【ロシア旅行記】Day3 本場ロシアバレエの実力とは?(チケット購入方法も:ダンチェンコ編)

旅はヤロスラブリからモスクワに戻って来たところから続く。

ヤロスラブリからの電車はモスクワにあるヤロスラブリ駅に到着する(ロシアでは目的地が駅の名前になるので、モスクワに「モスクワ駅」というのは存在せず、モスクワ以外の場所には「モスクワ駅」が存在する。なので、ヤロスラブリから帰って来たら、モスクワなのに「ヤロスラブリ駅」に到着するのだ)。

国鉄のヤロスラブリ駅からは地下鉄に乗り換えて「トゥヴェルスカヤ駅」へ向かう。

前回モスクワに来た時にはあったのかどうか?がよくわからない(多分無いと思う)が、最近になって、日本で言う「Suica」のようなチャージ式のカードが地下鉄で使えるようになった。
そのカードは「トロイカカード」と言う。

カードの購入には50ルーブルのデポジットが必要だが、あとは必要な分チャージすれば、Suicaのように使える。

トロイカカードの購入は地下鉄のチケットが買える窓口に行き、おばちゃんに「トロイカカード!」と言えば多分わかってくれる。
いくらチャージするか?と言うことを聞かれるかもしれないが、窓口のおばちゃんは基本的にロシア語オンリーなので、自分から先に言った方が楽だ。
50ルーブルがデポジットとすれば、100ルーブル札だけだと50ルーブル分しか使えないので、地下鉄には1回ぐらいしか乗れない。
なので、我々は500ルーブル札を出して「オールチャージ!」とかいったら、ちゃんと450ルーブル分使えるレシートと一緒にトロイカカードを渡してくれた。

トロイカカードの使い方はまさしくSuicaと一緒で、電車に乗るために改札を通過する時に、機械にタッチ。
引き落とし分と残金が表示されるので、残金が少なくなったらチャージすれば良い。

ちなみにこの写真の改札機はかなり最新鋭のタイプだが、ほとんどの駅はボロい機械ばかり。
しかし不思議なことに、作動はちゃんとする。

ロシアの地下鉄の料金システムは、どこまで乗っても均一料金。
なので、入場する時には機械にタッチする必要があるが、出る時には機械にタッチする必要は無い。

残金が少なくなったらチャージすれば良いと書いたが、どうやってチャージするのか?

一番簡単な方法は、窓口に行っておばちゃんにトロイカカードとお金を渡して「チャージプリーズ!」と言えばわかってくれると思う。

もちろん窓口でもいいし、自販機的な機械でもできるので、我々はその機械で実際にやってみた。

まず、デフォルトでは画面表示がロシア語表記になっているので、言語を「EN」にする。
すると処理が始まって…

左のような画面になったら一番下の「Recharge(リチャージ)」を選択する。

すると、トロイカカードを挿入するよう促されるので、機械にトロイカカードを挿入する。

カードを挿入すると、現在カード内に残っている金額が表示される(写真では99ルーブル)なので、確認したら右下の「TOP UP E-WALLET」を選択する。

残金が十分でリチャージする必要がなければ「RETURN CARD」を選択して、操作自体をキャンセルしてしまってもOK。

すると、お金を挿入するように促されるので、おもむろに現金を投入する。

基本的に投入した金額がまるまるリチャージされてしまうので、あらかじめ「いくらトップアップするか?」を考えておいた方が良い。
使いもしないのに500ルーブルとか投入してしまったら無駄になる。

お金を投入すると、投入した金額が表示されるので、金額を確認して「TOP UP BALANCE」を選択するとリチャージ処理が始まる。

処理が終了すると、カードを取るように促されるので、先ほどカードを投入したところから出て来たトロイカカードを取り出して終了。
超簡単。

窓口に行った方が簡単だとは思われるが、窓口が長蛇の列だったりしたら、自力でチャージしてみるのもアリかもしれない。

そんなモスクワの地下鉄だが、歴史が長いからか、残念ながら旅行者にとってはあまり優しくない感じで、駅のほとんどの表示はロシア語表記。
英語表記はほとんどない。

地下鉄のホームに降りると、自分の行きたい方向のホームはどっちなのか?というのを確認しなければならないのだが、キリル文字がある程度読めるようになると、その辺は楽になる。
表示されている最初の3文字ぐらいが読めれば、どちらのホームか?というのはすぐにわかる。

わからなければ、ガイド本の路線図に書かれているキリル文字と案内板の文字を見比べればいいだけなので多少手こずる程度で済む。
ただ、路線図にはカタカナだけではなくキリル文字もちゃんと書かれているガイドブックを選ばないと、カタカナだけでは何の役にも立たないので注意が必要。

以前は地下鉄内の写真を撮ってはダメだったのだが、現在では商用目的でなければ写真撮影してもOKだそうだ。
というわけで堂々と撮影。

モスクワの地下鉄構内はまるで美術館や博物館の展示のように豪華で立派、そしてセンスある装飾が特徴。
よく「地下鉄駅巡り!」と、各駅のホームを紹介しているページなんかもある。

最近急激に経済発展して、地下鉄も比較的新しい国なんかでは、ホームなんか質実剛健といった感じで、何の飾りっ気もない。
しかしながらロシアの地下鉄はその歴史も長く「ソ連」という特殊な社会環境で作られた地下鉄だけあって、なかなか見ごたえがあって楽しい。

さて、地下鉄の解説はそのぐらいにして、トゥヴェルスカヤ駅に着いた我々は地上に出てみる。

本日は12月30日。
思っきし年の瀬だ。
モスクワも当たり前のように新年を祝うために、街じゅうが電飾で飾られている。
やはりこの辺はヨーロッパな感じも大きく感じられ、その派手さは日本の比ではない。

実は、ロシアではクリスマスは12月25日ではなく、1月7日。
なので、新年を迎えてからクリスマスが来るという順番なのだ。

したがって、街じゅうの電飾は「新年を祝う」ことと「クリスマスを祝う」という2つの意味を持った電飾なので、豪華さがハンパないのだ。
こんな電飾を見ているだけで、気分が上がって来る。

今日の予定はこの後バレエを観に行く。
バレエ鑑賞は19:00からなのだが、バレエが終わってからでは夕飯が遅くなってしまうので、時間はちょっと早いが夕飯を食べることに。

向かった先はトゥヴェルスカヤ駅から徒歩10〜15分ぐらいのところにあるウクライナ料理店「カルチマ・タラス・ブリバ」

カルチマ・タラス・ブリバは「歩き方」にも乗っているレストランで、モスクワ市内にも何軒か店があるチェーン店。
割と安い値段で食べられるレストランだ。

店に着くと、このクソ寒い中、ドアの外に民族衣装のような服を着た店員が寒そうに立っていて、ドアを開けてくれる。
まあ、客の呼び込みも兼ねているんだろうけど…。

店内に入ると、狭いものの、何部屋かに分かれた造りになっていて、割と落ち着いた感じだった。

結構な歳だと思われる店員のおばちゃんですらこんな可愛い衣装を着て仕事をしていた。
ちなみにこの店には各国の言語で書かれたメニューが用意されていて、日本語メニューもあった。
マイナーなところではベトナム語とかもある。

ということでまず運ばれて着たのが、この旅ですっかり気に入ってしまったベリー系のジュース「モルス」と、ロシアでは「ボルシチ」「サリャンカ」と並んでメジャーなスープ「ウハー」。

ウハーは魚のスープなのだが、一口飲んだだけで「あっ!魚」と言ってしまうほど魚の味わいが深いスープだった。
魚の味わいが深いと言っても、別に生臭いわけではなくとても美味しい。
海外の料理独特のクセも無く、日本のレストランで普通に出されても何の違和感もない感じだった。

そして、サラダ系。

注文したのは「酢漬けキャベツのサラダ」と「毛皮を着たニシン」という名の料理。

ロシアではサラダにキャベツを使われているケースが結構多くて、しかも酢漬けになっているパターンが多い。
酢漬けと言っても「ツーン」ときつい感じでは無く、かなりマイルド。
「キャベツにドレッシングをかけてしばらく置いておいた」という感じで、お腹が空いていたらパクパクと食べてしまう。

毛皮を着たニシンという名の由来はよくわからないのだが、ミルフィーユ程薄くはないが「層」状になっている食べ物で、一番下の層には塩漬けニシンがある。んで、その上に人参やらの野菜が乗って、一番上の方の層には千切りのビーツが乗っているという、かなり不思議な料理。
しかし、ロシアではかなりメジャーな料理で、どこのレストランでも見かける。

肝心のお味の方だが、メジャーになるのも納得できる美味さ。
「ニシン」と「ビーツ」と、一見すると合わなそうな食材がとても良い関係を保って、お互いの良さを引き出している。
特に嫌な感じのクセも無く、気づいたらパクパク食べてしまっている。

そしてメインとして選んだのが「ロールキャベツ」と「キエフカツレツ」。
ロールキャベツの中にはお肉は当たり前だが、そこにご飯も混ざっているのがロシアでは一般的。
まあ、カサ増しとかの目的もあるんだろうけど、お肉やその他の食材の旨味をご飯が吸ってくれていて、これまた美味しい。

そして、この店はウクライナ料理店ということもあって「キエフカツレツ」は食べといた方がいいでしょ〜!ということでキエフカツレツを選択。

キエフカツレツとは一見すると日本でも食べられそうなカツレツなのだが、切ってみると中から大量の油(バター)が出て来る。
んで、その切断面を見ると中央が空洞になっている。
実はここに大量のバターの塊が仕込まれていて、揚げることで中でバターが溶けるというカラクリ。
何も知らないで初めて食べる時には、ちょっとびっくりするかも。

実は前回ロシアに来た時、そこら辺の惣菜屋でキエフカツレツを買い、温めもせずに食べようとして切ったら、溶けてないバターの塊が中央にあってびっくりしてしまった。
そのときは「キエフカツレツ」の構造を知らなかったのだが…。

そしてお味の方なのだが、揚げたてなのでカリカリ・サクサクで当然のように美味い。
脂っ気の少ない鶏肉に対して中央にあったバターが油分を追加してくれている。
「油=美味い」という人間の本能の部分を見事に突いてくれている料理なのだが、冷静に考えると、「揚げ物」に「バター」という超恐ろしい料理だ。
食べ過ぎ注意。

カルチマ・タラス・ブリバは料理も美味しく、値段も安く、年末年始もやっているっぽいのでオススメ。

さて、そんなこんなでお腹いっぱいになった我々は、この旅のメインでもある「バレエ」を観に行くため「ダンチェンコ記念音楽劇場」へ向かう。

ダンチェンコ記念音楽劇場はボリショイバレエと並んで超有名なバレエ劇場。

バレエなんて全然興味のなかった自分は一体どんなものなのか?と緊張していた。

バレエ劇場ってものすごく広いホールでやるのかと勝手に想像していたら、意外と小さなホールだった。
表現としては間違っているかもしれないが、田舎にある市民ホールの「大ホール」並の広さ。
逆にそのぐらいの広さなので、どの席からでもよく見えるようになっているんだと勝手に想像。

日本のデカイコンサートだとほとんどの席からは肉眼でアーティストは米粒ぐらいにしか見えないと思うが、バレエの劇場はそんなことは全然無く、演者の表情とか動きとかはちゃんと見える。
ちなみにクロークで上着と荷物を預ける時に「オペラグラス要るか?」と聞かれて「要る」と答えて借りた(ちなみに有料)。
しかしながら、別にオペラグラスなんかなくても演者の表現を十分に楽しめる感じだ。

もともとバレエにはあまり興味がなかった自分は、基礎知識なんて全然無いもんだから知らなかったのだが、本場ロシアのバレエの音楽は全て生演奏だ。

こんな感じでステージと客席の間に一段くぼんだスペースがあり、客席からはギリ見えない高さになっている。
ここに小オーケストラがセッティングしており、全ての演奏をここでやる。
全然知らなかった自分にとってこれは衝撃。

さて、ロシアに行って本場のバレエを見たい!っていう人は多いんぢゃないか?と思われるが、では実際にチケットってどうやって買う?

というのを少しだけ解説。
チケットはインターネットでダンチェンコ記念音楽劇場のホームページから買えちゃうので簡単。

まずはアクセスして、左上の「CALENDAR」をクリックする。

すると、こんな感じのカレンダー形式でそれぞれの日でどんな演目が公演されているか?が表示される。

んで、自分が行きたい日にちの演目の上をマウスオーバーすると、演目の詳細が表示されるのでそこに出てくる「Buy ticket」をクリックしてチケット購入に進む。

すると、アカウント登録とログインの画面が出てくるので、ここでアカウント登録する。
予約の管理をしたりする必要があるので、アカウント登録は必要だ。
画面に従って必要項目を入力する。

アカウント登録が完了すると、座席を指定する画面が出てくる。
これが若干見にくいのだが、まずは座席全体の表示が出て下にいくつかの番号が書かれた部分がある。
座席全体をいくつかのエリアに分けてあってそのエリアからさらに目的のシートを指定する。

緑の数字は、まだ空き席があるエリアで、白は満席となってしまっているエリア。白の数字の部分は満席なのでクリックすらできない。
緑の部分を選択すると…

全体図からそのエリアがハイライトされ、画面を下にスクロールして行くと、現在空きとなっている席とすでに取られている席が色分けされている。こちらも緑が空き席で白がすでに取られている席。

緑の席から好きな席を選択する。

シートを選択すると、この図のようにその席の値段が表示される。
迷いに迷いすぎて10分以内に処理しないとその選択は無効になってしまうので注意が必要。

事情がわかっている人であれば、そんなに迷わないと思うが、自分のように基礎知識が無くどの席が良いのか?ということが分かっていない人にとっては、これが一番の問題点。
わざわざ大金をはたいてロシアまで行って、わざわざ大金をはたいてバレエを見るんだから、取れる席の中で最高の席を確保したい!という心情になるのは当たり前だ。

しかしながら、実際に行ってみて感じたことは「これ、どの席でもいいんぢゃね?」ということ。
先ほども書いたが、劇場は意外と狭い。なので、よっぽどステージ脇で端っこの席とかいう極端な席でない限り、端の方の席であっても十分楽しむことはできるし、中央で見るのと大差はなさそうだった。

そう考えると、場所によって値段が結構違かったりするので、安い席を選んだ方がお得だと自分は感じた。
結局のところ、自分は思っきし適当に取ってしかも端っこの方だったが、全然不満はなかったし、心底バレエが見たかった妻も大満足で、席の不満なんか全然なかった。

ということで、個人的なアドバイスになってしまうが「席はどこでも十分楽しめる!ので、あまり迷う必要はない」と思う。

そんな感じで、席を選択し次の画面に進むと確認画面が出てくる。

先ほどアカウントを取ってログインしているので、登録した内容がすでに入力されている状態となっているはずなので、確認したら「Buy tickets」をクリックし、購入手続きに入る。

あとはネットでお買い物をする時と同じで、クレジットカードの情報を入力すれば購入完了。
しばらくすると、チケットがメールで送られてくるので、それを印刷して当日持っていけば良い。
チケットにはQRコードが書かれていて、入場する時は係員がそれを機械で読み取るのだが、スマホの画面とかで行けるかどうか?についてはちょっと不明。
念のため紙に印刷した方が確実だと思われる。

当たり前だが、公演中の写真撮影は禁止なので、公演の様子の写真は無いが大満足の公演だった。
年末年始は「くるみ割り人形」の演目をやるのが一般的で人気が高い。
なので劇場はほぼ満席の状態だった。

ロシアバレエについて基礎知識のなかった自分にとって、なんとなく「ロシアバレエ=ボリショイバレエ」という固定概念があった。
もちろん、この旅でボリショイバレエにも行ったのだが(後日旅行記を作成)、ちょうど良い日にチケットの空きが無く、旅の最終日で帰国の日しかチケットが取れなかった。

こういった場合、運の無い我々は、旅の途中でなんらかのトラブルに遭遇し、スケジュール通り旅を進めることができずに、泣く泣くバレエを諦めなければならないという自体に遭遇する可能性は否定できない。
正直なところ、バレエがこの旅のメインの一つと据えていた我々にとっては「では、なんでわざわざロシアまで来たのか?」と疑問になってしまうので、それだけは絶対に避けたい。
というわけで、今回旅の日程のうち早い段階で「保険」として、ダンチェンコ記念音楽劇場でもバレエを見ることにした。

勝手に「ボリショイバレエよりも劣るんだろうなぁ〜」と何の根拠もなく思っていたのだが、実際にダンチェンコとボリショイバレエの両方を見た感想として、「ダンチェンコのバレエで十分! というかダンチェンコのバレエの方が上かも!」と思っている。
詳しくはわからないがダンチェンコのバレエもかなり質が高いと素人目でもわかる。
しかも年末年始の混み合う時期においても比較的席は取りやすかったので、ボリショイバレエにこだわらず、ダンチェンコで見ることもオススメしますよ!

そんなこんなで大満足のバレエだったのだが、さすがに帰宅時、預かってもらっていた上着を受け取るクロークは大混雑。
とはいえ何十分と待つほどでは無いので心配は無用だ。

さて、本日の予定は全て終了なので、このまま直でホテルに帰っても良かったのだが、赤の広場も歩いていけない距離では無いことだし、せっかくなので、夜の赤の広場を見に行こう!ということになった。

年末年始とクリスマスを迎える街の中心部はさらに盛大な電飾で賑やかだ。

途中にはボリショイ劇場もある。かなり立派な建物だ。

今回の旅ではこの後、オペラとバレエを見るために2回この劇場を訪れることになる。

そんなこんなで、ブラブラ散歩的に歩いて赤の広場に到着。
広場に隣接する「グム百貨店」も盛大な電飾だった。

そしてこの巨大なクリスマスツリー。
周りに写っている人の大きさと比較しても、ツリーの大きさはわかるだろう。

キリスト教の人たちのクリスマスに対する情熱はすごい。

何となく予想はしていたが、赤の広場には特設のスケートリンクが設置されていた。
滑っている人はあまりいなかったのだが、お金を払えば素人でも滑れそうな感じだった。

そして、赤の広場と言えばこの玉ねぎ頭の寺院「ワシリー寺院」

年末の賑やかな赤の広場でライトアップでもされてるんぢゃないか?と予想していたのだが、ライトアップされてはおらず。
しかも賑わっているエリアからちょっと外れた感じでポツンと建っていて、ちょっと寂しそうな感じもあった。

赤の広場から見るクレムリンはライトアップされていて立派。

その前には特設ステージもあったりして、新年とクリスマスを祝おう!という感じがすごく感じられた。

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