【イラン旅行記】Day5 ヤズドの乾いた土地では果たしてどうやって水を確保するのかっ?

本日は今いるイスファハーンからヤズドという街に移動の予定。

長距離バスターミナルまで行くのに、ローカルバスに乗って行く。
まずは南バスターミナル行きのバスに乗るため、スィー・オ・セ端の北にあるバス乗り場に行く。

ということで、ホテルからバス乗り場までテクテク歩いているとこんな標識が。
自転車専用道路はわかるのだが、インラインスケートまで専用とは…。
とはいえ、街でインラインスケートやっている人はほとんど見かけなかったのだが…。

エマーム広場の東側にレンタル自転車ステーションがあることは、以前書いたが、 バス乗り場があるエンゲラーブ広場にもレンタル自転車がある。
まあ、自分は借りてないので、どんな感じかは解説できないのだが、借りれれば、かなり便利なんぢゃないか?と思う。

イランのバスはこんな感じ。
予想に反してかなり綺麗だ。
しかしながら、バスの路線番号がバス正面の上に書かれているのだが、ペルシャ数字で書かれているので少々難はある。

ちなみにペルシャ数字はこんな感じ。
南バスターミナル行きのバスは91番のバスで行くことができる。
他の番号のバスでもいけるかもしれないので、そこら辺の人に聞いてみるといいと思う。
基本的にイラン人は旅行者には優しいので、誰でも教えてくれると思う。

エンゲラーブ広場のバス停は写真下のような感じで、微妙にバス停らしい標識が立っている。
まあ、その辺で待っていれば問題なしだ。

地図で説明するとこんな感じ。
バス停とレンタル自転車ステーションの位置関係はこんな感じ。

南バスターミナルは、イスファハーン中心街よりもかなり南に行ったところにある。
ちなみに昨日行ったヴァーンク教会があるジョルファー地区に行くバスと同じバスで行くことができる。

南バスターミナルまでは15〜20分ぐらいで到着する。
南バスターミナルのバス停は南バスターミナルの近くを通る幹線道路上にある。
割とたくさんの人が降りるので、何となく場所はわかると思うのだが、不安であれば近くの人に聞いてみるのも良いかもしれない。

バスを降りたら、幹線道路の下を通る歩道を渡り、道路の反対側へ行く、すると南バスターミナルに到着する。

そんなこんなで南バスターミナルに到着。
こちらも結構綺麗で立派なバスターミナルだった。

さて、ヤズド行きのバスチケットはどこで買えばいいんだ?と迷っていると、当たり前のように「どこへ行きたいんだ?」と聞いてくる人がいる。
いつもだったら怪しむが、イランでは基本疑う必要はないと思う。
その人に「ヤズドに行きたいんだ」と言うと「じゃあ、こっちに来な」と連れて行かれたチケットブースでヤズド行きのチケットは買えた。

バスターミナルには色々なバス会社のブースが並んでいて、基本ペルシャ文字なので全然わからないのが普通。
まあ、わからなければ、そこら辺の人に聞けば普通に教えてくれると思う。

ヤズド行きのチケットは、項目も書かれている内容も全てペルシャ文字だったので全くわからず。
とりあえず、チケットを買った時に出発時間とシートナンバーとゲートナンバーは書いてもらった。

「歩き方」には「北バスターミナルに行っても、結局のところバスは南バスターミナルを経由するので、南バスターミナルに行った方が良い」と言う読者コメントが書かれていたので、おもっきし信用して南バスターミナルに行った。しかし、予想に反して南バスターミナルを出発したバスは、北バスターミナルを経由した。
だったら、最初から北バスターミナルに行ってたわ。

というわけで経由した北バスターミナル。
ここは、テヘランからイスファハーンに来た時に到着したバス停でもあった。
南バスターミナルよりも、北バスターミナルを利用する人の方が多い感じがした。

というわけで、イスファハーンからヤズドへ移動。
イラン全体の地図からしたらイスファハーンとヤズドはかなり近い。

イスファハーンの街には、人工的に植えられたんだと思われる緑の植物がたくさんあるのだが、街を出るとすぐにこんな乾いた大地が広がる。
中東独特の厳しい土地が実感できる風景だ。

イスファハーンからヤズドまで、バスはこんな感じの道を走る。
時間にして3時間ぐらいで到着する。

ということで、バスはヤズドに到着。
ヤズドのバスターミナルも結構立派なのだが、人が少なくてがら〜んとしている。

ちなみにGoogleの衛星写真を見ると、ヤズドのバスターミナルはこんな感じの芸術的な形になっている。
バスターミナルの北東側にタクシースタンドがある。
市街まではタクシーで移動。

バスターミナルから市街までバスがないか?と探してみたが、バスはない模様でタクシー一択だ。
しかしながら、タクシーはタクシースタンドで申し込むタイプなので、ぼったくられたりすることはなさそう。

ちなみに、市街からバスターミナルまでもタクシーを拾ったのだが、その料金も全く一緒だった。
多分バスターミナルから市街までのタクシー料金は一律なんだと思う。

ヤズドのバスターミナルから市街まではちょっと離れていて、タクシーで15分ぐらい。
自分は確保していた宿の関係から、マスジャデ・ジャーメー付近まで来た。

とりあえず、マスジャデ・ジャーメー付近の時計台で降りる。

とりあえず確保していたホテルまでバックパックを置きに行く。
ヤズドのホテルは近代的な建物のホテルは少なくて、伝統的なタイプの造りのホテルが一般的のようだ。
ヤズドの伝統的なホテルはこんな感じで広い中庭があって、それを取り囲むように建物が配置されているのが一般的のようだ。

ヤズドの観光ポイントは結構集中しているので、そこら辺は明日観光するとして、今日は一つだけ離れた位置にある観光ポイントである「ファイヤーテンプル」に行こうかと思う。

ということで、ホテルから歩いて向かったのだが、途中に「Shahzade Fazelモスク」があったので、ちょっと寄ってみることに。

テクテク歩いていると、途中で消防車を見かける。
かなり近代的な消防車で驚く。
イラン、結構近代的なのかも…。

Shahzade Fazelモスクはこんな感じ。
中には大きな霊廟もある。

しかし、それよりも驚きなのは、モスクの内部が鏡張りで、すんごくキラキラなのだ。
内部がこんなキラキラのモスクは初めて見たので、かなりの衝撃を受けた。

ちなみにこのモスクは「歩き方」にも紹介されていないモスクで、それほど大きくないモスク。
しかし、裏側に回ると、結構立派なミナレットが立っていた。

腹が減っていたので「Fire Temple」へ行く途中にある「Baharestan」というレストランに寄ってみる。

歩き方にも紹介されているレストランなので、結構混み合ったレストランだと思っていたら、自分以外客がおらず、しかも店内が暗かったので、かなりの不安を覚える。

注文した料理は、相変わらずの煮込み料理とケバブとご飯。
付け合わせに生の玉ねぎが置かれている場合が多いのだが、現地の人は生の玉ねぎをバリバリ食べるのだろうか?

さてお腹が満たされたので、目的の場所である「アーテッシュキャデ」へ。
そこら辺の人に道を聞いたりするのであれば、「Fire Temple(ファイヤーテンプル)」と言った方が簡単に通じると思う。

Fire Templeまでの道のりにはガイド本には解説の無い時計台や壁画などがあって、ブラブラ歩いて行くとなかなか面白い。

そんなこんなでブラブラ歩いていると、Fire Templeに到着。
大きな施設を想像していたが、結構こじんまりとした施設だった。

この施設はヤズドにあるゾロアスター教の寺院の中でも最も重要とされているらしいので、結構古くて由緒ある感じなのかと思っていたのだが、入ってみると建物も結構新しかった。

建物の正面には「翼のある日輪」で表された善の神「アフラ・マズダ」の像がある。

中央に鎮座する建物の中に入ってみると、キリスト教の教会やモスクの内部みたいな空間を想像していたのだが、実際はそんな感じでは無く、なんだか博物館みたいな雰囲気。

それでも中央付近に人が集まっている場所があったので、自分も行ってみると、ガラス張りの奥に火が炊かれていた。

ゾロアスター教は「拝火教」とも言われている宗教で、火を尊ぶ宗教。
ここに燃えている火は神聖なものなのだ。
まあ、我々にとっては「ただの火ぢゃん!」と思えるものだが、信者にとってはそんな軽いものでは無い。

火が炊かれている他には、教祖か何かの人の絵が飾られていたりする。
ゾロアスター教についての知識が薄いのでごめんなさい。

中央の建物の隣には、小さな博物館的な建物があり、中に入ってみると、ゾロアスター教についての解説や、信者たちの普段の生活などを紹介したパネルなんかが展示されていた。
ゾロアスター教を広く知ってもらいたいという広告なんだと思われる。

そんなこんなで、本日はイスファハーンからヤズドへの移動とゾロアスター教の聖地を訪れただけで終了となってしまった。

帰りにハンバーガーのファーストフード店があったので入ってみる。
メニューにファラフェル(コロッケみたいなもの)のバーガーがあったのでテイクアウトし、ホテルで食べる。
ファラフェルはそこそこ美味しいのだが、パンがイマイチで残念。

さて、旅は6日目に突入。

かなり余談なのだが、今回自分が泊まったイランのホテルは、別に系列でもなんでも無いのだが、どのホテルも朝食は全く同じメニュー。
しかも置かれていたジャムも基本的に皆同じだった。

そんなジャムなのだが、一つだけ「これなんだろ?」というオレンジ色の見たことないジャムがある。
味はかなりの甘さで手につくとかなりベトベトしてしまうようなジャムなのだが、どうやらこれは「にんじんのジャム」らしい。
あまりの甘さに「にんじん感」は全然無いのだが、何気にパクパクと食べてしまう感じなのだ。

まあ、どこのホテルに泊まっても必ずでてくると思うので、是非お試しあれ。

さて、ホテルを出発し、街をブラブラしてみる。
早速、ホテルの近くに「風採り塔(バードギール)」がある建物を発見。
バードギールについては後ほど解説します。

ヤズドの観光ポイントは結構集中しているので、一気に見ていこうと思う。

まず向かったのは「マスジャデジャーメー」

マスジャデ・ジャーメーはヤズドのメイン観光ポイントと言っても過言では無い場所なので、入り口付近には観光客狙いのお土産屋が並ぶ。
ヤズドで、こんな感じにお土産屋が並ぶのはここぐらいだったと思う。
あとは少し離れた場所にあるバザールぐらい。

マスジャデ・ジャーメーの入り口はこんな感じでかなり高いミナレットが鎮座する。
このミナレットはイランで最も高いらしいのだが、他の土地にあるミナレットも同じぐらいの高さのように見えたのは、自分だけだろうか?
まあ、その差は微々たるものなんだと思われる。

礼拝堂の中に入ってみる。

礼拝堂の中は他のモスクと同様に見事な幾何学模様で埋め尽くされていて綺麗。
しかしながら、ギラギラするような派手さは無く、なんとなく落ち着いた感じの印象を受ける。

事前にネットなんかを読んでいたら、観光客がたくさんいる感じではなかったので、静かな感じを想像していた。
しかし、どうやら今は観光シーズン真っ盛りのようで、観光客はいっぱいだった。
特に欧米人の観光客多し。

メッカの方向を示すくぼみ(ミフラーブ)は大きくて立派。
写真に写っている人と見比べてもその大きさがわかると思う。

モスクの造りは他のモスクと同様に中央の中庭的な広場を囲むように建物が建っている構造なのだが、ヤズドのメイン観光ポイントということや、入り口の高いミナレットから想像できるほどの広さは無く「必要最低限の敷地を確保しましたよ」的な広さだった。

中庭の東側には地下にある「ガナート」へ降りる階段があるので降りてみる。

「ガナート」ってなんだろ?と思いながら降りていくと、こんな感じで地下へと降りる長い階段になっていた。
結構な段差と距離で、戻る時なんかはかなり息がきれるほどだった。

んで、たどり着いた場所はこんな感じの小さな空間で中央には水たまりがあった。

「なんだ?これ?」と思っていたのだが、どうやら地下水脈(地下水道)のようだ。
イランは基本的に乾いた土地。
当然だが、水の確保が重要となってくる。
とりわけヤズドなんかは他の土地よりも厳しい環境にある。

そこで、大昔から、現地の人たちは、地下深く、水脈がある場所まで掘り下げ、そこに大規模な水路を作ることで水を確保してきた。
これはそのうちの一つ。

ヤズドには「水博物館」という施設があり、そこらへんの様子が詳しく展示されている。
後で訪れてみることにする。

モスク北側には小さな博物館もあって、かつてモスクに使われていた古いタイルなんかも展示されている。

かつてのモスクの様子なんかを示した写真も展示。

その他には「絵」なんかも並べられていて、何の絵だろう?と近づいてみると「10% off for sale」の表示が…(汗)

展示室に普通に売り物置いてるぢゃん!

さて、マスジャメ・ジャーメーから裏路地みたいなところを歩いて続いて向かうは「アレクサンダーの牢獄」

モスクのすぐ横にある、こんな感じの道から続くのが旧市街。
モスクのすぐ近くには道の両脇に土産物屋が並ぶ。

しかし、モスクからちょっと離れるだけで、すぐにこんな感じの細い路地が続く。
いかにも「乾いた土地の街」という感じがする。

アレクサンダーの牢獄近くには、独特なドーム型の建物と風採り塔がある建物があった。
中に入れなかったので確かではないが、多分これもガナートのような水に関する施設だと思われる。

そんなこんなでアレクサンダーの牢獄に到着。

アレクサンダー大王が建造したと伝えられている牢獄らしいのだが、かなり高い入場料を支払って入ってみたものの、牢獄らしい感じは全然無く、中にあるのはお土産屋ばかり。
個人的にはかなりがっかりの施設だった。

一応、施設内には地下の水施設である「ガナート」へ降りる階段があったので降りてみた。

造りは先ほどのモスクで見た感じと同じで、こちらの方がやや広い。
多分そこそこたくさんの人が同時に水を利用しにやってくるようにできているんぢゃないか?と思われる感じなのだが、現在は水は無い。

アレクサンダーの牢獄のすぐ隣には「十二エマームの霊廟」というスポットもある。

霊廟と言っても実際に遺体が安置されているわけでは無く、「昔、ある人がこの建物の中に十二エマームがいる夢を見た」ことから霊廟になったらしく、個人的には「なんだ?そりゃ? そんなんでいいのか?」と言いたくなるような建物らしい。
とはいえ、ヤズドで現存する最も古い建築物と言われているらしい。

アレクサンダーの牢獄も十二エマームの霊廟も個人的にはかなりがっかりポイントだったのだが、気を取り直して次へ。
向かうは。中心街の方にある「アミール・チャグマークのターキイェ」

迷路のような旧市街をiPhoneのマップアプリで確認しながら歩いていく。

迷路のような旧市街はなかなか面白く、特にガイド本や地図には載っていなくても、こんな感じのモスクらしき建物があったりする。

ターキイェの近くに来ると、ジューススタンド的なお店もたくさんある。
こんな感じのジューススタンドは、イランの街ではそこら中にあるので、気軽に休憩することができる。

イランの人がソフトクリームを食べている姿を結構見かけたので「そんなに美味しいのか?」と、ちょっと興味が湧いたので自分もひとつ食べてみることに…。

んで、肝心のお味の方だが、う〜ん、日本人はあまり好まないかも。
日本人だったら、牛乳感の多い濃厚ソフトとかが人気だが、こちらの方は本当に「ソフトクリームの素で作ったソフトクリーム」感が強く、わざわざこれを食べに来よう!という気にはならない感じのソフトクリーム。
そして、結構甘い。
手に付いたら、手がすんごくベトベトになりそうな感じなのだ。

まあ「暑いから食べる」と言った位置づけだろうか…。

そんなこんなでアミール・チャグマーグのターキイェに到着。
立派な建物の前には噴水を備えた池がある。

そもそも「この施設はなんなのか?」という点についてだが、「歩き方」によれば「寺院やバザールなどの複合施設」とある。
しかし、中に入って見たところ、確かに店は何件かあるが大して多く無く、むしろ交差点を挟んだ北西側のバザールの方が栄えている感じがあるし、モスクもいくつかあるわけではなかった。

とはいえ、中央の建物は立派で、ミナレットも備えていた。

建物前の右側には「ナフル」という謎の籠みたいなものがあって、お祭りの時にはこれに黒い布や鏡を取り付けて、引回すらしいが、ガイドをつけているわけでもないので、詳細は不明。

広場を見回すと、風採り塔(バードギール)を備えた建物も見える。

ネットの事前情報で、この辺に「ズールハーネ」というイラン独特の体操が観れる場所があるらしいので、行ってみた。

まあ、予想はしてたがおもっきし迷う。
「どこだ?」と思いながら歩いていると、ズールハーネの写真らしき横断幕がある場所があった(写真上)。
「ここかな?」と入ろうかどうか?戸惑っていると、たまたまチャリンコで通りかかった子供がここの関係者だったらしく「Please come in」と言ってくれたので入ってみる。

んで、入ってみると写真下のようなズールハーネの会場があって、そこら辺にいたおっさんに聞くと、ズールハーネは17:00からだそうだ。
ちなみに、ここは昔の水施設を改造してできているようで、さらに地下にはかつての水施設らしきものがあった(現在は水は無し)

ということで、ここには後ほど来ようと思う。

さて、ターキイェがある広場から、交差点の反対側の場所には「水博物館」という施設があるので、行ってみる。
どうやら、ヤズドの観光ポイントとしては結構有名なポイントらしく、ヤズドを巡る現地ツアーのパンフレットなんかには必ず書かれているのだ。(「歩き方」には書いてないけど)

水博物館の入り口はこんな感じですごく小さい。
周りはバザールを形成するお店とかなので、それらのお店に埋もれて危うく見逃しそうになるぐらいだ。

さて、中に入ってみると、建物自体はヤズドの伝統的な建物と同じように、中庭を構えた作りになっていて、その中庭には池とかつての水汲みの様子を示した蝋人形の模型なんかが展示されている。

水博物館の展示室はほとんどが地下にある。 展示室と言っても、もともと水施設として地下に掘られた場所がそのまま展示室となっている感じ。

展示されている内容は、これらのトンネルを掘る時に使った道具や、掘っている最中の様子の写真等。 すごく面白いものか?と言われればそれほどではいないのだが、こうやって乾いた土地の地下から水を確保していた様子がわかって、なかなか興味深い展示であったと思う。

水博物館見学し終わったら、続いて向かうは「Imamzadeh Jafarモスク」。

ネットの事前情報で、内部が鏡張りでキラキラのモスクがあるという情報を得ていた。
しかし、それだけではどのモスクかわからなかったのだが、そのネットに出ていたページの写真を、宿のスタッフに見せて「これ、どこのモスクかわかる?」と聞いたら「Imamzadeh Jafarモスクだろう」ということだったので、行ってみることにしたのだ。

水博物館からは北西の方向に15分ぐらい歩いたところにある。

Imamzadeh Jafarモスクの外観はこんな感じ。
「歩き方」とかには載っていないのだが、敷地もそこそこ広く、立派なモスクだった。

異教徒が気軽に入っていいもんだかどうかはわからないのだが、こっそり入る。

すると、中は全面が小さな鏡で埋め尽くされていて、素晴らしい。
中の照明が鏡に反射して、どこもかしこもキラキラなのだ。
流石にこの光景には言葉を失い、モスクの中で端っこの方座り、しばし眺めていた。

これは、この後訪れる「マシャハド」のモスクで聞いたのだが、「どうして、こんな鏡張りにするのか?」という理由は、まず見た目に豪華にする目的があるらしい。
この理由は、自分のようなド素人でも思いつきそうな理由。
んで、もう一つ大事な理由だが、この鏡は壁に大きな一枚の鏡を貼るわけではなく、小さな鏡の破片のようなものを全面に貼っている。
そうなると、鏡には自分の姿が全部映らない。
こうすることによって、気が散ったりすることなく、お祈りに集中できるという目的があるそうだ。

まあ、俺だったら、こんな全面がキラキラだったら、それだけで気が散ってしまいそうだが…。

このキラキラは、実際にお祈りをする霊廟がある部屋(礼拝堂と言っていいのかどうかわからないが)だけではなく、そこに通じる廊下も鏡で埋め尽くされていた。
異教徒が勝手に入っていいものかどうか?はわからないが、このモスクは結構見ごたえがあるので、オススメだ。

さて、続いて向かうは、モスクからさらに北西方向にある「ドウラト・アーバード庭園」。
モスクからは、これまた歩いて15分ぐらい。

庭園までの道のりは住宅街の中を歩くような細い道なのだが、たまにこんな感じでよく整備された公園なんかを見かける。
地面はちゃんと整備され、遊具なんかもちゃんとメンテナンスされてそうな感じ。

イランに来る前には、イランの文化がこんな感じだとは想像もしていなかったので、結構驚き。
意外としっかりしているなぁ〜と思われる風景だ。

ドウラト・アーバード庭園は高い壁に囲まれた庭園で、外観からはここが庭園とは思えない感じ。
しかし、ここは「ペルシア式庭園」ということで、世界遺産にも登録されている場所なのだ。

中に入ると、中央には長〜い池と噴水がある。
イランの「庭園」に池は必須。
それにしても長い池で、端から端まで歩くと数分かかるぐらい。

中央の建物には立派な風採り塔(バードギール)がある。

さて、ここで風採り塔(バードギール)の解説だが、バードギールは煙突のような筒状の構造。
煙突だったら穴は上に空いているが、バードギールは横にいくつもの穴が空いている。

建物の中に入り、バードギールをしたから覗くとこんな感じになっていて、塔の上の方には光が見えるので、下まで繋がっているのがよくわかる。

んで塔の上に空いた穴から風が入ると、下まで風が流れてきて、右図のように風が建物内部に取り込まれて涼しいという構造。
いわゆる天然のクーラーもしくは扇風機といった感じだ。

実は外から見ている限り「こんなもんで風なんか入ってきて、本当に涼しいのか?」と思っていたのだが、実際にここのバードギールの下に来ると、かなり強い風が吹いていて、かなり涼しかった。
昔の人の知恵はすごいなぁ〜と思う。

バードギールを下から覗けるのは結構貴重な体験だと思うが、そのほかにもステンドグラスや芸術的な天井構造なんかも見ものだ。

忘れちゃいけない、ここは「ペルシア式庭園」として世界遺産になっている場所だ。
しかし、庭園としての見ごたえはかなり弱い。

さて、そんなこんなでブラブラ観光をしていたら、そろそろ17:00になってしまう。
ズールハーネが始まってしまう時間なので、ターキイェ近くのズールハーネ会場に急いで向かう(と言っても歩きだけど…)

会場に着くと、昼間訪れた時には想像できないほどの観客で埋め尽くされていた。
どうやら、観光スポットとして定着した会場らしく、ヨーロッパ人のツアー客だと思われる人々であふれかえっていた。

そんなこんなで、だいたい17:00ぐらいになると、ズールハーネが開始される。

そもそもズールハーネとはなんぞや?

ズールハーネとはイスラム圏における伝統的な肉体鍛錬運動のことを言う。
要は音楽に合わせて重いものとかを持ったり振り回したりすることで、ムキムキのマッチョになろう!というようなコンセプトの運動なのだ。

数人の屈強な男たちが集まって、マイク使ってるのにめっちゃ大きな声で歌う人の太鼓と音楽に合わせ(どうやら音楽に合わせてコーランを唱えているらしい)て、ストレッチやら、くるくる回ったり、いかにも重そうなこん棒みたいなのを振り回したりするという運動。
そして、それをただただ見つめる大勢の観光客という、冷静に考えるとかなりシュールな光景なのだ。

実際にズールハーネをやっている男たちは、どうやら会社帰りのサラリーマンみたいな感じで、途中参加のおっさんもいた。
しかし、みんな俺と比べたら「同じ男か?」と思うほど、胸板が厚く、喧嘩を売られたら一目散に逃げるだろうなぁ〜という屈強な男たちばかり。
まあ、彼らが軽々と持ち上げるこん棒なんか、自分は絶対持てないだろうなぁ〜と思う。

まあ、毎晩見るようなショーではないが、イランに来たら一度見て見るのもいんぢゃないか?と思う。

ちなみに、この人はひたすら太鼓を叩き、歌(コーラン?)を歌う人。
彼の太鼓と歌に合わせて運動をする。

ちなみに自分はこの近くに陣取ってしまったため、常に大音量で歌を聞く羽目になってしまった。

ズールハーネ見学を終えたら、ちょうどターキイェのところにあるモスク(Amir-Chakhmaghモスク)を見ていなかったので、ちょっと寄ってみた。

先ほど見た鏡貼りのキラキラモスクとは全く異なり、こちらは超シンプル。
なんの飾りっ気の無いモスクだったのだが、これはこれで落ち着く空間だ。

ズールハーネの会場があるターキイェ付近にあって、水博物館の周りに広がるバザールをちょっと覗いてみる。

ちょうど水博物館の裏手ぐらいにある細い路地に広がるバザールなのだが、夕方になると結構活気が出てくるバザール。
ここのバザールは特に「金」などの装飾品を扱う店舗が多く揃うバザールだった。

さて、ヤズド観光は今日で終わり。
今夜の深夜バスで次の目的地「シーラーズ」に向かうのだが、その前にいろんなジューススタンドで売っていた気持ち悪いツブツブ入りの飲み物が気になっていた。

というわけで、一杯飲んでみる。

見た目の気持ち悪さとは逆に、普通に甘ったるくて美味美味いいジュースだった。
しかし「このつぶつぶは要らないなぁ〜」というのが正直な感想。
多分、現地の人にとってはこのつぶつぶがいいのかもしれないが…。

個人的にはあまりオススメしない飲み物だが、興味がある人は是非どうぞ。

さて、そんなこんなで、およそ一日半ぐらいでヤズドの街を観光してきた。
これは、完全に個人的な意見だが、「旧市街の街並みが好き!」とか言う人ならともかく、正直ヤズドの街には観光ポイントが少なく、厳しい日程の中、無理やり訪れる街でも無いなぁ〜というのが正直なところ。
逆にガイド本に載っていない「Imamzadeh Jafarモスク」の方が個人的には一押しのポイントだったりする。

とはいえ、これは完全に個人的な意見なので、やはり興味のある人は訪れて見ると良いと思うし、過剰な期待はせずに来た方が良いかもしれない。

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