【スロベニア旅行記】Day11 世界遺産よりもこっちの方がすごいぢゃん!ポストイナの洞窟と崖の壁に建つ城

エチオピア・フランス・イタリア・スロベニアをまわる旅はスロベニアの2日目に突入。

スロベニアに到着して早速「シュコツィアン洞窟」を見学。
世界遺産の洞窟だけあって、圧巻の鍾乳洞だった。

そして、スロベニア2日目の今日は、スロベニアで有名なもう一つの鍾乳洞「ポストイナ」に行く。
シュコツィアンは世界遺産だが、ポストイナは世界遺産ではない。
となるとポストイナはあまり期待できないかもしれないと思っていた。

しかし、実際行ってみると…

さて、ポストイナはどれほどのものなのかっ!

ポストイナ鍾乳洞は、昨日行ったシュコツィアン洞窟への途中にある。
「だったら、シュコツィアンに行くついでにポストイナに行けばいいんぢゃない?」という考えもあるが、電車の時間が恐ろしく悪かったりする事を考えると、レンタカーを借りないと難しいのでは?と思う。

そんなポストイナだが、電車でも行けるようだが、バスでも行けるようで、むしろバスの方が便が良いらしい。
ということで、ポストイナはバスで行くことに。

ポストイナへ行くバスは、鉄道駅の前にバスターミナル(ターミナルと言っても、立派なものではなく、チケット売り場とバス停が幾つがあるぐらいだけど…)があるので、そこから乗れば良い。

我々は朝早い時間にバスターミナルに行くと、チケット売り場は一つしか開いてなかったので、そこで「ポストイナへのチケットを売ってくれ」と言った。
チケットを渡される時に「○◯番からバスが出るから」と言われたが、別に何台もぎっしりバスが停まっているような感じでも無いので、すぐにどのバスか?はわかる。

ということで、バスはリュブリャナの駅前からこんな感じの経路をたどって行く。
行程のほとんどは高速道路なので、わりと快適な道のり。
時間にして1時間半か2時間ぐらいだったと思う。

実はリュブリャナの観光案内所で「ポストイナ行きのバスの時間」を聞いてみた。
その時間に合わせてリュブリャナのバスターミナルに行ったのだ、それよりもかなり早い時間のバスだった。
正直「あれ?◯◯時のバスぢゃないの?」と思っていたのだが、乗る時に運転手に「ポストイナに行く?」と聞いたら「行く」と言うので何の疑いもなく乗った。

我々は、ポストイナ鍾乳洞の所までバスは行くと思っていたが、そこまでは行かず「ポストイナの街のバスターミナル」みたいなところで降ろされた。

これは想像の範囲の話だが、昨晩観光案内所で教えてもらったバスは、ポストイナ鍾乳洞まで行くバスで、我々がチケットを買ったバスは、どうやらそれとは違うバスなんだと思う。
直接洞窟まで行くバスのチケットを買いたかったら、観光案内所で時刻表をもらったり、バスの番号を教えてもらった方が良いかもしれない。

さらに余談は進むが、スロベニアは全体的に観光客に対して「ウェルカム」な感じが強い気がする。

というのも、普通だったら観光案内所って、毎度毎度同じ事を聞かれるからか?塩対応な場合が多い(特に我々のようなアジア人が客の場合)だが、スロベニアの観光案内所はそんな感じはなかった。
日本でシュコツィアンやポストイナに年末年始の営業時間をメールで問い合わせた時の返信も、かなり丁寧な感じがあった。

そんなこんなで、ポストイナ鍾乳洞から少し離れた場所でバスを降ろされた我々は、仕方なしにそこから歩いて鍾乳洞まで行くことに。

とは言え、別にすごい遠いわけではなく、歩いて15〜20分といったところ。

季節は冬なので、雪が積もっているが、ポストイナの街はのどかで良いとこ。

というわけでポストイナ鍾乳洞に到着。

この看板からして、なんか金かかってね?

ポストイナの見学もツアー形式となる。
チケットを買うと、ツアーの開始時間を教えてもらうので、その時間まで管理事務所で待つ。

ポストイナはシュコツィアンとは違って、ホテルが併設されていたり、広いお土産ショップがあったり、そこそこ大きなレストランがあったりして、規模はだいぶ違う。

管理事務所の建物内にあるカフェでケーキを食べながら(朝なのに)待つ。
スロベニアはケーキが美味くて好きだ。
どこぞの自ら「大国」と言ってる、食べ物がただただ不味い国とは大きく違う。

ツアーに参加する人は、言語によって分けられる。
大きく分けて、英語・イタリア語・ドイツ語・ロシア語ぐらいだったかな。
もちろん日本語なんかは無い。

人数的に英語のツアー参加者が一番多いのか?と勝手に想像していたのだが、スロベニアはイタリアの隣の国ということもあって、イタリア語ツアーの参加者が圧倒的に多かった。

ツアーは管理事務所がある場所からトロッコで、ツアー開始ポイントまで移動となる。

シュコツィアンのツアーは参加者がせいぜい十数人といったところだったのだが、ポストイナは規模が全く異なり、英語ツアーだけでも100人近くいるんぢゃないか?と思えるほどの人数。

トロッコは洞窟内を疾走する。

日本だったら、乗客の安全を考えて、結構ゆっくりだと思われるが、こちらは客の安全などお構いなしなのか?猛スピードだった。
ちょっとしたジェットコースター。

トロッコを降りた所からガイド付きのツアーが始まる。
ガイドの英語はそれほど複雑ではないので、英語のできない自分のような人でも頑張って聞いたら、そこそこ聞き取れるレベル。

昨日行ったシュコツィアン洞窟は世界遺産で、こちらのポストイナは世界遺産ではない。
となると、「世界遺産のシュコツィアン鍾乳洞の方がポストイナよりも壮大なんだろう」と考えるのが普通だと思う。

しかしながら、実際のところ、その壮大さで言ったら、ポストイナ洞窟はシュコツィアンをはるかに凌ぐ広さで鍾乳石もたくさんある。
我々はシュコツィアン→ポストイナの順番で行くことになったが、この順番が逆だったら、シュコツィアンで「ショボっ!」って思わず言ってしまったかもしれないと言うぐらいの差だ。

シュコツィアンの洞窟は写真撮影禁止だったが、ポストイナでは写真撮影は可能。
ただし、フラッシュは禁止だったかな。
とはいえ、ライトはずっと点いている感じだったので、ところどころ「藻」が成長している感じの場所もあった。

洞窟内の鍾乳洞ではいくつか立派な物ではいろいろな名前が付けられているものもあり、ガイドがそれを説明してくれる。
やはりこれだけの鍾乳石が成長するのには想像を絶する時間がかかっているそうで、自然の作り出す彫刻に感動する。

ツアーの時間は1時間ぐらいだったかな。
最終地点に到着したら、またトロッコで戻るスタイル。

年末年始ってこともあるのか?ツアーの最終地点には大きなツリーが飾ってあった。

スロベニアにはシュコツィアンやポストイナの鍾乳洞の他に、ブレット湖とかの観光ポイントもある。
時間をかけて全てを回るだけの余裕があれば良いのだが、時間がなければ我々のように鍾乳洞だけ見るってことも十分あると思う。
しかも、シュコツィアンとポストイナの両方を見ている時間もない って人もいると思う。

そんな場合は個人的には絶対にポストイナをオススメする。
鍾乳洞としてのスケールは比べ物にならないほどだし、施設や交通手段も充実している。
あと、首都のリュブリャナからも近いというのもプラスポイント。

ただし、観光客はすごく多いので、ゆっくり見たい人はシュコツィアンの方が良いかもね。

ポストイナ洞窟からさらに山奥に行った所に「プレジャマ城」という崖の中腹に建つ城があるという。

「行ってみたい!」と思うのだが、オンシーズンではポストイナからバスが出ているらしいのだが、オフシーズンではバスは運行しておらず、交通手段としてはタクシーか徒歩。
ただし、徒歩と言っても片道10kmぐらいあるので、結構な覚悟をしていかないと厳しい距離だ。

「タクシー代高そうだなぁ〜」と思っていて、行くかどうか?かなり迷っていた。
しかもタクシーはたくさんいるのか?と思っていたら、ほとんどタクシーが見当たらない状態。
「こりゃ売り手市場状態で、ぼったくられそうだなぁ〜」と思っていた。

とりあえず、ポストイナのチケット売り場でプレジャマ城への行き方を聞いてみたところ、やはり今の時期はタクシーしか無いらしい。
ただ、タクシー代はどのぐらい必要か?と聞いてみたら、それは事前情報通りの値段だった。
(正確な金額は忘れてしまったけど)

だったら行ってみようか?と思ってタクシーを探す。
運良くポストイナの入り口にタクシーが一台停まっていた。
んでプレジャマ城への往復の値段を聞いてみたところ、ぼったくられるかと思ったら、ポストイナのチケット売り場で教えてもらった価格通り。
「ラッキー!」ということで、迷わずプレジャマ城へ行くことに。

ポストイナ洞窟とプレジャマ城の位置関係はこんな感じ。
ポストイナの市街からどんどん離れて行く感じだ。

タクシーに乗る前には、タクシー代がもったいないからという理由で歩くことも考えていた。
「10kmぐらい楽勝っしょ!」と思っていたが、実際にタクシーに乗ると「こりゃ歩けないなぁ〜」というのが正直な感想。
個人的に、お金がもったいないからという理由でポストイナからプレジャマ城まで歩くのは、絶対にオススメしませんっ!

タクシーの運ちゃんには、プレジャマ城に着くと「○時間後に迎えに来て!」と言って別れる。
「ちゃんと迎えに来てくれるか?」と心配になったが、ちゃんと来てくれていた。

プレジャマ城はこんな感じで岩の中腹にへばりついて建つ城。

近くに寄ると、どれだけ岩にへばりついているか?が良く分かる。

この城はまさしく「城」としての目的で作られたもので、かつての城主はここで戦った。
ここに攻めてくる敵も、こんな場所に建てられているので容易には攻撃できない。
そこで、日本の戦国時代にもよく行われていた「兵糧攻め」で対抗したが、待てど暮らせどこの城は落ちない。

実はこの城、正確には「洞窟を利用して」建てられていた、建物の裏手にある洞窟にある秘密のトンネルを抜ければ、反対側の地上に出ることができるらしく、そこから水や食料を調達していたので、兵糧攻めは全く効果がなかったらしい。

入場料金を払えば中を見ることができる。

中に入ってみると、建物は本当に天然の岩盤に人工のコンクリをくっつけて建てられている構造だということが良く分かる。
良くこんなとこに建てたなーと感心する。

日本の城って、基本的に城主が住むための物ではなく、いざという時の建物だったのだが、こちらの城は本当に城主とその家族が住んでいたそうだ。

建物内の部屋にはどのように生活していたのか?を示す展示がされていて、生活感が溢れる場所もあるが、戦いに備えた武器の保管場所等、城としての機能が見られる展示もあって面白い。

食料や水を調達しにいっていたトンネルがあるとされる裏手の洞窟

実際にそのトンネルを見ることはできないのだが、洞窟の途中までは行くことができる。
まあ、単なる洞窟なんだけどね。

プレジャマ城は、ポストイナの鍾乳洞からタクシーで行かなくてはならない場所(オフシーズンは)で、お金もかかるので、行くのにかなりためらったが、実際に来てみるとこんな場所に建てられた建物を見るのはなかなか貴重だし、実際に中に入って見ることもできることを考えると、正直「来てよかった」と思える場所だった。

もし、ポストイナに行く予定があって、プレジャマ城まで行くかどうか?を悩んでいる人がいたら、是非行ってもらいたい。

プレジャマ城に満足した我々は、待ってもらっていたタクシーに再び乗ってポストイナの洞窟に戻る。

朝ごはん、昼ごはんを食べていなくてかなりお腹が空いていたので、ビジターセンターにある食堂でカツレツを食べる。

ポストイナの洞窟からリュブリャナに戻るバスは、ポストイナの駐車場にあるバス停から乗れるようだった。

しかし、我々が帰ろうとした時間にはちょうど良いバスが無く、リュブリャナから来たバスを降りたバスターミナルに行けば違うバスがあるかも…と思って、バスターミナルからバスに乗った。

しかしながら、このバスは一旦ポストイナ駐車場にある先ほどのバス停に寄ってからリュブリャナに行くバスで、わざわざバスターミナルまで歩いたのが完全に無駄足になったとうオチ。

リュブリャナに戻る時は、ポストイナの駐車場にあるバス停で素直に待った方が良い。

リュブリャナに戻った我々は、コンドミニアム形式の宿だったこともあり、宿に帰る途中にスーパーに寄って、適当な食材を買い自炊することに。
あまり美味そうには見えないが、ラビオリを作って腹一杯になった。

スロベニアの有名な2つの鍾乳洞「シュコツィアン」と「ポストイナ」に行ってみて思ったのは、シュコツィアンは世界遺産で、鍾乳洞を大事にそのまま保存しつつ、観光客にも見せている感じがした。
一方、ポストイナの方は、シュコツィアンよりも壮大な鍾乳洞ながら、世界遺産ではない。
ただ、その壮大さを活かして、完全に観光客向けのエンターテイメントの場所として確立している感じはあった。

シュコツィアンは「正統派」、ポストイナは「現代風」と言ったところか?
単純に鍾乳洞を「うわぁ〜!」とか言いながら楽しみたいのであれば、確実にポストイナをオススメする。
シュコツィアンは「時間があれば」と行ってみるのもいいだろうという感じ。

さて、明日は首都とは思えないほど小さい町「リュブリャナ」をぶらぶら散歩してみますよ!

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