【ドイツ旅行記】Day3 ベルリンのスーパー大調査!

ベルリン2日目はベルリン郊外にあるザクセンハウゼン強制収容所を見学しにいこうと思う。

ザクセンハウゼンはベルリン中心街から結構離れた場所にあるが一応地下鉄と近郊列車で行くことが可能。時間的には1時間ぐらいかかる。というわけで、朝から移動を開始!

ベルリンの地下鉄・近郊列車の路線図で説明するとこんな感じ。ザクセンハウゼンは路線図上でも一番端にあって、Cゾーン域内なので、切符を買う際には「ABC」ゾーンの切符を買う必要がある。

ちょっと小腹が空いたので駅構内にある売店でパンを買う。ベルリンの地下鉄駅では、結構キオスク的なお店が充実している駅もあって、美味そうなパンやコーヒー等が手に入る。

若干野菜不足な感じもあり、海外に行くといつも不満そうな妻を気遣って、野菜が挟んであるサンドイッチ的なパンを買おうかと思ったら、普段だったら絶対にそんなことを言わない妻が突然「甘いパンが食べたい」と言い出し、朝からこんな感じの甘々パンを食べる。

自分は甘々パンが大好きなので、それはそれで良かったのだが…

ということで、ベルリン中心街から小一時間程で「Oranienburg」駅に到着。

「Oranienburg」駅からザクセンハウゼン強制収容所までは、歩いてでも行ける距離なのだが、一日券とかを買っていたら電車に乗った時に使ったチケットがそのまま使えるし、この日はあいにくの雨模様だったのでバスに乗って行くことに。

ザクセンハウゼン強制収容所までは、804番のバスで行くことができる。自分は勝手に駅から出るバスなので始発なんだと思っていたら、始発でもなんでもなくただの途中駅のようで、同じ804番のバスでも行く方向が2種類ある。「そんなこと、ガイド本にもネットのどのサイトにも書いてないぢゃん!」と思いつつ、しょうがなく行き先と地図で予想することに。まあ、その辺の人に聞いても良かったのだが…。

「Oranienburg」駅からザクセンハウゼンに向う時には「Maltz」行きのバスに乗れば良い。バスは15~30分に1本といった感じだった。

第2次世界大戦でのナチスの強制収容所と言えば、誰もが最初に思い浮かぶのが「アウシュビッツ」だろう。
アウシュビッツは現在のポーランドに位置し、本当にたくさんの人々が犠牲になった。

このザクセンハウゼンの強制収容所はベルリンの近くにあった強制収容所。アウシュビッツは様々な人が収容されたが、
特にユダヤ人が多く収容されていた。このザクセンハウゼンも同じくユダヤ人も収容されたが、こちらはもともとナチスが
政権を握った直後に、ナチスに反対する人達が、主に政治犯として収容されたケースが多い。

バス停でバスを降り、少し進むと、こんな感じの壁が見えてくる。

ザクセンハウゼン強制収容所のさらなる詳しい情報はホームページ
を参照していただきたい。

ザクセンハウゼン強制収容所はこんな感じで三角形の形状をした敷地を持つ。

先ほどの壁を超え、少し行くとインフォメーションセンターがある。
ちなみにこのザクセンハウゼン強制収容所は無料。インフォメーションセンター内には立派なパンフレットがあるが言語は
ドイツ語か英語。しかしながら、我々が日本人であると係員にアピールすると、日本語の解説書を出してくれた。
(といっても、コピー用紙10枚ぐらいに日本語で解説が書かれた簡易的なものだが…)
ちなみにパンフレットは50セント。

しかしながら、コピー用紙といえども内容はしっかり書かれていて、ガイドを引き連れていない我々にとっては「あ~、コレもらっといて良かった~」と思った。

そんなインフォメーションセンターの横には、この強制収容所の全体像を示すものがあった。この日は生憎の雨模様。

インフォメーションセンターは強制収容所の入口とは全然違った場所にあるので、まずは収容所の入口の方へ歩く。
途中に当時を物語る写真パネルがある。

インフォメーションセンターから入口までの道はこんな感じ。ここはもともと収容所外のエリアだと思われる。

入口まで行く途中に展示されている写真パネル。

以前、アウシュビッツにも行ったことがあるのだが、そこで見たエグい写真よりはまだマシだが、それでも当時を物語る
悲惨な写真だ。

写真パネルがある場所を超え、少し行ったところを左に曲がると、いよいよ収容所の中に入る。

写真奥の方に見える白い建物が、この強制収容所の入口。右側に見える建物は博物館だ。

先ほどの写真奥の方に見えた白い建物のところにある入口の門。
鉄格子状になった入口には「働けば自由になれる」という文言が書かれている。
これはアウシュビッツにあったものと同じ。

ちなみにアウシュビッツへ行った時の旅行記は
http://hornets.homeunix.org/travelog/2015_BIH_day12.htmlもしくは

を参考。

収容所内に入ると、広大な敷地が一面に広がる。
強制収容所として使われていた時には、実際にはここに収容された人々が住むためのバラックが規則正しく、
いくつも立ち並んでいたものと想像される。

さて、入口からは右手方向にずんずん進んでいく。まず向かったのは「バラック38と39」。
ここには当時使われていたバラックが2つだけ残されている。

バラック38・39の中にはこんな感じで、収容されていた人がどんな環境で生活していたのか?というのが分かるようになっている。

写真上がトイレ、そして下が風呂場だ。当然限られた時間でしか利用することができなかったと思われる。

当時のベッドが再現されている場所もある。アウシュビッツを見学した経験から言えば、当初はこのベッド一つの空間に
一人だったと思われるが、収容される人数が多くなると、一つの空間に2人も3人も押し込まれていくという状況になる。

外観はボロいバラックだが、バラック38の内部にはこんな感じでかなり近代的に作られた博物館がある。
どのような人がどんな環境で収容されていたのか?という資料が個人記録を例にして具体的に展示されている。

枠状になっていて砂利がある部分に、当時はバラックが建てられていた。現在では敷地内にはこのようなバラック跡が無数に広がる。

三角形状になった先端側に敷地のどこからも見える一際高い塔があるので行ってみた。

ザクセンハウゼンの強制収容所は1945年にソ連とポーランドに解放されてから、ソ連軍やドイツ民主共和国の警察予備隊・
国家人民軍によって何年かにわたって、この敷地が使用されてきた。

その後「ザクセンハウゼン国立警告・記念施設」の設立に向けた計画が開始されて、1961年に開館した。
この石塔はその中心となる記念碑・シンボルとして建てられた物。高さはおよそ40メートルもある。

記念碑から少し西に行った場所には銃殺用の壕があるので行ってみる。

銃殺用の壕は写真上のように、地面を少し掘った構造になっている。そして写真下のように一番奥は壁のようになっていて、
ここで多くの人が銃殺されたものと思われる。この壕では、抵抗運動の闘士・兵役拒否者・ナチ特別裁判所で有罪判決を受けた者が処刑されたそうだ。

銃殺用の壕のすぐ南側には火葬場と墓地がある。

火葬場のすぐ近くにはこんな感じの追悼所「Z部」がある。

この追悼所のすぐ奥にあるのが火葬場と墓地。ここでたくさんの人が火葬されたものと想像できる。

この火葬場から壁に沿って南側に行くと病理学棟がある。

病理学棟と聞くと聞こえは良いが、実際の所は人体実験の成果を確認する場所だ。ここでは収容者に様々な人体実験をおこなった。
これはこの収容所に限らず、アウシュビッツ等でも行われ、それこそ悲惨な人体実験が行われた。この写真の台はそれらの
人体実験を行った遺体を解剖したりするための台だ。

この地下には死体安置所もあるらしい。

人類史上において間違いなく「負の遺産」である強制収容所。このような場所を実際に見ることで、我々が感じたり考えなくてはならないことは、
単に「ドイツ人って酷いんだね」とか「ユダヤ人は可哀想だね」とかではなく、
「どうしてそのようなことになってしまったのか?」という部分についてその歴史の経緯を含め十分考え、
「このようなことはいつの時代でも簡単に起こりえてしまうんだ」ということを理解すること。
そして、その微妙なバランスでなんとか成り立っているこの平和な状態を絶対に崩してはならない、
そのためにはどうしたら良いのか?を
改めて考え直すことが必要なのではないのかと自分は思う。

にしても、我々が考え直す機会を与えるために犠牲になった人はあまりにも多すぎると思う。

世界的にアウシュビッツほどメジャーではないが、それでも十分見る価値がある場所だと感じたザクセンハウゼン強制収容所。
ベルリン観光で時間がある場合は是非とも訪れてもらいたいと感じた。

さて、ザクセンハウゼン強制収容所から出るとこんな感じの風景。写真上の赤丸の部分が帰りのバス停。帰りは「Maltz」行き
ではなく「Oranienburg, Rewestr」行きに乗ると2つ目のバス停がOranienburg駅となる。

我々が強制収容所を出た時には次のバスまで2〜30分ぐらいあったので、バス停のすぐ近くにあるカフェで小休憩。
ちなみに駅からここまでは徒歩で20分ぐらいなので、天気が良く疲れていなければ歩いても良いと思う。

そんなカフェで食べる物は、やはりソーセージ。

Oranienburg駅からは、電車に乗ってベルリン市街に戻る。次に向かったのは「S Berlin-Charlottenburg」駅。

ザクセンハウゼンは結構郊外の方にあるので、市街中心部に近づくまではこんな感じののどかな風景が続く。

小腹が空いていたので「Oranienburg」駅で何個かパンを買う、なかなか美味いパンだった。

ベルリン中心街までの移動時間を使って、どうでもいいベルリンの情報を少し。

ベルリンではいたるところに、この写真のような落書きがされている。これは大きな期待を持って初めてドイツに来た妻もショックを隠せない感じだった。
また、女性はきらびやかな服装ではなく、何となく質実剛健的な服装の人が多い。
注目して見ると、基本、服の色は「黒か白」そしてスカートを履いている人はかなり稀だ。
そして、結構険しい顔をしている人が多い。世界は土地によってかなり違うなぁ〜というのが良くわかって面白い。

そんなこんなで「S Berlin-charlottenburg」駅に到着。ここから少し歩いて、まず
「dm-drogerie market」に向う。

「S Berlin-charlottenburg」駅周辺はこんな感じで、いろんなお店が並んでいる。
ちょっとしたお買い物街という様相。

「dm-drogerie market」に行ったのは、妻が何かお目当ての買いたいものがあったらしいのだが、お店に陳列されているものの中でNIVEAが大量にあった。
さすがNIVEAの国って感じだ。妻曰く、売られている製品の容量自体も日本のものより大きいそうだ。
で、肝心の価格のほうだが、そっちは覚えていないらしい。

「dm-drogerie market」を後にしたら、通りにそって北に少し進む。次の目的の場所は
「Wilmersdorfer Arcaden」

「Wilmersdorfer Arcaden」はちょっとしたショッピングセンターで、特にスーパーマーケット的な食料品を売る店が多かった。

と、そんな食料品を売る1軒のお店で見つけた日本の調味料郡。
これだけあれば、ベルリンに住んだとしても、自炊すれば、食に対して日本が恋しくなることなんて無いんヂャね?というぐらいだ。

そして面白かったのが、ザワークラウトの漬け汁がドリンクとして売られていたこと。
さすがにどんな味なのか?が気になって買って飲んでみたが、
まさしく「あっ、ザワークラウトの漬け汁だね」って感じ。酸っぱい。
健康志向の人には喜ばれるかもしれないが、個人的には常飲するような飲み物ではないなぁ~という感じ。

そんなスーパーマーケットの一角にお惣菜を売るコーナーがあって、その場所でも食べられるようなスペースがあったので、美味そうだったナスの料理を食べてみた。

「えっ?わざわざ高いレストランに行かなくても食事はこれで十分じゃね?」という感じで、基本をしっかり抑えた料理だった。

同じように惣菜コーナーで食事をしていたおばちゃんが美味しそうに飲んでいたので、自分も真似して思わず頼んでしまったチャイ。

味はごくごく普通だったが、こういった入れ物で飲むと、なんとなくトルコっぽくて、これだけで美味しそうに感じるのは自分だけだろうか?

そんな惣菜コーナーが気に入った自分は、ここでいろいろな料理を調達し、ホテルに持ち帰って(ホテルには運よくキッチンがついていて、電子レンジとかもあった)、それを夕食にすることを決定。なんせ、昨日行った「リンデンブロイ」というお店で散財した感があったから。エアチケットだけでイッパイイッパイの我々にとって、現地で使うお金はなるべく抑えたいのだ。

というわけで、持ち帰ったお惣菜はパプリカの肉詰めのようなものと、よく分からないキノコっぽいものの炒め物。そしてナスの料理。大絶賛するほどではないが、ごくごく普通に美味い。

そして、ひよこ豆のサラダ的な物や、ドイツらしくソーセージなんかも入手。こう見ると結構豪華な食事だが、流石にスーパーの惣菜店ということもあって、お値段はかなり抑えられる。

さて、日付は変わってこの旅も4日目に突入。

本日はベルリンを離れて、アイスランドに飛ぶ。朝から空港に移動なのだ。
今回アイスランドに飛ぶ飛行機は「WOW air」を選択。WOW airはベルリンシェーネフェルト空港(SXF)から飛ぶ。

シェーネフェルト空港までは地下鉄と近郊列車を乗り継いで行くことができるのだが、微妙に時間がかかる。ベルリン中心街から最低でも1時間はかかると考えておいたほうが良い。自分が乗った電車は何故か途中でしばらく停まっていたりしたので、距離的にはそれほどでもないのに、軽く1時間はかかった。

地下鉄から乗り換えで、こんな感じの近郊列車でシェーネフェルト空港に向う。

電車でシェーネフェルト空港に到着すると、駅と空港が直結なのかと思っていたら、確かに直結なのだが、駅からターミナルまで超歩く。歩道は屋根があって悪天候でも快適なのだが、ターミナルが超遠くに見えて「えっ?マジであそこまで歩くの?」と思ってしまうほどだ。コロコロなんかを引いてたら結構大変かも。

チェックインを済ませて出発ゲートで待っている間に腹ごしらえ。妻チョイスのサンドイッチとパスタ。正直パスタは超マズイかと思って食べたが、アメリカで食べるパスタほど不味くはなかった。上に乗っているのはドライトマト。

ベルリンの空港はテーゲル空港(TXL)でもシェーネフェルト空港(SXF)でも言えることなのだが、ターミナルがあまり大きくなく、出発を待つエリアが微妙に狭くて窮屈。「足りない」とまでは行かないが、座る席もなんとなく「最低限の数だけ置いてます」的な感じだ。

そんなこんなで、搭乗時間になって飛行機に乗り込む。LCCだからってこともあるが、当たり前のようにわらわらと歩いて飛行機に乗り込む。

WOW airの機体は紫色が綺麗な機体だった。

ドイツ・ベルリンからアイスランド・レイキャビクは、ほんの数時間のフライト。「ちょうど良い」と思える時間だ。

さて、このWOW airはちょっとおもしろい航空会社で、窓から外の景色を見ると当然のごとく飛行機の翼が見えるのだが、その翼には「Enjoying the View? (景色は楽しんでる?)」と乗客に語りかけるような文言が書かれていた。ちょっとユーモアにあふれている。

と、最初は全然気づかなかったのだが、よくよく見てみると、ボーディングパスには「Hi I’m your bording pass!(やあ、私は君の搭乗券だよ!)」とか、座るシートのカバーには「Hi, I am your set(やあ、私は君のシートだよ)」とか書かれていた。

多分ユーモアあふれる社風なんだろうなぁ~と思う。個人的にこういう会社はすごく好き。

さてさて、旅はいよいよ最大の目的地「アイスランド」へ。さて、一体どんなハプニングが発生するのか?! 乞うご期待!

これまでとこれからのアイスランド周辺国旅
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Day3 ベルリンのスーパー大調査!
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Day7 アントワープでフランダースの犬の最終回を再現してみる?
Day8 実はこの旅の「裏本命?」ちょっとエッチな博物館

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