【ロシア旅行記】Day1・2・3 せっかくヤロズラブリまで行ったのに何にも見れないなんてぇ〜!

JALのマイルが溜まっていた。

ということで、それを利用してロシア・モスクワにでも行こうかと考えていたのだが、年末年始の休みで、かつ都合の良い日程でなかなか取れそうに無い。

「そんなの当たり前ぢゃん!」と思われるかもしれないが、2年前ぐらいに特典航空券を探していた時には、モスクワ便は結構空き空きの状態だったのだ。とはいえ今回はなかなか上手く取れそうに無い。

「ぢゃあ、普通にお金を払って行ったらいくらぐらいになるのかなぁ〜?」と検索してみると、成田モスクワ往復で56,000円だった。「えっ! そのぐらいだったらお金払って都合の良い日に行った方がいいぢゃ〜ん!」ということで、なぜか普通にお金を払って行くことにした今回のロシア旅。

本当のところを言ったら「ロシアに行って何をするか?」という明確な目的は無く、ただなんとなくロシアに行きたいという、旅好きが陥りがちな「あまり良くない旅行」の仕方になっていたことは否めない。

ロシアは2年程前にも行ったことがあったのだが、その時はちょうど夏。
観光シーズンとしてベストシーズンだったのだが、残念ながらバレエはやっていない時期なのだ。
夏の時期はロシアのバレエ団は世界各国に公演に出てしまうので、バレエに限っては夏はオフシーズンになってしまう。

バレエ好きの妻は「やはり本場のバレエは見たい!」と言っており、ちょうど冬なので、本場のバレエを思う存分楽しむことを主軸に旅を組み立てて行こうと思う。

かつてのロシアは「ソ連」という国家を形成していた国の一つであったのだが、現在のロシア周辺にもかつてはソ連を形成していて、今は独立している国がいくつもある。

アメリカのプロパガンダにすっかり支配されて来た日本人にとって「ソ連=恐いところ」というイメージが植えつけられてしまっている感はあるが、実際に恐いところなのか?という疑問がある。
事実、2年前にロシアに訪問した時は、全然恐いところではなく、確かに現地のロシア人はニコリともしなくて恐い感じもあるが、実際には結構優しくて、困っていると助けてくれたりする。
なので、自分にとっては「ソ連=恐いところ」というイメージは果たして合っているのか?についてもっとちゃんと確かめたいと思っていた。

ということで、今回はロシアだけではなく、かつて「ソ連」を形成していた国をいくつか回って見て、その国々の文化や雰囲気を肌で感じてみようかと思う。
今回はロシアinした後、ジョージア(グルジア)→ウクライナ→ベラルーシと回り、最後にまたロシアinしてから帰国する予定にした。

そんなこんなで、成田からエアロフロートロシア航空にてまずはモスクワまでひとっ飛び。

昔のエアロフロートは悪名高い航空会社だったらしいのだが、現在は全然そんなことはなく、なかなか快適に過ごすことができますYo!

モスクワには大きな空港が2つあり、一つはシェメレチェボ空港(SVO)、もう一つはドモシェドボ空港(DME)だ。
シェメレチェボ空港は市街の北にあって、ドモシェドボ空港は市街よりも南にある。
成田から出るエアロフロートの直行便はシェメレチェボ空港に到着し、JALの直行便はドモシェドボ空港に到着する。
どちらも市街へ出るにはエアポートエクスプレスで1時間ぐらいかかる。

さて、モスクワに到着したら、今回の長い旅を快適に過ごすためにもプリペイドSIMを探すことに。
前回来た時は事前に用意していったこともあって、あまり良く見ていなかったのだが、今回色々探してみると、ターミナル内には結構たくさんの携帯カウンターがあるので購入自体は簡単にできそうだった。

ここで、我々がまずやってしまった失敗なのだが、イミグレと税関を抜けたところに早速「TELE2」という携帯会社のカウンターがあったので買ってしまった。
しかしこの「TELE2」という携帯会社は大きな携帯会社では無いようなので、地方に行くと結構繋がらなかった。
というわけで、大きい携帯会社のSIMを買うことをオススメする。
具体的には「Beeline」「MTC」「MegaFon」と言った携帯会社の方が良いと思われる。

空港内の携帯カウンターだったら大抵の係員は英語が話せるっぽいので、我々が購入した時にもそれほど苦労することはなかった。

さて、ここからは市街に向かいホテルへ直行。

空港からは「エアロエクスプレス」という電車が出ているので、それを利用する。
シェメレチェボ空港のターミナルからエアロエクスプレスの駅までは、繋がってはいるものの、結構歩かなければならない。
普通に案内板もあるし、地面にこんな感じの矢印が書かれているので、迷う心配は全く無い。

途中、自販機がいくつかあって、タバコみたいな箱がたくさん並んだ自販機を見つけて「日本では見ない感じの自販機だけど、何の自販機だろう?」と思って近づいたら、コンタクトレンズの自販機だった。

「うぉ〜!これ日本にも欲しい〜!」と思うのは俺だけだろうか?

エアロエクスプレスの駅までにはいくつかカフェとかもあったりする。

こんな感じのでっかいマトリョーシカが置いてあるのをみると「あ〜!ロシアに来たな!」という実感が湧く。

ほぼターミナルの一番端っこぐらいにエアロクスプレスの駅がある。

チケットは窓口でも買えるし、自販機でも買える。
自販機ではクレジットカードも使えるので両替した現金を使わなくても済むし便利。
操作も英語でできるので、全然迷う心配も無い。

エアロエクスプレスは真っ赤な車体。
中も結構綺麗。

というわけでシェメレチェボ空港から市街にある「ベラルーシ駅」まで移動。

エアロエクスプレスは途中に停車駅とか無いので、電車が到着するまでボーッと乗っていれば良くて楽。
シェメレチェボ空港からは約1時間で到着する。

「エアロエクスプレス」と聞くと日本人だったらかなり高速で走る特急列車を想像してしまいがちだが、実際は「これ鈍行ぢゃね?」と思う感じののんびりした列車だ。

ベラルーシ駅では地下鉄に乗り換えて目的のホテル付近まで行く。
歴史あるロシアの地下鉄はすでに入口からして美しい。

ロシアの地下鉄はすご〜く深い。
改札からホームに行くエスカレーターは到着点が見えないぐらいだ。

そしてところどころに垣間見える「ソ連」感が面白い。

そんなこんなで地下鉄でホテルの近くであるアフタヴォーツカヤ駅まで行く。

とりあえずホテルにチェックインしたが、この時点で結構遅い時間になっていた。
夕飯も食べていなかったのでどこかに食べに行こうか?と思ったら、近くに「テレモック」というロシアのクレープみたいな食べ物である「ブルヌイ」の店があったので、入ってみることにした。

クレープと言っても甘いものばかりではなく、基本は「食事系」のクレープが多い。

我々は、牛ひき肉のクレープとボルシチ、そして水餃子のような「ペリメニ」を注文した。
もう遅い時間だったからか、ブルヌイのほとんどは「売り切れ」って言われてしまったので、選択肢がこれしかなかったのだが…。

ブルヌイの専門店だけあって、ブルヌイは結構美味しい。しかしこの後旅の中で何度もボルシチを食べることになるのだが、ここのボルシチはあまり美味しくなかった。

そんなこんなで、ただただ移動しただけとなってしまったが、この日は就寝。

さて、日付は変わって旅は2日目。

本日は国鉄に乗って「黄金の環」と呼ばれる観光ポイントの一つを形成する「ヤロスラブリ」へいく。

まずは早朝、地下鉄に乗って市街北東部にある「ヤロスラブリ駅」へ。

さすがに早朝なので地下鉄にもあまり人はいない感じ。

地下鉄のヤロスラブリ駅から、国鉄のヤロスラブリ駅まで移動する。

ロシアの鉄道は同じ場所にあるはずなのに、乗り換えには結構歩かなければならない。
ロシアの地下鉄自体はほとんど英語表記はないのだが、写真のように地面に埋め込まれた案内板には英語表記があるので、国鉄駅への乗り換えは迷うこともないと思う。

国鉄のヤロスラブリ駅に到着したが、まだまだ空は暗い。
列車の出発時間までまだ時間があったので、ホームにあったカルトーシュカ(じゃがいも料理店)で朝食を食べることに。

カルトーシュカの店なのに、カルトーシュカを選択しないということをしてしまったが、何となくうまそうだったのでグラタン的なものを頼んでしまう。

朝からチーズがたっぷりでくどそうに見えるが、意外とあっさりいていてうまかった。

あと、キノコのラップを注文。

野菜と共に炒められたキノコが包まれていて、ちゃんと温めてくれるのでこちらも美味かった。

この地図が示す「スーズタリ」「ウラジミール」「セルギエフポサード」そして「ヤロスラブリ」という街は「黄金の環」と呼ばれる観光ポイントで人気も高く、ガイド本でも推し推しの場所だ。

2年前にモスクワに来た時は「セルギエフポサード」には行った。
セルギエフポサードは近郊列車の扱いなのだが、ヤロスラブリはどうやら近郊列車の扱いではないようだ。

というわけで、我々は事前にチケットを購入して行った。
チケットを購入してくれるサイトはネット上に色々とあるのだが、我々は
RussianRail.comというサイトで購入した。

このサイトは2年前にモスクワからキジ島へ行った時と、キジ島からサンクトペテルブルクに行った時に寝台特急のチケットを購入した。
その時の対応が結構しっかりしていたので、今回も利用。

出発駅と到着駅を選択して検索し、都合の良い時間とお金の列車を選択して、あとはクレジットカードで支払えば、後日電車のチケットがメールで送られてくる。
当日はそれをプリントアウトしたものを持っていけば、電車に乗るときに車両の入り口に立っている係員がそれをチェックして乗ることができる。

モスクワからヤロスラブリまでは電車で3時間から3時間半ぐらいで到着。
ちなみにロシアの電車は結構時間に正確なので、余裕をぶっかまして遅れないように注意が必要。

そんなこんなで、モスクワを出発した列車からの車窓は、最初は家とか建物とかが結構たくさんあるのに、そのうち建物も全然無くなって、人も住んでなさそうな土地に変化しいく。
若干不安を覚えてしまう。

という心配はご無用で、ヤロスラブリに近くなってくるとそれなりに街になってくる。

電車はほぼ定刻通りにヤロスラブリの駅に到着。
寝台特急の時と同じく、各車両に一人づつ車掌がいて、色々とお世話してくれる。

ヤロスラブリの駅を出ると、目の前はバスロータリーのようになっていて、普通のバスやトロリーバス、そしてミニバスなんかも普通の車に混じってたくさんいる。

「ヤロスラブリの駅」と言っているが、ヤロスラブリには大きな駅が2つあって、「グラーヴヌイ駅」と「モフコフスキー駅」。
電車のチケットを検索していた時の感じでは、ほとんどが「グラーヴヌイ駅」に到着するようで、我々もグラーヴヌイ駅に到着する電車だった。
電車のチケットを予約するときには「どちらの駅に到着するか?」ということをよく確認しておいた方が良い。

どちらの駅も市街ど真ん中というわけではなく、ちょっと離れている。

駅を出ると目の前に1番のバスがいたので、それに飛び乗り市街に向かう。
「歩き方」によれば、グラーヴヌイ駅からは1番と6番のトロリーバスで市街に行けるらしく、モフコフスキー駅からは5番と9番のバスで市街に行けるらしい。

さて、バスに飛び乗ったはいいが、チケットは?どこでお金を払う?

と心配になりそうだが、かつてソ連だった国のバスは非常に簡単。
バスの中には車掌が乗っている。車掌にお金を払いにいかなくても、車掌が近寄ってくるので、その時払えばOKだし、お金も一律な場合が多い。
なので少し多めのお金を見せれば普通にお釣りと右写真のような紙切れのチケット(支払い証明)を渡してくれるので、大事にとっておこう。

たまに車掌のおばちゃんが「あんた払ったっけ?」と再び来たりする。
その時はもらったチケットを見せれば大丈夫。

ちなみに、グラーヴヌイ駅から市街までは20ルーブルだった。

そんなこんなで、確保していたホテル近くのバス停までバスを乗り、そこから歩いてホテルにバックパックを置きに行き、街をぶらぶらすることに。

とりあえず生誕教会へ向かう。

生誕教会は白が美しい教会として紹介されているが、冬なので周りが白いからか、特に白が映えるという印象はなく、ごく普通の教会に見える。

その南側にも同じような教会があったのだが、先ほどの建物とこちらの建物どちらも中に入ることはできなかった。

さて、そろそろお昼の時間。
お腹もすいて来たので、ちょっと早めの昼食をとることに。

生誕教会からボルガ川沿いに少し歩いたところに「サブラーニエ」というレストランがあるそうなので、行ってみることに。

サブラーニエは博物館と建物が共通になっているようで、どこがレストランの入り口?と思ってしまう感じで分かりにくい。
しかも店自体は地下にあるので外からレストランの雰囲気もわからないのだ。

レストランはこの写真の右側にある小さなドアから入る。

さて、レストランの席に着くと、当たり前のように「飲み物は何にする?」と聞かれる。
ちなみに、店員の女性は英語ができるので安心。

アルコールの飲めない我々は、いつも通り「水でいいです」と言おうと思ったが、水以外にも何か飲みたいなぁ〜と迷っていると、店員の女性が「モルスがおすすめだよ」という。

モルスってなんだろう?と思いながらも「じゃあ、それで」と頼んでみたら、こんな感じのベリー系果物のジュースだった。
こちらの方では食事のお供として飲むそうだ。

我々はここのモルスを飲んですっかり気に入ってしまい、この後、旅の中で何度もお世話になる。

そして、料理としてまず頼んだのはスープ類。
ロシアに来たら「ボルシチ」だよね、ってことで当たり前のようにボルシチを頼む。
あと、ロシアではかなりメジャーなすっぱ美味いスープ「サリャンカ」も注文。

ロシアではたいていのレストランには「ボルシチ」か「サリャンカ」か「ウハー」という魚のスープはあるので、スープに迷ったら、これらのどれかを選べば間違いがない。

ボルシチは具だくさんでおいしいし、サリャンカもすっぱさが体に染み渡って間違いのない味だ。

個人的にロシアでの料理としてオススメなのが、この具がいっぱいの煮込み料理「ジャルコーエ」。

ロシア版の肉じゃがと言っても過言ではないのでは?と思うような料理で味の系統は違うものの、日本人の口には絶対に合うと思う。
しかもアメリカのような国では絶対に出会えないような美味い煮込み料理なので「ほっ」とする感がハンパない。

サブラーニエの料理は我々が注文した範囲ではどれもこれも当たりばかりで美味い。
しかもボリュームたっぷりなのにわりと値段が安いのでかなりおすすめ。

あまりにも頼みすぎて腹いっぱいになり、ちょっと苦しかった。

お腹が完全に満たされた我々は、ヤロスラブリ観光のメインに据えていた「預言者イリヤー教会」を目指す。

予言者イリヤー教会の前には、特設で作ったっぽいスケートリンクができており、我々が行った時には地元のおっちゃん達がアイスホッケーの試合をしていた。

目の前で実際に見るアイスホッケーはかなり当たりが強く迫力満点だったので、若い人たちが試合をしているのか?と思ったら、自分より年上っぽいおっちゃんばかりで「ロシアの人たちは元気いっぱいだなぁ〜」と感心する。

黄金の環を形成する都市である「ヤロスラブリ」「スーズタリ」「ウラジミール」等を本当に環を描くように回ることもできるのだが、それなりに時間が必要。

今回の限られた旅程の中で全てを回ることは体力的にもキツそうだったので、この都市の中のどこに行こうか?と考えた時に、ガイド本に載っている「預言者イリヤー教会」の内部の写真がとても綺麗で「ここ気になるね」と、妻とも意見が合ったので、行き先をヤロスラブリに決定した。

ただ、一つ気になる点として「歩き方」にはイリヤー教会の「休」は「雨の日 冬季」と書かれていた。
今は明らかに「冬季」だなぁ〜と計画段階から気になっていたのだが、もっと気になるのは「雨の日」って記述だ。
「なんで?」とも思うが理由は不明。
ただし、「るるぶ」のガイド本の方には「休」が「水曜 雨天時」と書かれていたので、完全に自分に都合の良い解釈をして「まあやっているだろう」と思ってきたのだが、結果的に閉まっていた。

正直この教会を見るために、わざわざヤロスラブリにまできたのに、閉まっているとなれば「では、なぜこんなとこにまで来たのか?」という答えが出ない。
結果的にかなり残念な結果となってしまった。

目的の場所が全く見れないという不運は、我々にはよくあることなので、気を取り直してそこらへんをブラブラしてみようかと思う。

イリヤー教会の前の広場に面したところには、なんとなく「ソ連」感が残る市庁舎的な建物が建ってた。ロシア人の性格なのか?建物はどっしりした重厚感溢れる建物が特徴的だ。

ヤロスラブリは、かつて「ヤロスラフ賢公」という人物が、この地の人々が信仰していた「聖なる熊」を殺して、人々を屈服させたという、若干おっかない言い伝えがあり、ヤロスラブリの紋章は「熊」になっている。
町の中では熊の紋章を見かける場所が結構ある。

さて、次に向かったのは市場。
イリヤー教会からブラブラと歩いて行ける距離にある。

イリヤー教会から伸びる目抜き通りには、こんな感じでお土産などを売る屋台が並んでいるのだが、道を埋め尽くすほどぎっしり並んでいるわけでもなく、ポツッ・ポツッといった感じ。

ガイド本には載っていなかったのだが、見た目が派手な教会もある。
地図アプリによれば「Sretenskaya tserkov」という名前になっていた。
建物が印象的だし、結構高い建物なので、ヤロスラブリの街をブラブラしていたら、遠くからでも見つかると思う。

そんなこんなで、市場に到着。

市場は建物の中と建物の外のエリアがあり、建物の外は衣料品がメインで売られており、中は生鮮食品がほとんど。
冬の時期ということもあってか、外エリアの衣料品は「ダウンジャケット」率が異常に高かった。
しかも安っぽいダウンばかり。

市場には特にびっくりするようなものもなかったので、市場のすぐ近くにある観光スポット「スパソ・プレオブランジェンスキー修道院」へ行ってみる。

スパソ・プレオブランジェンスキー修道院は、中にいくつかの施設があるのだが、入場料は一つで全てが見られるわけではなく、見たい物の分だけお金を払うシステム。

しかし、やっかいなのが、入る前に「何が見たいか?」ということを決めておかなければならない上に、チケット売り場の表示も微妙でよく分からない。
しかもチケット売り場のおばちゃんも英語を話すわけでは無いので、不親切で何も教えてくれない。

ということで、我々はなんとなくの勘でチケットを買う。
とりあえず施設内の入場料と、イコン画の展示室を見ることに。

夏には登ることもできるという「鐘楼」。
ここからは素晴らしい眺めを見ることができるということだったのだが、今は思っきし冬なので見ることはできず。

聖堂内も公開は5月から9月のみということで、内部は見れず。
来た時期を間違った感は否めない。

敷地内にはこんな立派な絵が描かれたものがあったのだが、説明も基本的にロシア語ばかりなので、結局これは誰なのか?というのはよく分からず。

勝手に「ヤロズラフ賢公」では無いか?と想像。

せっかくチケットを買ったので「イコンの展示室」にも行ってみる。

そんなに大きくは無い展示室の中にたくさんのイコン画が展示されている。
基礎知識があまり無いので、それぞれのイコン画の出来栄えだとか意味だとかの詳細についてはよく分からないのだが、絵のテイストとしては「あ〜、ロシア独特な感じがするなぁ〜」という感じ。

ヨーロッパ全体における絵画のテイストと似たところはもちろんあるものの、ちょっと違う感じがする。

単なるイコン画だけではなく、イコン画が描かれた扉もたくさん展示されていたのが印象的。
どこにどうやっておかれる扉なのか?はよくわかないのだが・・・。

ガイド本によればスパソ・プレオブランジェンスキー修道院の中には、生きた熊の「マーシャ」が飼われているとあったので若干期待して行ったのだが、確かに飼育小屋みたいなものはあったのだが、熊がいるような気配は全くなかった。
果たして、今は冬だからいないのか?それとも、そもそも今は熊は飼われていないのか?については全然分からない。

我々の基礎知識があまりにも浅すぎるためあまり楽しめなかった「スパソ・プレオブランジェンスキー修道院」だったのだが、とりあえず次へ行く。

修道院を後にして向かったのが、修道院のすぐ前にある交差点に立つ「ヤロズラフ賢公像」

この地の人々が信仰していた聖なる熊を殺して、人々を屈服させたという人がこの人。

この像はかなり交通量の多い、サークル状の交差点(ラウンドアバウトのような交差点)のど真ん中に立っているのだが、ここまでアクセスするには行き交う車をぬって行かなくてはならない。

んでやっとのこと来たら、一人の警官らしき人が我々のところに来て、何やら怒っている。
どうやら道路を渡ってここに来てはいけないらしい雰囲気なのだが、ロシア語でまくしたてられているので我々はさっぱり分からず。
とりあえず「ごめんね・ごめんね〜」とU字工事のように謝り、その場を去る。

そういえば、我々が道路を渡るときに広場に止まっていたパトカーからクラクションを鳴らされていたような気もする。

というわけで、この像を間近で見たい人は、警官とかがいない時を見計らって行った方が良いと思われる。

さて、続いて向かったのは「バガヤヴリェーニヤ教会」。修道院の裏手にある教会。

バガヤヴリェーニヤ教会は「歩き方」にもコラムの欄にちょろっと載っているだけで詳しくは分からない教会なのだが、赤いレンガが印象的な教会。

こちらも中に入ることはできず。
おそらく、冬の時期はどの教会にも入れないんぢゃないか?という気がしてならない。
少なくとも、ヤロスラブリへ観光目的で来る場合は冬の時期を避けた方が確実だと思われる。

「教会群は多分、どれも内部は見られないなぁ〜」という諦めが出てきたため、ここで趣向を変えて、地元のショッピングセンターに行ってみることに。

向かったのは「アウラ」というショッピングセンター。

「アウラ」の外観はこんな感じ。
外観はかなり立派な造りだ。

んで、ショッピングセンターの中は今まで歩いてきた市街中心地のしょぼくれた感じは全然無く、かなり近代的で、客もいっぱい居た。
各店舗に置かれている商品も、日本のデパートなんかで見るような現代的なものばかりなので、冬の寒い時期なんかは、こういった場所でゆっくりお買い物をするんだろうなぁ〜と思われる。

客層も若い人が多かった。
ただ、食料品売り場なんかは見当たらなかったので、食料品は別の所で買うんだろうと想像される。

さて、日も沈んでかなり暗くなってきてしまったので、夕飯食べてホテルに戻ろうか?ということになった。
適当なレストランを探そうか?とも思ったが、昼間に「サブラーニエ」で腹一杯食べた為、それほどお腹が空いて居ない。

では、どこかでテイクアウトできるものを買って、適当な時間にホテルの部屋で食べることにしよう!ということで、事前に調べておいたパイの店「シトーレ」へ行く。

シトーレは「ピローグ」というパイの専門店。
店内で食べることもできるし、テイクアウトすることもできる。

別にヤロスラブリにしか無い店では無く、ロシア国内だったらかなりの店舗数を持つチェーン店。
ロシアのみならず、ウクライナとか他の国にもある。

以前ロシアに来たときに、サンクトペテルブルクで食べたが、かなり美味しかった記憶がある。
サンクトペテルブルクのエルミタージュ美術館の近くにある店舗はガイド本なんかでも紹介されていて有名。

パイと聞くとデザート的な物を想像しがちだが「おかず系」のパイも豊富で、その比率は半々ぐらい。

我々はもともと夕飯として買って行く予定だったので、こんな感じの「鮭」や「キャベツ」のピローグを買った。

鮭なんかは肉厚で、身はふっくらしていて美味しいし、キャベツのピローグは予想に反してかなり美味しかった。
ちなみにメニューは一応英語もあるので安心なのだが、ショーケースに並んでいるパイのうち「これは何か?」というのがあまり分からないので、結局のところ勘で買った感は否めない。

食後のデザートもピローグにするために、クランベリーだと思われるピローグも買う。

これはこれで美味いのだが、予想通り甘い上に酸味もかなりあるので、好き嫌いはあるかもしれない。

そんなこんなで、ヤロズラブリ1日目(旅の2日目)は終了。

さて日付は変わって旅は3日目に突入。

今日はお昼頃の電車にてモスクワに戻る予定。それまでの時間、ヤロスラブリの街をもう少しブラブラしてみようかと思う。

向かったのは、預言者イリヤー教会から公園みたな場所をひたすら歩いた先にある「ウペンスキー教会」

イリヤー教会からウペンスキー教会までは公園の遊歩道のような作りになっていて車が入れないようになっているのだが、所々にこんな感じの記念碑的な物があった。

文字が読めないのでよくわからないのだが、ロシアにはこんな感じの記念碑的なものは結構あって、そのほとんどが戦争に関するものだったり、独立の記念だったりするものが多い。

これも戦争に関するものなのではないか?と勝手に想像。

ウペンスキー教会の手前にもモニュメントがあった。
これは間違いなく戦争に関する物だと思われ、iPhoneの地図アプリ(Maps.me)が示す内容には「to the fallen in the great patriotic war」と記されていた。
この「Patriotic war」がどの戦争を指すのかよくわからないのだが、どこかの戦争を指していることは確か。

そのモニュメントの先にあるのがペンスキー教会。
上の写真は正面から、そして下の写真は裏側に回って撮ったもの。

裏側にはモニュメントがあり、やはりMaps.meで表示される内容を確認すると「The Monument of the Holy Trinity」と書かれており、おそらくキリスト教の「三位一体」という考え方を示した像だと思われる。

ウペンスキー教会には一応入ることはできたのだが、入った途端に強面のおっさんが出て来てロシア語で何かをまくしたてられた。
英語で話そうとすると「ルースキー(ロシア語)」と言っていた気がするので、多分「ここはロシアなんだからロシア語で話せ」的なことを言っていたんだと思われる。
とりあえず何を言っているのかさっぱりわからなかったのだが、多分「あそこでロウソクを買って・・・。とにかくお金を落としていけ」的なことを言われたんぢゃないか?と思う。

宗教施設だし、あれこれ揉め事になっても嫌なので、祭壇がある内部まで入ることを諦めた。

ウペンスキー教会は岬のような地形の場所に建っているので、岬の先端の方に行ってみた。

そこには「ヴォルガ川」という大きな川が流れていて、当然のように大部分は凍っていた。
川の凍っている場所にテントのようなものがちらほら見えたのだが、魚釣りでもしていたのかな?
と思う。あとホバークラフトで豪快に移動している人もいた。

予想はしていたが、こんな感じでどんよりとした冬の景色は、我々日本人が想像するロシアの姿ぴったりなのかもしれない。

さて、あまり時間もないので電車に乗るため駅に向かおうと思う。

ホテルへ荷物をピックアップするために帰りがてら、立ち寄ったのはこの教会。
中に入れるのかどうか?はよくわからなかったが、こちらも立派な教会だった。

というわけで、荷物をピックアップして、駅へ向かう。

市街から駅(グラーヴヌイ駅)へ向かうには、駅から市街に来たのとちょうど逆の手順でトロリーバスに乗る。我々はこの図のバス停から乗った。
別にここではなくても、1番のトロリーバスが通る道にあるバス停だったらどこでも良いと思う。

トロリーバスはこんな感じ。
トロリーバスが通る場所には架線が上にあるので、実際にバスが走っている姿を見なくても、どこを走るか?というのが電車の線路のようにわかって便利。

というわけで、市街からグラーヴヌイ駅へ。
時間にして30分ぐらいかな。

朝ごはんを食べていなかったので、電車の中で食べる用に駅前のキオスクでパンとラップを買う。
パンはピロシキのようなパンで、そこそこ美味いし安い。

ロシアでは長距離列車は出発のかなり前から停車している場合が多く、割と早い時間から乗り込むことが可能。
寒いホームでブルブル震えながらまったりする必要が無いのがありがたい。

余談だが、モスクワからヤロズラブリに来る時に乗った電車の中はかなり綺麗で近代的だったのだが、帰りの電車はボロボロだった。
「不快」というレベルでは無いので良いのだが、いまだに古めの車両もしっかりと使われているのだなぁ〜と思う。

さて、この後、モスクワに戻った我々は、旅の目的の一つでもある「本場のバレエ」を見に行きますよ!

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