【スリランカ旅行記】Day2・3 スリランカの洗礼? 90ルピーを8000ルピーといきなりふっかけられる?!

旅は途中経由地の中国・上海からスリランカ・コロンボへ飛んでいるところから続く。

上海からスリランカはそこそこ時間がかかる。
自分の座った席の隣に座った人はスリランカ人で、名古屋で働いていたらしい。
今回、日本での労働を辞め、スリランカに帰るということで、この飛行機に乗っているとのこと。
日本に割と長い時間働いていたらしく、日本語が上手だった。

スリランカ人で日本に働きに来る人は結構多いらしく、この旅で「あぁ、日本? 俺、日本で働いていたことがあったんだよ」とか「今、友達が日本で働いているんだ」と言ってくる人が結構多かった。

さて、ここで今回の旅の計画を少しご紹介。

スリランカは見どころが結構あるのだが、テーマによって行く場所が異なると勝手に考えている。

例えば「お茶」の産地を見に行ったりするのであれば、中南部。
歴史的な文化財やお寺などを見たかったら、中部。
海などの絶景を見たかったら南部や中西部等。

というわけで、今回の旅のメインは「シギリヤロック」と決めていたので、シギリヤとその周辺の仏教寺院の文化的遺産を見に行くという目的で、今回は中部付近をバスで回る計画。

空港から「ダンブッラ」→「シギリヤ」→「アヌラーダプラ」→「ポロンナルワ」→「キャンディー」→「コロンボ」→「空港」と言った順で回る。
ちなみにスリランカでは結構最近まで内戦をしていた国。
特に北部地域では現在でも多少危険があるので、そちらの方へ行く人は、外務省の渡航情報などをチェックしてから行った方がいいかもしれない。

さて、そんな余計なことを解説しているうちに、飛行機は無事上海からスリランカの空港に到着した。
こじんまりとしてはいるものの、そこそこ綺麗な空港。
申し訳ないが、もっとボロい空港を想像していた。

イミグレのちょっと手前ぐらいにこんな仏像がある。
そう、スリランカは仏教の国なのだ。
空港にまで大きな仏像を置いてしまうぐらいなので、かなり熱心な国。

仏教には大きく分けて2つの流派があり、一つは「上座部仏教」そしてもう一つは「大乗仏教」と呼ばれるもの。
日本はどちらかと言うと大乗仏教の流れをくむ。
大乗仏教は基本的に少しおおらかな雰囲気がある仏教で、仏にすがることで全ての人は救われるという考え方(ちょっと語弊がある説明だが・・・)。
一方、上座部仏教は簡単に言えば「自分との戦い」みたいなところがあり、少し厳しい考えを持つ(これも語弊がある説明だが・・・)。
イメージ的に言って、上座部仏教の国の方が仏教に対して敬虔な感じはする。
スリランカとかミャンマーとか。

さて、話は変わるが、スリランカへ入国するには「ETA」という「簡易ビザ」みたいなものの事前登録が必要(お金も必要)。
手続きは簡単で、インターネットとクレジットカードがあればできてしまう。
本来ならばその辺のやり方を、ここで詳しく解説すべきところだと思うのだが、すごく丁寧に説明してくれているサイトとかがゴロゴロ転がっているので、そちらを参考にしてください。

ちなみにETAの証明書みたいな紙を一応持参して行ったのだが、イミグレの時に出すのが面倒で特に提出はしなかった。
「何か言われるかな?」と思ったが、何も指摘されずにハンコが押されたので、若干「本当に必要なのか?」という疑問もあった。
まあ、入国でトラブりたくなかったら、ちゃんと事前に登録しておくべき。

さて、そんなこんなで、イミグレを抜けてとうとうスリランカに上陸。

早速現地通貨をゲットしようと、いつも通りにデビットカードを持ってATMを探す。
んで、お金を下ろそうとすると、MAXで5000スリランカルピーまでしか下ろせない。
5000ルピーって日本円で4000円ぐらいだ。
ホテルの支払いは現金でなければならそうなところばかりだし、食事や移動にかかる費用を考えたら全然足りない。
かといって何回もやったら、その都度手数料を取られてしまう。

ということで、さっさとATMは諦めて、空港にある両替窓口で日本円からスリランカルピーへ両替する。
後になってわかったことだが、通常、空港の両替ってレートが良くない場合が多い。
しかし、スリランカの空港での両替はびっくりするほどは悪くなかった。
また、これは後述するが、現地の銀行で両替してもレートは全然悪くない。
クレジットカードが使える機会はかなり少ないし、レートも悪くないならば、日本円から直接現金を両替してしまっても、それほど損はなさそうだった。

さて、十分な現地通貨をゲットしたので、続いてはSIM探し。

と、到着ロビーを見回すと、こんな感じでSIMを売るブースがある。
ブースは2つぐらいあるのだが、どちらも値段はそれほど変わらず。
旅行者向けに短期使用のためのSIMが用意されているので、まあ、街なかで買うよりは多少高いんだろうけど、ここで買うことに。
Dialogという現地ではメジャーな通信会社のSIM。
お値段は1000ルピーぐらいしたような気がするのだが、忘れてしまった。
まあ、ちょっと高いのだが、この後の旅が快適になるかどうか?を考えれば、日本人だったら全然払える額。

係員にiPhoneを渡せば、その場でアクティベートしてくれる。返ってきた時にはすでにネットが使える状態になっているので超楽ちん。

到着ロビーにいる時には全く感じなかったのだが、ロビーから外へ一歩出ると「ムワッ!」という熱気がいきなり襲ってくる。
ちなみに日本ではゴールデンウィークのこの時期が、スリランカでは一番暑い時期らしい。

スリランカの首都は「コロンボ」という都市。
コロンボの空港は実はコロンボから結構離れた場所にあって、バスで30分から1時間ぐらいかかる場所にある。
どちらかといえば「ネゴンボ」という街の方が近い。

到着時間や、到着後の計画にもよると思うが、空港からすぐにコロンボの街に行く人も多いと思う。

空港には「バスターミナル」的な物が無いのだが、とりあえずコロンボ行きのバスは、到着ロビーを出て左に進んだこの図の位置にある。
よくわからなかったら、そこらへんにいる警備員とかに聞けば親切に教えてくれる。
自分はこの日コロンボに行く予定はなかったのだが、警備員の前を通っただけで「コロンボ行きのバスならあそこだぞ」と聞いてもないのに教えてくれた。
超優しい。

ちなみにコロンボ行きのバスが停まっている所には親切な案内板等はない。
バスはこんな感じのマイクロバスだ。
乗った後に係員が現金を徴収に来るので、乗る時に「コロンボ?」と聞いてそのまま乗ってしまえば大丈夫。

さて自分はこの日はコロンボに移動せず、空港付近に泊まり、明朝にダンブッラという場所に行こうと思う。情報によれば空港近くにバスターミナルがあるようだし、最悪ダメなら近くのネゴンボに行ってからダンブッラ方向に向かえば良い。

というわけで、今夜の宿を事前にBooking.comで予約して、場所も地図で確認しておいた。
そして実際に歩いて行ってみると、かなりの距離。
途中で「迎えに来てもらえばよかった」と何度も思った。
情報によれば、迎えに来てもらうのにお金がかかると書いてあり、それをケチったのだ
(実際にはお金は必要なさそうだった)。
あと、日本はまだ暑い時期ではないので、体がスリランカのこの暑さに対応しきれていない。

そんな辛い思いをしながら、事前に地図で確認していた場所に行ってみると、それらしいホテルが無い。
「はぁ〜?」と思って辺りを見回してみるものの、そもそも宿泊施設らしきものが周りに全然無いのだ。
この先にも道が続いているが、この先にあるという確証が無い状態で、この暑さのなか歩き続けても、無駄に体力を奪われるだけだ。
万事休す!

んで、事前に調べていた場所には、何やら「軍の施設」らしきものがあった。
守衛的なブースに人がいたので「この辺にこの宿は無いか?」と尋ねると「知らない」とのこと。
ん〜、困った。

そこで、その守衛に「電話持ってる? 悪いけど、このホテルに電話してどこにあるか聞いてくれない?」とお願いし、電話をしてもらう。
我ながらかなり図々しいが・・・。

その結果、宿はこの先をさらに行ったところにあるということが判明。
ちなみに自分も電話してくれたその守衛も英語がかなり微妙。
今考えれば、これだけ英語が微妙な同士が、よくこの内容についてコミニケーションが取れたなぁ〜という感じ。奇跡。

そんなこんなで、彼の言葉を信じて、暑い中さらに歩いていくと、確かに目的のホテルがあった。
ホテルの予約サイトで示されている場所の地図が実際と違うというのはちょくちょくあることなので、いつも苦労する。

さて、日付は変わって旅は3日目に突入。

宿のおっちゃんに「ダンブッラに行きたいけど、バスってどこから出てるの?」と尋ねると「空港を出たところのコロンボ行きバスが停まっていた所にスペシャルバスがあるよ。
そのバスだったら、乗り継がなくても直接ダンブッラに行けるよ」という情報をゲット。
早速そこまで乗せてってもらい、バスに乗ろうとすると、なんだか怪しげな男が登場。

若干嫌な予感を感じつつも「ダンブッラまでいくら?」と聞くと
「これはダンブッラまで直接行けるスペシャルバスだ。ローカルバスだとすごい時間がかかるが、これなら数時間だ。だから8000ルピーだ」と。

「はぁ〜?8000ルピー? 何アホなこと言ってんの?」と、いきなりふっかけてきた。
そもそも8000ルピーだと日本円で7〜8000円ぐらいする。んなわけがない。

「だったらいくらだったらいいんだ?」と聞いてくるので「ん〜、1000ルピー」と答える。
「だったらこっちへ来い」と違うバスの方へ連れて行こうとする。

しかし、ここで自分も冷静になる。こいつは、いきなり8000ルピーというありえない金額をふっかけてくる奴だ。
そんな奴を信用できるわけもないし、到着後にありえない金額を請求されても面倒だ。
というわけでローカルバスを乗り継いで行くことに変更。
まあ、時間はかかるが、もともとそのつもりだったし。

若干イライラしながらも、空港から歩いてローカルのバスターミナルに歩いて行くことに。
距離はちょっとあるのだが、歩いて行けない距離でもない。
歩いて10〜15分ぐらい。

バスターミナルまでテクテク歩いていると、たまたま泊まっていた宿のおっちゃんが別の欧米人客を空港に送り届ける途中で、俺を見つけて拾ってくれた。
んで「どうした?」と聞くので、事の顛末を話すと「なにい〜!8000ルピーだって〜! そんなのありえないよ〜! 変なの紹介してしまって申し訳ない」と、彼は全然悪くないのに平謝り。
結局、このスリランカ旅でふっかけてくる奴はこの一人だけで、その他はみんないい人だった。

スリランカ人は基本的にいい人ばかり。
しかし観光地や空港となると、お金を払ってくれる観光客を目当てにふっかけてくる人もいる。
なので、いろいろと現地の人に尋ねる時には、話しかけてくる奴には聞かないで、自分から話しかけた人で、しかも一般の通りかかりの人とかに尋ねた方が良い。
そういった人はたいてい親切で、お金を要求してきたりもしない。
逆に、客待ちしているタクシー運転手や、お土産屋の人間とかは基本的に避けた方が無難。

そんなこんなでクソ暑い中、空港の前を歩いてバスターミナルに向かう(途中からは車に拾ってもらったが・・・)

というわけで、空港近くのバスターミナルに到着。

バスターミナルと言っても、すごく綺麗に整備された場所ではなく、広場にそれなりの建物を建てました的な感じ。
残念ながら、行き先とかが書かれた案内表示無いので、どのバスに乗ったらいいのか?はそこら辺の人に聞きまくるしか無い。
とはいえ、そこら辺の人は優しいので「あそこだよ」と普通に教えてくれる。

今日の目的地は「ダンブッラ」という街。
「シギリヤ観光の拠点となる街」とガイド本に書いてあるし、ダンブッラにも石窟寺院があったりする。
空港にあるバスターミナルからダンブッラに行くには、まず「クルネーガラ」という街を目指す。
そしてそこでバスを乗り換えて、ダンブッラに向かうのだ。

スリランカを隅々まで網羅するバス路線は、こんな感じのバス。

この写真のように赤い車体のバスが多く、それ以外の色のバスもある。
ガイド本には「エアコンバス」と「ノンエアコン」のバスがあると書いてある。
それを読んだ時は「さすがに多少値段が高くても、エアコンがあった方が快適だろうから、絶対にエアコンバスに乗ろう!」と決めていたのだが、実際にはエアコンバスなんか全然見つけることができず、基本ノンエアコンバスばかり。

後述するが、キャンディーという都市からコロンボという都市に移動する時だけ、運良くエアコンバスを見つけることができたのだが、そのエアコンバスだって、ギュウギュウに客が乗るもんだから、大して快適でもない。
一方、ノンエアコンバスは客がギュウギュウに乗ることはあるものの、どの窓も全開で飛ばしてくれるもんだから、風がガンガン入ってきて、それはそれで結構快適だったりする。

実は、このバス停でバスに乗り込んでから、バスが出発するまで1時間ぐらい待った。
ちゃんとした時刻表とかがあるわけでもないし、当然道路工事で渋滞していたりすることもざらにある。
なので、スリランカでのバス移動は時間が読めないので、十分に余裕を持って行動しておいた方が良い。

そんなこんなで、空港から中継地であるクルネーガラまで移動開始。

スリランカのバスの乗り方はめちゃくちゃ簡単。

とりあえず事前にチケットを買ったりする必要はないので、目的地に行くバスを見つけたら、とりあえず乗る。
バスが走り始めると、しばらくしてから車掌がお金を徴収しにくるので、行き先を告げる(例えば今回の場合であれば「クルネーガラ」と言えば分かってくれる)。
すると車掌が値段を言ってくるか、こんな感じのレシートをくれるので、その値段を払うだけ。

ちなみに基本的にバスはボロボロで、ドアなんか閉まることは無く、常に開いたままで走るほど。
しかし、何故か切符発行の機械だけはハイテクで、日本の電車で車内で車掌から切符を買う時に車掌が持っているようなレシート状の切符が出る機械を、スリランカのバスの車掌が持っていたりする。
まあ、持ってない場合もあるんだけど、ノートにメモったりして、お金の管理だけはしっかりしている感じはあった。

先ほどの8000ルピーのやり取りがあったので、クルネーガラまでは800ルピーぐらい(日本円で7〜800円ぐらい)かなぁ〜なんて思っていたら、89ルピーで、2〜3時間ぐらい乗るのに日本円で80円ぐらいと想像の1/10ぐらいの値段でかなりびっくりした。
そう考えると8000ルピーをふっかけてきたあのオヤジが信じられない。
若干、首を絞めてやりたい気持ちになったことは否めない。

そんなこんなで、バスは無事クルネーガラのバスターミナルに到着。
結局2時間ぐらいで空港からクルネーガラまで着いてしまった。

これは完全に予想なのだが、バスの到着時間はもちろん道路状況(渋滞とか)によるものが大きいとは思うが、ドライバーの性格も大きく関わっている気もする。
すごく飛ばすドライバーもいれば、すごくノロノロ運転のドライバーもいる。
なので、早く着く場合もあればガイド本に書いてある時間よりも大幅にオーバーする場合もあるので、やはり十分な余裕を持って行動しておいた方が良い。

クルネーガラのバスターミナルは、空港にあったバスターミナルとは違って、地面はちゃんとコンクリで舗装されているし、建物もしっかりしていて、行き先表示の掲示板とかもしっかりしていた。
利用する人も多いみたいで、結構ごった返している。

さて、朝から何も食べておらず、ちょっとお腹が空いていたので、バスターミナル付近にある「イン&アウト」というレストラン(カフェ?)に寄る。
空港からのバスに乗っている時にターミナルに到着する直前にたまたま見かけ、かなり綺麗そうな店だったので行ってみることにしたのだ。

店に入ると、正面にずらっと惣菜パンが並ぶ。
結構美味そうなものが並んでいたので、ここでパンを買ってテイクアウトして、クルネーガラからダンブッラまでのバスの中で食べることに。

何のパンなのか?がよくわからなかったので、ほとんど勘で選ぶ。
んで、選んだのがこれ。
中に小さなソーセージみたいなものが入っているパン。
地味〜に辛い(自分は辛いのが苦手)

そしてもう一つ、ピタみたいなもので包まれたパンを買う。
これも地味〜に辛い。

うぉ〜!みんな辛いぢゃないかぁ〜!
これぢゃあ、スリランカカレーはすんごく辛いんぢゃないかぁ〜?!
と若干焦る。
ネットで「スリランカカレー、結構辛い」というのも読んだことがあるのだ。

スリランカカレーは果たして自分が食べられない程辛いのかっ?!

さて、今いるクルネーガラは中継地であって、今日の目的地のダンブッラ行きのバスに乗らなくてはならない。
クルネーガラのバスターミナルは結構大きく、行き先を表示した掲示板はあるのだが、探し廻らなければならない。
そんな時は、そこらへんにいる人に聞くのが手っ取り早いので、そこら辺の人に「ダンブッラ・ダンブッラ」というと、「ダンブッラ? あっち」みたいな感じで指差しで教えてくれる。

実はスリランカに来る前にネットで色々探したのだが、バスの情報(どこら辺で乗るか?とか何番のバスに乗るか?とか)についてあまり詳しく載っているページを見つけることができなかった。
う〜ん、しょうがない、行ったら何とかなるか〜と思って来てみると、情報が少ないのも納得。
カオス過ぎてよくわからんのだ。
全体をまとめた案内板とか無いし。

でも幸いなことに、スリランカ人は優しく、からかうような目で観光客(オレ)を見ている人でも、バスの乗り場とかトイレの場所を聞くと、結構親切に教えてくれる。
なので、行く前には、大体のバス乗り場(バスターミナルとか)の場所さえ押さえておけば、あとは実際にそこに行けばそこら辺の人に聞くだけで、全然問題なく乗れちゃう。
情報は少ないがバスに乗ることは結構イージーだ。

そんなこんなで、クルネーガラのバスターミナルからダンブッラに向かって出発。

空港からクルネーガラよりもクルネーガラからダンブッラの方が距離が少ないので「1時間ぐらいかなぁ〜」と思っていたが、途中、山道の細い道で工事をしていたために、大渋滞。
結局2時間ぐらい時間がかかってしまった。

若干時間はかかってしまったものの、無事ダンブッラに到着。ダンブッラは時計台のある交差点近くで「ダンブッラについたよ」と言われて降ろされる。

実は確保していた宿やこれから行く石窟寺院へ行くには、ダンブッラのバスターミナルまで行った方がちょっとだけ楽だったのだが「着いたよ」と言われたので、そのまま降りてしまった。
しかし、後日わかったのだが、そう言われても乗り続けて「バスターミナルまで行きたいんだけど」と言えば、そこで降りずにターミナルまで乗せて行ってくれた模様。
まあ、いずれにしても「バスターミナルへ」って言えば、車掌もわかってくれると思う。

さて、今夜の宿は石窟寺院近くに確保してあるので、とりあえずバックパックを宿に置いて、その後石窟寺院に行くことにする。
というわけで、テクテク歩いていく。

ダンブッラのバスターミナルから石窟寺院方向へ向かう道路は、ダンブッラのメイン通りのような道で、道沿いには常設のお店が並んでいたり、こんな感じでフルーツや野菜を売る仮設(?)のお店があったりする。

スリランカはかなり暑い。
いくら水を飲んでもすぐに汗で出てしまう感がある。
そんな暑いスリランカでもフルーツは結構充実しているのがありがたい。

しかもこんな感じでココナッツジュースはそこら辺で売られているので「飲みたい時にはいつでも飲める」といった感じだ。
場所や店にもよるが、だいたい1個40〜80円ぐらいで飲めちゃうところもありがたいところ。

個人的な感想はいろいろあると思うが、自分はあまりココナッツジュースは美味しいとは思っていない。
しかし、現地の人曰く、ココナッツジュースは体温を下げる効果があるらしく、また、この微妙な味が、クソ暑いスリランカの気候ではなかなか美味しく感じてしまうのが不思議。

さて、ここでじわじわ感じてきたことなのだが、灼熱のスリランカのもとで歩くのはかなり体力を奪われる。
なんせ、日本はまだ暑くなっていないのに、ここスリランカではこのゴールデンウィークの時期が最も暑い時期だとのこと。
自分はダンブッラのバスターミナル付近から石窟寺院まで歩いたのだが、ここでかなりの体力を奪われ、まず宿でしばしの間休憩しなければ動けなかったぐらいなのだ。
宿の主人のにぃちゃんも「お前、マジでここまで歩いてきたのか?」と思わず言ってしまったぐらいなのだ。

自分は小さなお金をケチってスリーウィラー(トゥクトゥクみたいな簡易タクシー)を使わなかったのだが、体力を奪われて動けなくなってしまうぐらいだったら、素直に使った方がいい。
その他にも十分な水分を持参したり、男性でも恥ずかしさは捨てて日傘をさしたりした方が良い。
(自分はその後日傘をさすようにしたら、このスリランカ旅がだいぶ楽になった)

そんなこんなで、宿にバックパックを置くだけのつもりが、死んだようにしばし休憩を取ってから、石窟寺院に向かう。

石窟寺院はこんな感じで金色に輝く大きな仏像とダーガバが鎮座するので、道に迷う心配はない。

ダンブッラの石窟寺院とは、紀元前1世紀にアヌラーダプラを追われた「ワラガムバーフ王」が修行僧の住居だった洞窟にちゃっかり移り住んで、後に寺院を建立したもの。

洞窟とその中の寺院は道路沿いではなく、山を登ったところにあるので、こんな感じの階段をひたすら登らなくてはならない。
この階段を登るのがかなりキツく、歩きやすい靴で行った方が良い。
しかも体力がある状態で行かないと、途中で挫折する。

自分は宿で死んだように休憩した後だったのだが、それでも体力が戻っていない状態で登ったため、かなりキツく感じた。

さて、そんなこんなでなんとか登りきり、上の洞窟を見学する。

ちなみに、登りきったところからは、裸足にならなくてはならない。
朝早い時間だったら問題はないのかもしれないのだが、自分が行ったのは夕方の時間帯。
日中の太陽で地面の石はじっくりと熱せられているため、裸足で歩くのは「これ、修行か?」と思ってしまいそうな熱さだった。
木陰とか、とにかく影になっていてあまり熱せられていない所を狙い、それ以外のところはダッシュで移動するという、まるで何かに追われているかのような怪しい動きとなる。

石窟寺院は5つぐらいの洞窟に分かれている。まずは第一の洞窟に入ってみる。
洞窟の入り口は結構狭く、写真のように1人づつしか入れないような感じ。

第一の洞窟はかなり狭い。
というか奥行きがない感じで、左右に伸びるようなレイアウト。

入った途端にど〜ん!と大きな涅槃仏が横たわる。
全長は14mもあるそうだ。

この涅槃仏の特徴は足の裏が赤いこと。
この理由は、紀元前5世紀にインドのウィジャヤ王がスリランカに到着した時に手のひらが赤かったかららしいが、個人的には「???」な感じ。

大きな涅槃仏の足側の方には、別のお釈迦様とアーナンダというお釈迦様の弟子(赤い服を着た方)の石像がある。

続いて第二の洞窟「マハー・ラージャ・ヴィハーラ」へ。

この洞窟は5つの洞窟の中で最も広い。中に入ってまず目につくのが低い天井に描かれた大きなお釈迦様の像。
赤と黄色が美しく印象的なのだが、よく見るとその周りにも小さなお釈迦様の絵などが書かれていて、仏陀の生涯や侵略者との戦いなどの数々の物語が描かれている。

入り口に入ってすぐ右側には先ほどの涅槃仏よりは小さいが、涅槃仏が横たわっている。

涅槃仏だけではなく、洞窟内の壁際にはぐるっと一周こんな感じの石像が並ぶちょっと異様な光景。

シンプルな石像もあれば、ちょっと豪華に作られた石像もある。
また、入って左側には下写真のようにダーガバが2つほど鎮座する。

続いて第3窟の「マハー・アルト・ヴィハーラ」へ。

この石窟はキャンディ王国時代に作られた寺院になっている。
外周にはこんな感じでズラっと石像が並ぶ。
全部で50体もあるそうだ。

ここにはスリランカ人最後の王「キールティ・ラージャ・シンハ」という人の像もある。
仏陀の像と同じように王様の石像が置いてあるのが若干不思議。

第4窟の「パッツィーマ・ヴィハーラ」へ。

この石窟は結構狭い。
3人の王様の寺院という意味らしく、石像に囲まれた中心に王様が使っていたアクセサリーや宝石が入っていると言われるダーガバがある。

左写真のダーガバがそのアクセサリーや宝石が入っていると言われるダーガバ。
ありがちな話だが、泥棒がダーガバを壊そうとして、そのひびを修復した跡が残っている。

右上写真のようにこの石窟の天井にもお釈迦様の絵が描かれているが、そのクオリティーが若干微妙。
そして、右下写真は石窟の一番奥に鎮座する石像なのだが、これは真新しい黄色でリペイントされているそうだ。
これは以前、観光客がこの仏像の手のひらに座って記念写真を撮ってしまい、法力が失われたということになって、塗り直されたらしい。

最後に第5窟の「デワナ・アルト・ヴィハーラ」へ。

この石窟は5つの中で最も新しい石窟で、天井画が塗り直されていて、色が鮮やかになっているのが特徴。

石窟寺院は洞窟の中にある寺院なので、厳(おごそか)かな空気が流れている。
捉え方によっては「ちょっと不気味な」空気が流れているとも言えるが・・・。

正直、天井画とかのクオリティーが凄い高いわけではない。しかし、全面にびっしりと書かれると、それはそれで素晴らしい見た目にもなる。
こういった洞窟に何らかのパワーを感じて寺院を作ったスリランカ人の気持ちが何となくわかるような気がする。

石窟寺院入り口付近にはこんな感じで野生の猿が沢山いる。
かなり人間慣れしていて、近づいても逃げる気配はない。

いたずらとかされそうな雰囲気だが、自分が行った時には特にイタズラされそうな感じはなかった。
しかし、手を出さないに越したことはないと思う。

石窟寺院は山を結構登ったところにあるので、登るのはかなり疲れるのだが、登ってみると逆に景色が良くて気持ちいい。

スリランカ独特の地形がよくわかり、生い茂った森がどこまでも続き、ところどころに山がポツッポツッと点在する景色が壮大だ。
明日はシギリヤロックに行く予定なのだが、遠くにシギリヤロックが見え(下写真)て期待大だ。

そんなこんなで、苦労して登ってきた山をテクテク降りる。

この日は地元の小学生か中学生っぽい子供達が、課外授業の一環なのかどうかはわからないが、集団で石窟寺院を訪れていた。
まあ、本人たちは仏像なんか興味がなさそうで「楽しい遠足」程度にしか考えてなさそうに見えたけれども、子供の頃からこんな感じで仏教と触れあうようにするのは、スリランカの教育の方針なのかもしれないなぁ〜と勝手に想像。

石窟寺院はダンブッラの唯一と言っていいほどの観光地なので、石窟寺院を出たところには、ほんの少しだがお土産屋的な店や露店売りなんかもいた。

喉が渇いていたし、お腹も多少空いていたので、マンゴーを買う。
海外で食べるマンゴーは、マンゴーと言っても日本で食べられるような「宮崎マンゴー」みたいな猛烈な甘さの美味しいものを想像してはならない。
甘いマンゴーが食べられるのも多少はあるが、基本的には固くて酸っぱい場合の方が多い。
今回も御多分に洩れず、こんな感じの固くて酸っぱいマンゴー。
考え的には「野菜とフルーツの中間」ってポジションなんだろうか?
日本で食べる甘いマンゴーを想像しながら食べると、かなりのガッカリ感に襲われるが、この固くて酸っぱいマンゴーもそれはそれで美味しく感じてしまうのも不思議なところ。

さて、今晩の夕食は珍しく宿飯にすることに。
宿の情報ノートやホテル予約サイトの口コミで好評だったこともあるし、500円ぐらいとお値段的にも安かったから。
一番の理由は、このクソ暑い中、街の中心地方向まで食べに行くのが超めんどうだったから。

そんで、今晩のメニューはスリランカカレー。
正式には「ライス&カリー」と言うのかもしれないが・・・。

スリランカのライス&カリーは、こんな感じで白いご飯がど〜ん!と出て、それに小鉢形式で色々な種類のカレーが付いてくる。
地元の人たちはこれをぜ〜んぶぐしゃぐしゃに混ぜて手で食べる。
個人的には「えっ?それじゃあ、色々な種類のカレーを作る意味ないぢゃん!」と思うのだが、何故か全てを混ぜて食べる。
多分それが美味しいんだろうと思う。

それぞれのカレーはこんな感じ。お店によってその種類はいろいろだが、コンセプト的にはほぼ同じ。

んで、これがかなりの美味。
さすがに口コミで好評だったこともあるが、すごく食べやすくて美味しい。
後からわかったことなのだが、別にここの宿が特別というわけではなく、街の中のそこそこ混雑した「食堂」的なレストランでライス&カリーを食べると基本的に美味しい。
というか、自分の口にはすごく良く合った。

まず、それほど辛くないこと。
「暑いスリランカで辛いカレーを食べたら汗だくになるんだろうなぁ〜」とちょっと気が引けていたのだが、実際に食べると辛くなくて、スパイスが良い感じに効いているだけで、すごく食べやすい。
味付けもマイルドでクセがなく、野菜を中心として作られているので体にも良さそう。

カレーによってご飯をたくさん食べられるので、暑さで体力を奪われがちなスリランカでの行動にもちょうど良い感じだ。
自分は全部ぐちゃくちゃに混ぜて食べると、味が何が何だかわからなくなりそうだったので、それぞれのカレー毎に食べたが、全部混ぜて食べても新しい味になりそうで、それはそれで美味しそうだと予想できる。

この旅で感じたことなのだが、スリランカでは料理のバリエーションがそれほど多くないので、どのレストラン(というか食堂)に行っても、基本的には同じものばかり。
しかし、困った時には「ライス&カリー」を頼んでおけば間違いはないと思う。
どこに行ってもそこそこ美味しいし、お腹いっぱいに食べられる。

そして、デザートのパパイヤ。

フルーツが豊富な国なので、色々な種類のフルーツが安く食べられるのが嬉しいところ。
一人旅だったので、購入個数が多すぎて自分の時は買わなかったのだが、スリランカに来る時に乗った飛行機の隣の席のスリランカ人のオススメのフルーツは「バナナ」だそうだ。

「えっ、そんなバナナなんて日本でも食べられるような安いフルーツなんか・・・」と思われるかもしれないが、彼曰く、スリランカのバナナは種類がいっぱいあるそうなのだ。
なので、そんな色々な種類のバナナを味わってみるものいいんぢゃないか?とのこと。
しかし、あまりに豊富すぎて、売っている最小購入個数が一房以上というのが難点。
一人ぢゃあ食べきれないよ!

さて、そんなこんなで、スリランカの初日は終了。
暑さにやられている以外は、それなりに順調だし、人も優しくて助かる。

さて、明日はこのスリランカ旅のメイン観光地ともなる「シギリヤロック」へ行くことに。

これまでとこれからのスリランカ旅
Day1 上海最大の観光スポット「豫園」は本当に必見ポイントなのか?!
Day2・3 スリランカの洗礼? 90ルピーを8000ルピーといきなりふっかけられる?!
Day4 せっかくシギリヤロックにまで行ったのに”あの”写真が撮れないなんて~!
Day5 アヌラータプラで灼熱の地面を裸足で歩く現地人。彼らは熱くないのかっ?!
Day6 自転車で全制覇できるのかっ?!ポロンナルワの遺跡群!
Day7 キャンディーの神聖な寺に侵入して揉みクシャになる?!
Day8・9 コロンボは本当につまらない首都?確かめてみよう!

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