチンにある主な交差点は信号ではなく、ラウンドアバウト方式になっている)には、「Welcome to St Maartin」の看板があった。なんとなくスタイルがカリブ海チックの楽しい感じがして楽しい。

先ほど離陸時のフェンスは大変危険と言ったが、こんな感じで「ジェット気流に飛ばされますよ!」という警告の看板もフェンス付近に設置されている。飛ばされている人の姿が面白い。

マホ・ビーチの端にある「Sunset Bar & Grill」レストランにはこんな感じでサーフボードに今日の着陸便の予定時刻が書かれている。これを見てベストショットを狙えば良い。

このサーフボードがあることは事前情報で知っていたのだが、「どうせ、何日もず~っと書きっぱなしなんだろうな~」と想像していたのだが、朝見た時には何も書かれておらず、昼前に見たらこうやって書かれていたので、ちゃんと毎日毎日書き直しているようだ。なので、字もこんなに適当なんだと思われるが・・・。

そして、タイムテーブルが書かれたサーフボードの隣にはカリブらしく「カリブの海賊」が鎮座する。

と、お昼ごはんを食べようかと思っていたら、あの水色が美しい「KLM」の747が離陸体制に入った。

一際大きく美しい機体が堂々と転回していく。あれだけデカイ期待からでるジェット気流はどんなものか?とすごい期待をして後方領域に入って待ったが、確かにすごい風だったが、他のジェット機とさほど変わらない感じだった。

水色の機体が滑走路を離れる瞬間の姿は優雅で本当に美しく感じるのは、飛行機に興味が無い人にとっても同じではないか?

さて、お腹も空いてきたので、「Sunset Bar & Grill」にてお昼ごはんを取ることに。こんな有名なビーチにあるレストランなので、どれほど値段が高いのか?と思ったら、確かに高いには高いのだが、別にビックリするほど高額というわけでもなかった。よっぽど日本の海の家の方が高いんぢゃないか?と思ってしまう程。まあ、こちらは一年中営業できますからね。

Sunset Bar & Grillは基本的に全席がこんな感じでテラス席になっている。海風を感じながら食事が取れて実に気持ちがいい。

我々はテラス席でも一番端の海がよく見える席に座って食事を取ることに。時間によっては直射日光にさらされる場合もあるので注意が必要。

お酒の飲めない我々はピーチティーで乾杯。コップもココのオリジナルのデザインみたいだ。

普段あまり「がっつり肉」を食べない妻が突然「肉が食べたい」と言って注文したポークリブ。見た目にはすごく味が濃いように見えるが、ビックリするほど濃いわけではなく、そこそこ肉も柔らかく美味しい。

そして自分はブルーチーズのバーガーを注文。最初からサンドされている状態ではなく、この写真みたいにバンズに具が「乗っかった」状態で出てきた。ブルーチーズはガッツリではなく「ほのか」に香るぐらいで、苦手な人でも大丈夫そうな感じだった。

食べごたえも十分で、海ではしゃいで疲れた体には十分な栄養補給だった。

テラス席からは、ちょっと遠めだが飛行機が着陸する姿がバッチリ見える。ちょっと小さめの機体だが、これはデルタ機ですなぁ~。

ココら辺のポイントから撮るとビーチと飛行機との近さが分かるよね。

飛行機が近づくと我々が座った席のすぐ横はこんな感じでカメラタイムとなる。ちなみに一番左が俺。一番右の人は気合が入った一眼レフだが、自分は一番気合の入っていないiPhoneのみだ。

Sunset Bar & Grillの店員がみんな着ていたTシャツが気になっていたのだが、カウンターの隣に小さなショップがあって、そこでいろいろなグッズが売っていた。

中を覗いてみたら、店員が着ていたTシャツが売っていて、普段お土産なんか買わない自分だが、見事に店側の戦略にハマってしまいTシャツを買ってしまった。ちなみに25ドルもする。

しかし、後ろに大きく書かれた「Sunset」の文字と747の機体(エアフランスだが・・・)がオシャレで気に入っている。

そして、前側には「Sunset Bar & Grill」の文字がプリントされている。しつこいようだが25ドルもする。

お昼ごはんを食べ終えても飽きずにもう少し飛行機鑑賞を続ける。相変わらず小さいセスナ系の飛行機は
たくさんくるのだが、もうKLMの747とか見ちゃうと感動はかなり薄い。ジェット機じゃないと満足できなくなってきている。

アメリカンエアラインの飛行機が着陸。あまり低いように見えないが結構低い。アメリカンエアラインの塗装は最近
新しく変わったが、これは昔ながらの旧塗装。銀色に光る姿が美しい。

しばらくすると、747程ではないがかなり風格ある飛行機が遠くから見えてきた。しかも低い。

着陸してきたのはAir Franceの真っ白な機体。KLMの747を見た時には写真に夢中になって飛行機自体をあまり見ていなかった
反省から、今度は写真は適当で飛行機をしっかり見るようにした。というわけでフレームの中心からだいぶ外れてしまっている。

飛行機好きぢゃないと、「そんな飛行機ばかり見て何が楽しいの?」と思われるかもしれないが、それほど飛行機好き
というわけでは無い妻も、さすがにこんな近くを飛ぶ飛行機を見たら大興奮だった。もちろん自分はもっと大興奮。

そんなこんなで、長年見たい見たいと思い続けてきたセントマーチンで飛行機の「おなか」を見れて大満足だった。

インターネット上の写真とかを見ると、正直もっと近くを飛んですごく恐い感じかと思ったのだが、さすがに
恐怖を感じるほどは近くなくて、意外と安心して見られる。なので、カリブ海も飛行機も好きだったら、
セントマーチンのマホベイビーチは本当にオススメだ。

というわけで、飛行機鑑賞はこの辺で引き揚げて、せっかくレンタカーを借りたのだからセントマーチンの島を
探検してみることにする。

マホベイビーチのすぐ近くには当然空港があるのだが、昨日は夜中に着いてしまって空港自体がどんななのか?すら
把握できなかったので、ちょっと寄ってみることにした。

入口の看板も意外とオシャレ。「SM」に見える文字はデザインで本当は「SXM」なのだ。「SXM」とはセントマーチンの
空港である「プリンセスジュリアナ空港」の3桁の空港コード。それにしても空港の名前が「プリンセス」と「ジュリアナ」
なんて、高貴でバブリーな感じがしてならない。(若い人には何のことだかわからないとは思うが・・・)

正直空港はすんごく小さくてショボイ空港なんだと勝手に思っていたのだが、改めて中に入ってみるとかなり綺麗で
立派な空港だった。こんな小さな島にこんな立派な空港が必要なのか?と思ってしまうほど。

さて、空港から再びドライブを開始する。全然車も走っていないような環境なのかと思いきや、場合によっては渋滞する
ような場所もあるほどだった。基本的には一車線の道路が続くような場所ばかりで、運転もさほど恐くない。
ノロノロと走っているとたまに煽られることもあるが、どうせ抜かせないんだから適当にあしらっておけば良い。

ということで、向かった先はダッチサイドの一番栄えた場所である「フィリップスバーグ」。フィリップスバーグ周辺は車も多く渋滞しているところもあった。

フィリップスバーグの町並みはこんな感じ。裏路地的な感じはあるものの、道の両サイドにはびっしりとお店が並ぶがほとんどがお土産屋か高級品(時計とか)を売る店だった。たまに地元の人向けと思われる衣料品の店があるぐらい。

こんな感じで一通りフィリップスバーグの街を歩いてみたところ、何でこんなに高級品を売る店が多いのかなぁ~?と思ったら、どうやらフィリップスバーグには大型のクルーズ船が寄港するそうで、お金を持った中国人とかが、そのクルーズ船からどっさり降りて買っていくようだった。あとはついでにお土産屋も並べとけば買ってくだろう的な感じ。

今日はクルーズ船が寄港していないようだったが、停泊するときは、クルーズ船が写真中央奥の方に寄港するらしい。

えらく高級品店の店員がやる気ない感じだなぁ~と思っていたが、やはりカリブ海の人たちの気質というのもあるだろうが、クルーズ船が寄港していないために、お金を持った客が今のタイミングでは来ないってのを、分かっているんだろうと思われる。

「世界的に日本人はお金持ちだと思われている」と日本人は感じているかもしれないが、正直いろいろな国に行くと、それは一昔前の話だなぁ~と感じる。もちろん今でも「日本人が金持ちだ」と思っていてくれる国もあるが、多くの国では日本人の金なんか今や全然あてにされていない。ケチな国民性と知られているし、大して金も無いのがバレていて、今や相手にしているのは中国人とかその辺の人たちだなぁ~と感じる。

さて、セントマーチンでは我々が想像するような大きなバスというものが走っておらず、路線バスはいわゆるワンボックスタイプのハイエースのような車なのだ。「どうやって、バスか?ただの乗用車か?を見分けるのか」というと、ナンバープレートの部分を見れば簡単で、ナンバーにはこんな感じで「BUS」と書かれている。

バスの乗り方とか路線図は全然分からないが、セントマーチンでレンタカーを借りても大して高くないし、島内はそれほど走りにくい感じも無いので、レンタカーを借りてしまうのが一番楽だと思われる。ただし、ガソリン代がかなり高かった気がする。

ダッチサイドの市庁舎。割と大きい。この向かいには警察の立派な建物もあった。

セントマーチンは寄港地としての役割が多かった上に塩なんかもここで積んでいたらしい。ココらへんで塩が取れたらしく、それに関わるようなモニュメントが市街地中心の交差点(ラウンドアバウト方式でデットスペースとなる中心)にあった。

フィリップスバーグの端の方にYS-11がそのまま置かれた有名なレストランがある。今回は寄らなかったが、事前情報によるとそれほど美味しい店でも無いらしい。

さて、フィリップスバーグをぶらついた後は、このまま島を一周ドライブしてみることに。続いて向かったのはフレンチサイドとダッチサイドとの境界。

セントマーチン島はもともとスペインが占領していたのだが、いろいろあってスペインが撤退。その後フランスとオランダが占領したのだが、島の北側をフランスが、南側をオランダが統治することとなった。実際は境界はあって無いような感じで島の人達は普通に暮らし、その境界には検問なんかがあるわけではない。

一応、その境界にあたる部分にはこんな感じで「境界ですよ」的なモニュメントがあるだけだ。

別々の国が統治しているにもかかわらず、実際には非常に仲良くやっているので、そこら中に「Friendly Island」という文字が見られる。ここにも「UNITY and FRIENDSHIP」と書かれていて、お互いに仲良くやっているのが強調されていた。

先ほど訪れたフィリップスバーグの街はダッチサイド(オランダ領)にあって、そこから北に向かったところにあるこの境界はそのまま北に進めばフレンチサイド(フランス領)に入ることになる。ということで、進行方向にある看板には「Welcom to French Side」という表記がされている。

セントマーチンはそれほど見るべき場所も多くないのだが、とりえずフレンチサイドをぐるっと回ってみた。

さて、そろそろ夕飯の時間も近づいてきたのだが、今日の夕飯は何にしよう? 事前情報では「おぉ、ここには行ってみたい!」と思えるようなレストランが見当たっていなかった。んで、思いついたのが、どうせ泊まっているホテルが予想外にコンドミニアムタイプの部屋だったので、スーパーに行って適当な食材を調達して自炊しちゃおう!ということだった。それなら自分の食べたい物を食べたい量だけ食べられるし、お金も節約できる。

ということで、ドライブ途中にちょっと大きそうな「Supe U」というスーパーを見つけて入ってみた。セントマーチンでは大きなスーパーは少なく、街なかに「Super Market」と書かれている店はたくさんあるのだが、ほとんどは日本で言う「コンビニ」以下の店が多い。しかしこの「Super U」は我々日本人が考えるいわゆる「スーパーマーケット」と言えるようなスーパーだった。

と、まず向かったのが「飲み物」コーナーなのだが、ちょっと驚いた上に軽く納得したのが、写真のような豊富なワイン。さすがにフレンチサイドということだけはあるわ~という感じ。多分本場から空輸されているんぢゃないか?と思われる。せっかくなので飲んでみたいところだったのだが、我々はお酒が飲めないので、写真のみ。値段が高いかどうか?についても普段飲まないので全く分からず。

お店ではカートではなく、こんな感じのカゴを引きずって買い物をするスタイル。

ワインも良いが、やはりビーチリゾートの暑い場所ではビールも良いよね(オレは飲めないけど)、ということで、ビールもちゃんとある。「Carib」という、いかにもココら辺らしいビールもあったりする。

海外のスーパーが楽しいのは、日本ではあまり見られないものがたくさん見られるところにあると思う。こんな感じで、日本のタイプとは異なるスイカがあった。いろいろな国でスイカを見ているがこのタイプは初めて。あまり美味しそうではないが・・・。

セントマーチンはカリブ海に浮かぶ小さな島であるため、島で作られる食料の種類や量にも限りがあると思われる。ということで、どうやら食料品は輸入品も多いようで、肉が売られている棚のほとんどには飛行機のマークがあった。

スーパーで適当な食材を調達し、コンドミニアムタイプのホテルのキッチンを使って夕食を自炊する。メニューは「ピラフ」「ラザニア」「スープ」の3種。あと、アップル系のマンゴーなんかは日本で買うよりずっと安い値段で買えるので、マンゴーを買い、贅沢食べしたりもした。こんな感じで十分だ。

そんなこんなで、旅の5日目は終了。結果的にセントマーチンで飛行機の「おなか」を見るという、この旅最大のミッションは成功し、大満足の一日であった。

さて、明日はセントマーチンから小舟で30分ぐらいのところにあるイギリス領「アンギラ」という島に渡り、綺麗な海を堪能しに行きますよ。

これまでとこの先のカリブ旅
Day1・2 アメリカ人のショーマンスピリッツの真髄を見た!
Day3 カンクンのおばちゃんが作る料理は絶品だったぁ?!
Day4 ADOバスで行く灼熱のチチェン・イッツァはとろける寸前だったぁ?!
Day5・6 カンクンからセントマーチンへの果てしない道のり!
Day7 世界で一番美しいビーチはアンギラにあったぁ?!
Day8・9 絶対絶命!日本の免許証が無いとレンタカーできないですってぇ〜!

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