【スロベニア旅行記】Day10 スロベニアの世界遺産「シュコツィアン洞窟」への長い長い道のり

エチオピア→フランス→イタリア→スロベニアを巡る旅。

エチオピアからフランスとイタリアを経て次はスロベニアに。
(フランス・イタリアは初めて行ったのだが、全く面白くなかった上に、ネット上には情報がわんさかあるので、わざわざ自分が書かんでも〜ということで割愛)

さて、今回の旅にわざわざ「スロベニア」という、あまり日本ではメジャーではない国をねじ込んだか?
それはこの国には、ものすごい鍾乳洞があるという噂を聞きつけたからなのだ。
しかも二つも

さて、その鍾乳洞はどんなものなのかっ!

イタリア・ミラノに滞在していた我々は、夜行バスでスロベニアの首都「リュブリャナ」へ。

夜行バスは「FlixBus」というドイツミュンヘンのバス会社で、ヨーロッパ各地に路線を持つバス会社を利用した。
FlixBusはネットでの予約も超簡単。IT化はかなり進んでいる印象で、バスチケットも日本の国際線を乗る時のようにQRコードの表示で乗れちゃう。
しかも乗り遅れても「後のバスの割引チケット」という形でクーポンが発行され、実質便が変えられる状態なのだ。

乗る前には「お〜!すごく良さそうだ」と思ったが、確かにチケットの確保とかはかなり簡単なのだが、現場レベルではかなりサービスは良くない。
本当に「乗るだけ」レベルだなぁ〜というのが正直な感想。

あと、個人的にすごく感じるのは、航空機を利用する人と夜行バスを利用する人では、「ステータスが違うなぁ〜」というのはひしひしと感じる。

さて、そんなこんなで、スロベニアに無事入国。
スロベニアと言うと日本ではちょっとマイナーな国。
しかし、アメリカ大統領であるトランプのファーストレディー「メラニア」さんは、スロベニアの出身。
モデルとしてアメリカに来た。

最近は何故だか日本で「クロアチア」熱が強いので、クロアチアに行くついでにスロベニアに行く人も多いよね。

ミラノを出発したFlixBusは、リュブリャナ駅前に到着する。

一国の首都のメイン駅にも関わらず、大きさはそれほどでもなく、日本のちょっと大きめの都市の駅よりも小さい感じだ。
まあ、コンパクトな方が迷わなくていいんだけどね。

早朝に着いた我々は、本日の宿がホテルではなくアパートメントタイプの宿だったので、チェックイン前に荷物を置くことすらできない。
しかし、事前の情報でリュブリャナの駅にはコインロッカーがあるということだったので、行ってみた。

ちなみにコインロッカーの場所は駅舎を通ってホームに面した側にある。
ヨーロッパの駅は基本的に日本のような改札はないので、ホームにはスルー状態でバンバン入れる。

コインロッカーがむき出しになっているのかと思ったが、ちゃんとしたコインロッカールーム状態になっていてかなり立派。

コインロッカー室はホームの端っこの方にあるのだが、こんな感じで看板も出ているので、周りを見渡せばすぐにわかると思う。

海外でコインロッカーってかなりレアだと思うし、そんなコインロッカーだと「預けて大丈夫か?」と心配になるレベルかと思っていたのだが、予想に反してかなり綺麗でハイテクなロッカーだった。

ロッカーの管理は中央にあるこのマシンで行う。

預ける時は「Deposit luggage」を選択する。

すると、ロッカーのサイズを選択する画面になる。
ロッカーのサイズによってちょっとだけ値段が違う。

我々はバックパック2個だったが「Small」を選択。

すると、我々に振り当てられたロッカーの番号が表示される。

んで、その指定された番号に預けたい荷物を入れる。
Smallでもこの大きさなので、相当大きなスーツケースでなければ、結構入ると思う。

荷物を入れたら扉を閉める。

荷物を入れたら先ほどの操作機に戻ってお金を入れる。
お金を入れると先ほどのロッカーはロックされ、操作機からレシートが出てくる。

このレシートは単に領収書としてのレシートだけでなく、荷物をピックアップする際に必要となるQRコードが印字されているので、荷物を取り出すまで大切に保管しておこう。

荷物を取り出す時は、このQRコードを先ほどの操作盤に読ませると、荷物を入れたロッカーが自動的に解錠される仕組み。
超ハイテクだ。

さて、我々はここから「シュコツィアン洞窟」へ向かうつもり。
シュコツィアン洞窟はリュブリャナから離れた所にあるので、ここからは電車で移動する。
シュコツィアン洞窟への最寄り駅は「ディヴァーチャ」という駅。

我々は有人のチケット売り場に行き、一番早い電車のチケットを売ってもらった。

ロッカーに荷物を預けたり、トイレに行ったりしていたら、ダッシュしないと電車に乗れない状態になってしまい、早朝のリュブリャナ駅で何故か2人してダッシュする羽目に。

ディヴァーチャ駅まで行く電車はたった2両という、日本の超田舎の電車みたいな構成だった。

というわけで、電車でディヴァーチャ駅へ。時間にして2〜3時間といったところ。

途中には、明日行こうと思っている「ポストイナ洞窟」があるポストイナの街も通る。
ディヴァーチャの街はスロベニアの端の方の街で、もうちょっと行けばイタリアという場所にある。

そんなこんなでディヴァーチャ駅に到着。

駅の周りには何も無く、日本で言ったら超田舎の駅って感じ。

ここからシュコツィアン洞窟までは少し離れた場所にある。

事前情報ではここからの移動はバスとかタクシーとか徒歩という感じだったので「当然バスでしょ〜」と思っていた。

んで、駅を出た所にバス停らしきものがあったので、時間を調べてみたらバスが来るまでに3時間以上ある。

・・・(汗)

どういうこと? シュコツィアン洞窟は客が自由に見学できず、必ずツアー形式でしか回れない。
そのツアーの時間も1日に3回ぐらいとめちゃくちゃ少ないのだが、このバスの時刻表で最初のバスに乗ったとしても、最初のツアーには絶対に間に合わない時間なのだ。

シュコツィアン洞窟のツアー時間はシーズンオフでは10:00、13:00、休日のみ15:00もやっている。
オンシーズンだったら10:00から1時間ごとにやっている。

しかし、先ほどのバス停の時刻表を見ると、一番最初のバスは11:15。
んで、2つ目は15:00なのだ。
最初の11:15のバスに乗ったとしても、2回目のツアー(13:00〜)しか参加できないし、15:00のバスに乗っても、平日のツアーはすでに終了している。

駅から洞窟をつなぐバスの時間設定はどうしてこんな感じになったのか?全く不明
結論として、オフシーズンだと駅から洞窟までの交通手段で「バス」というのはかなり難しいかもしれない。(行くならオンシーズン)

普通、こういう状況だったら「じゃあ、仕方ないからタクシーにするか〜」となるところだが、先ほども書いたように、駅の周りには何も無く、タクシーすら止まっていない状況だった(まだ朝早い時間だったからかもしれない)。

しかも、駅員とかが全くいない駅だったので「タクシー読んで〜!」と言える人もおらず。

まじかよ〜!どうする〜!?と思って、看板をよく見ると、駅から洞窟までバスで7分。
チャリンコで20分。歩きで45分となっている。

バスはダメ。タクシーもいない。チャリンコなんか当然持っていないとなると、結局歩くしかないぢゃん! ということでしぶしぶ歩くことに。

しかも、本日は天気があまり良くなくて、今にも雨が降りそう。
リュブリャナの駅で焦っていた為、傘はバックパックに入れたままコインロッカーに入れてしまった。
45分歩いているうちに雨が降ったら「ジ・エンド」だ。

ということで、しぶしぶ歩き出すことに。

洞窟までは舗装された車が通る道もあるが、歩いて行くなら、別の道もありそうで、そちらの方が若干距離的に短そうだったので、そちらを歩く。

一応、歩いて行く手段は当たり前のように想定されているみたいで、道路の分かれ道とかに、こんな感じの標識がある。

これに従って行けば迷わないし、一応ちゃんと洞窟までは行けそうだ。

しかしながら、この歩道は「歩道」っていうより「けものみち」と言った方が正しいんぢゃないか?というぐらい「まじかよっ!」て感じの山道。

元旦の早朝にこんなところを歩いている他の人もおらず、「本当に洞窟に着くのか?ここで遭難したら最悪だぞ」とかなり不安になる。

途中には一応展望台らしき場所も設置されている。
その展望台からは滝と滝壺が見えるのだが、いかんせん本日は今にも雨が降りそうな天気である為、こんな山の中ではガスガスで、滝もかすかに見えるぐらい。

後からわかったのだが、シュコツィアン洞窟の中には大量の水が流れている。
その水はこの滝の水が洞窟内を流れているのだ。

ということで、洞窟の事務所に到着。

この管理事務所には、大きくはないがとりあえずレストランやカフェなども併設されている。

さて、本日は元旦。
今まで、元旦にいろいろな場所で「休館日」で悔しい思いをしたことが何度もあった。

そんな経験から、今回は日本にいる時にメールで開館しているかどうか?を確認した。
正直、回答すら返ってこないことを想定していて、返ってきても塩対応なんだと思っていたら、かなり丁寧な回答で「やってますよ〜!」という回答が。
しかも、ツアーの開催時間とかの情報までちゃんと書かれていた。

行く前から印象がいいぞ。スロベニア。

チケットを買う時に「◯○時からツアーが始まるから、そこら辺で待ってて」的な事を言われる。

時間になると、女性のガイドさんに全員で10人ぐらいのメンバーがとことことついて行く形となった。
とりあえず洞窟の入り口まで、こんな感じの山道を5分ぐらい歩く。

5分ぐらいあるくと、こんな感じの洞窟の入り口に到着。

ここから、洞窟内に入る。
基本的に洞窟内の写真撮影は禁止。

「え〜!写真ぐらい撮らせてくれたっていいぢゃ〜ん!」と思っていたのだが、どうやら、写真自体は問題ないのだが、問題なのが「フラッシュ」らしい。

というのも、洞窟内は基本的に真っ暗な世界。
光が無いので、植物(特に「藻」)が育たない。
しかしながら、観光客がわんさか入って、バシバシフラッシュを炊くと、その光で藻が成長してしまうのだそうだ。
だから、写真撮影は禁止ということ。

実際にツアーに参加してみると、光には結構気を使っているようで、洞窟内の照明も、我々が通過した後は消していた。

さて、この先何枚か洞窟内の写真が出てきますが、これはツアーの最後尾でガイドにバレないようにこっそり撮ったもの。本当はこんなことしちゃダメですよ。

シュコツィアン洞窟は世界遺産にもなっている洞窟で、なかはかなり広い。

どんどん進んで行くと、こんな感じで素晴らしい鍾乳石が次々と現れる。

鍾乳石は地中と通った水が地中にある石灰成分を含みながら沁み落ち、長い長い年月をかけてその石灰成分が固まって出来たものだ。
数センチ成長するだけでも何百年もかかったりするそうだ。

さらに進んで行くと、水の音が聞こえて来る。

不思議なことに洞窟内には大量の水が流れていて、かなり深い渓谷のようになっている。

ここに来るまで駅から歩いてきたと書いたが、その途中で見た滝の水がここを流れている。
そして、大量の水なので、地面を削ってこんな感じの渓谷のようになっているのだ。

ちなみに水の量は年間を通して一定ではなく、やはり雪解けの時期などは水量が増えるとのこと。

あまりにも高い渓谷状になっていて、そこにかけられる橋は、地上にあったら「名所」になるほどの高さなんぢゃないか?と思う。
ツアーではこの橋も渡る。
ただ、洞窟内ということもあって、あまり高さを感じないのが不思議。

滴り落ちる水で形成される鍾乳石がほとんどだが、こんな感じで流れ落ちる水と溜まる水によってできる、トルコのパムッカレみたいな棚田状の鍾乳石もある。

鍾乳洞のツアーは全体的に下って行くような経路で見る。
なので、鍾乳洞から出ると、不思議な構造のエレベータで上まで登ってツアーは終了。

帰りは鍾乳洞の事務所からちょうど良い時間にディヴァーチャ行きのバスがあって、駅までバスで戻る。

ところがどっこい、ディヴァーチャ駅からリュブリャナに戻る電車が全然無くて、結局ディヴァーチャ駅で3時間以上待つことに。

そんなこんなで、朝5時台から行動してるのに、リュブリャナに戻ったのは夜の6時過ぎとなってしまった。

リュブリャナの駅のコインロッカーに置いてあったバックパックをピックアップして、とりあえず確保してあったアパートメントタイプの宿にチェックイン。

とりあえず夕飯も食べていなかったので、夕飯を食べに行くことに。
向かったお店は「Marley & Me」というお店。
「歩きかた」にも載っているお店だ。

本日は元旦でやっているお店が少ないからか?このお店は結構混んでいた。
我々は行った時間が良かったのか、座ることができたが、その後次々と客がきていたにも関わらず、お店は大きく無いので、席がなく、店員は何の躊躇もなく次々と入店を断っていた。

料理の方は普通に美味い。

個人的に大ヒットなスイーツがこの「ブレイスカ・クレムナ・レズィーナ」という、スロベニアのご当地スイーツ。

一応、立方体の形にはなっているが、ほとんどが超柔らかいクリームなので、上のパイ生地すらまともに切れないほどの柔らかさ。
通常だったら「スポンジだろ」と思われる場所は全てクリームなのだ。

自分のようなクリーム好きにはたまらない一品だ。
このお味を知ってしまった自分は、スロベニア旅行中、ことあるごとに「あのケーキが食べたい」と言っており、その度に妻に「ダメ!」と禁止されていた。

食事を終えた我々は疲れていたけど、ちょっとリュブリャナの街をぶらぶらする。

有名な観光ポイントである三本橋付近はイルミネーションがされていて綺麗だった。

そして、元旦だからなのか、特設ステージみたいのが設置されていて、ライブらしきイベントも行われていた。

とは言え、我々は昨日の夜、イタリアミラノから夜行バスでリュブリャナinして、丸一日かけてシュコツィアン洞窟を見学してきたので、お疲れモード全開。

なので、本日はもうちょっとリュブリャナの夜を楽しみたかったのだが、宿でゆっくり寝ることに。

さて、明日は、スロベニアにあるもう一つの有名な鍾乳洞「ポストイナ」に行ってみますよ。
ポストイナはシュコツィアンのような世界遺産ではないので、期待薄だったのだが、実際に行ってみると…。

乞うご期待!

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