【コーカサス旅行記】Day1 アゼルバイジャンビザ代無料は日本人だけ?

イランのド観光地「イスファハーン」には「アルメニア人地区」という、歴史的にアルメニア人が多く住む地区がある。

この地区には「ヴァーンク教会」という教会があって、イスファハーンの主要観光ポイントの一つになっていて、観光客が多く訪れる場所があるのだが、そこでは、教会の紹介よりも「アルメニア人」についての紹介に力を入れている感が強かった。

その時は正直「アルメニア」という国について全く知識を持っておらず、アルメニア人の気質や、大虐殺を受けた歴史的過去なんかを帰国後に知って、かなり興味が湧いた。

ちょうど同じ時に「世界の果てまで行ってQ!」という番組で、イモトアヤコが「アゼルバイジャン」という国について紹介しており、そこで「すごくいい!」と言っていた。

「アゼルバイジャン」って聞いたことはあるけど、どこにあるんだろ?と思って調べてみたら、なんとアルメニアの隣ぢゃないですかっ!

だったら行ってみよう!と思い立って旅立った今回の旅。
アルメニア・アゼルバイジャン、そして以前にも行ったことがる「ジョージア」という国のあたりは「コーカサス」と呼ばれる地域らしい。

正直、ヨーロッパなのか?西アジアなのか?中東なのか?その分類がよくわからない場所だし、そもそも、ここら辺の地域への知識が少ない。
さて、このコーカサスはどんなところなのかっ!

今回コーカサス地方に行くには、日本からカタール経由で行くという手段をとった。
地図にするとこんな感じですな。
カタールからは割と近い。

カタールを経由している段階で「カタール航空使ったのね」というのはすぐわかると思うが、カタールからアゼルバイジャンの首都「バクー」への便もカタール航空。
帰りはアルメニアからカタール経由で帰ったので、全てカタール航空での移動。

乗り継ぎ時間が2時間ぐらいだったので若干の不安を持ちつつも「まっ、同じ航空会社だから、なんとかなるかぁ〜」と軽い気持ちでいたのだが、すでに日本出発が30分以上のディレイ。

「2時間の乗り継ぎ時間で出発が30分以上遅れたら、やばいぢゃん!」とも思っていたが「まっ、飛行機って意外と時間巻いてくれたりするから大丈夫っしょ〜!」と軽く考えていた。

ところがどっこい、我々が乗った日本からの便は巻くことは全くせずむしろ遅れて、結局予定より1時間半ぐらい遅れて到着。

「2時間の乗り継ぎ時間で1時間半遅れたら、絶望的ぢゃん!」と、ほぼ諦め気味に飛行機を降りたら、ちゃんと係員が待っていて、優先搭乗的に乗り継ぎ便に間に合うという奇跡。
完全に「カタールで一泊だね」と思っていたので、ちょっとラッキーだった。

そんなこんなで、カタールからアゼルバイジャンの首都「バクー」へ。
この便はその先のジョージアの首都「トビリシ」行きの便で、その途中降機という形だった。
そういや「途中降機」って初めてかも…。

そもそも「コーカサスってどこよ?」と思っている人も多いと思う。
なんせ、自分も他の人の旅行記とか読んでいる時に「それ、どこ?」と思っていたので。

コーカサス地方(正確には「南コーカサス地方」だが)は、こんな位置関係にある。

北はロシア、南はトルコ・イランに囲まれた場所だ。
いずれも大国に囲まれたこの地方は、長い長い歴史の中で、幾度もこの大国の覇権争いに巻き込まれて来たってのは、歴史の教科書を開かなくともなんとなくわかると思う。

今回、本当は「アゼルバイジャン」と「アルメニア」だけ行くつもりだった。
んで、アゼルバイジャンからアルメニアに飛ぶ飛行機を検索しても、ジョージアや他の場所を経由する便ばかり。
「えっ?なんで直行便ないの?」と思っていたら、どうやらアルメニアとアゼルバイジャンは仲が悪く、現在でも領土問題でもめている国同士なのだ。
他国と陸続きで接していない日本ですら、近隣諸国と領土問題で揉めるぐらいなので、陸続きになっていたらもっと揉めやすいのは容易に想像できる。
世界のどこでも基本的にお隣の国とは仲が悪い。

となると、アゼルバイジャンとアルメニアとの間を行き来するには第三国を経由しなければならない。
最も一般的な方法は隣国「ジョージア」を経由する方法。
ジョージアはアルメニアとアゼルバイジャン双方と仲が良い。
したがって今回の旅は、まずアゼルバイジャンに入国、ここからジョージアに移動、そしてジョージアからアルメニアに移動する行程を行く。

アゼルバイジャン→ジョージア→アルメニアという順番にしたが、これがアルメニア→ジョージア→アゼルバイジャンという順番だとちょっと厄介だ。

というのも、アゼルバイジャンとアルメニアは仲が悪いことは先に述べたが、パスポートにアゼルバイジャンのスタンプがある状態でアルメニアに行くことは、それほど問題にならないらしい。
ところが逆にアルメニアのスタンプがある状態でアゼルバイジャンに入国しようとすると、入国審査で若干面倒くさいことになるらしいので、今回は先にアゼルバイジャンに入国した。

さらに、話を脱線させると、文化的にアゼルバイジャンはトルコとつながりが深い傾向にある。
一方アルメニアはイランとの繋がりが深い傾向にあるのは、過去の歴史の中で「アルメニア人大虐殺」とかがあったことを考えると、容易に理解できる。

アゼルバイジャンの入国にはビザが必要(2018年5月現在)。

といって、アライバルビザで良いので助かる。
最近ではビザを緩和する国が増えてきているので、アゼルバイジャンもそのうちビザなしで一定期間なら旅行できるようになるんだろうなぁ〜と思う。

ビザ申請には一応申請書がある。
残念ながら飛行機の中では配られないので、到着後ビザカウンターにある申請書に書く。

申請書といっても、記述には難しいことは全くなく、名前やパスポート番号、生まれた場所や住所、入国の目的といった、ごくごく当たり前の内容ばかり

ビザ申請書の記述台はこんな感じ。

設備は整っているのだが、ごった返すので、場合によっては記述するのに苦労するかも。

ビザ申請カウンターにビザの申請料が掲示してあった。

日本人はラッキーなことに、ビザ申請料は無料。
しかも無料なのは日本人のみ。
他の国は通常2~30US$程度の申請料が必要。

ビザは混雑していなければわりと早く発行され、入国審査もスムーズ。

形式上のビザ申請と入国審査を抜けて、ターンテーブルのところでATMを探したら、端っこの方にぽつ〜んとあるだけで若干不安になる。

とはいえ、制限エリアを抜けると、両替所やATMはちゃんとあったので、心配は無用だ。

無事に入国を果たし、現地通貨を買ったら、次に現地SIMを購入する。

現地SIMの購入も簡単で、制限エリアから出たところに「i」の文字があるインフォメーションがある。
その隣に暇そうな女性が何人かいるブースがあるので、そこでSIMカードが買える。

値段は忘れてしまったが、びっくりするほど高いわけでもないが、びっくりするほど安い値段でもなかった。
まあ、数日滞在するにはちょうどいいかぁ〜という程度のお値段。

設定もすべて暇そうな女性がやってくれるので、何の心配もいらない。
通信速度も特にストレスを感じるようなことは無く快適。

首都バクーでは、Google Mapの経路検索で、ローカルなバスの経路が基本的に網羅されている。
バクーには一応地下鉄もあるがちょっと貧弱なので、あちこちに行きたい場合はローカルバスが便利。
なので、現地でのインターネット環境があるとかなり便利ですぞ。

バクーの空港は市街からちょっと離れた場所にあるので、バスで中心街への移動となる。

空港からのバスは「バクーカード」と呼ばれる地下鉄やバスに乗れるSuicaのようなカードで乗るしかない(多分現金乗りは無理だと思う)。
というわけで、そのバクーカードを買う。

バクーカードは何故か空港ターミナルの自動ドアを出てすぐのところに自販機があるのでそこで買う。

正直「こんなもん簡単に買えるだろう」と思っていたが、思いの外苦戦した。

まず注意点はこの自販機はお釣りを出す機能が無いので、少額の現金を用意しなければならない。
まあ、海外の空港でのあるあるネタになってしまうが、到着してすぐの「少額の現金」というのはなかなか難しい。
特に両替の窓口ではなく、ATMで現金を下ろす人にはかなり厳しい。

バクーの空港で少額の現金をゲットするには、先ほどSIMを買った場所でなんとかするか、それでダメなら、両替の窓口で少額の現金に崩してくれるらしいので利用してみてくだされ。

バクーカードは、まず「カードを買う」という作業と、「チャージする」という作業が必要。
正直一人でいっぱいいっぱいだったので、写真も撮れずで、どんな感じで操作したのか?についてあまり覚えておらず、詳しい解説ができないのでご了承ください。

ただ、自分の場合、この自販機の前で困った顔をしていたら、ターミナル出入り口の自動ドアの前に建っていたセキュリティーの兄ちゃんと、そこら辺にいたおっちゃんが助けてくれた。
アゼルバイジャン人の気質はよくわからず、恐い人かと思っていたら、案外優しい人ばかりだったので、買い方に困ったら遠慮なく尋ねてみたら良いと思う。

バクーカードはバスを乗る時に使えるということは、事前情報で知っていた。
バクー市内の移動は主にバスのつもりだったので「だったら、ガンガンチャージしとこう!」と思って、そこそこチャージしてしまった。

しかしながら、ここには落とし穴があって、バクー市内を走るバスで、このバクーカードが使えるバスは新しいバスのみ。
んで、実際に走るバスは、まだまだボロボロのバスがほとんどで、そういったバスは現金払いが基本なのだ。
というわけで、結構な確率でこのバクーカードが使えないので、あまりたくさんチャージするのは避けた方が良いかもしれない。

バクーの空港はさすがに油で潤っている国だけあって、立派な建物。
全面ガラス貼りなんて、お金を持っている国がやりそうなことだ。

市街まで行くバスは、こんな感じの立派なバス。運行時間は昼間だったらおよそ30分ごと。
夜は40分ごとで、深夜になると1時間ごととなる。
だいたい市街まで30分ぐらいなので、昼間はこのバス2台でぐるぐると周り、深夜は1台になるんだろうと勝手に想像。
まあ、24時間運行というのがありがたい。

というわけで市街まで移動。

空港と市街の位置関係はこんな感じで、所要時間は2〜30分といったところ。
ほとんどの行程は高速道路を走るうえに、途中の停車場も無いので快適だ。

空港からのバスはバクー中央駅前が終点。
終点と言ってもそこしか停まらないケド。

駅周辺はさすがに人通りがかなり多い。
そんな駅前にはお金を払って使う公衆トイレがあったのだが、あまりにも人が多いのに、このトイレ誰が使うんだろ?って感じだった。

せっかく空港からのバスについて述べたので、話は脱線するが、逆に空港行きのバスについても少し。

市街から逆に空港に行く場合は、やはりバクー中央駅付近から乗れば良いのだが、駅前はたくさんのバスが停まっていて「空港行きバスはどこから出るの?」と、ちょっと迷ってしまう。

空港行きのバスは駅前の道路を渡って、カーブの手前ぐらいのところから出る。
地図で言ったらこんな場所だ。
この辺は他の場所に行くローカルバスのバス停もあるので、空港行きのバスかどうか?はちゃんと確認してから乗った方が良い。
バスには「Airport Express」の文字が書いてあるし、バスの路線番号は「H1」だ。

バクー中央駅に来たら、確保していたホテルにバックパックを置きつつ、徒歩で「ヘイダル アリエフ・センター」に向かってみた。

正直、地図では割と近いんぢゃないか?と甘くみていたのだが、実際に歩いたら結構遠かった。

ヘイダル アリエフ・センターはイベントができるホールや公園なんかを備えた複合施設で2012年に完成したバクーの新しいシンボルとなりつつある施設。

自分は特に何かの目的があって行ったわけではなく、ただ単に見に行っただけなのだが、ちょうど何かのイベントをやっているみたいで、結構な人が集まっていた。

建物自体もかなりデザインを取り入れた奇抜な形の建物。
一昔前に描かれた「近未来の建物」のデザインといった感じだ。

さて、ここからは、街の北の方にあるモスクに行ってみようかと思う。

バクー市街は「どの経路で行ったら良いか?」についてGoogle Mapの経路検索が使えて、ローカルなバスもちゃんとヒットしてくれるので超便利。

バクーのバスは新しい車両も古い車両も両方あるのだが、どちらも乗り方に違いは無いし、たくさんの路線が走っているので便利だ。
特に治安も悪くなさそうなので、必要以上に警戒する必要も無いと思う。

そんなこんなでやって来たのがこの「Heydar Mosque」。

かなり新しいモスクなのだが色は地味。
たくさんの人が来ているのか?と思っていたが、実際にはほとんど人はいなかった。
街からちょっと離れているからだろうか?

最近作られたモスクだけあって「金余ってます」感が否めない。

モスクの建物のすぐ近くには、こんな感じのコーラン風の書籍みたいな大理石に、この建物のサイズなんかが記してあった。

中には入れなかった(正確には「中に入って良い状態なのかどうかよくわからなかった」)ので中には入っていないのだが、外観だけでも十分に楽しめるモスクだと思う。

モスクから市街へ戻るために、今度は地下鉄を使ってみようと思う。

最寄りの地下鉄駅「Nasimi駅」までとことこと歩いてみる。

アゼルバイジャンは大通りに面した建物こそ、超近代的で「油で潤ってます」感が満載だが、一般人が生活するような場所に一歩足を踏み入れてみると「ソ連時代からあるんぢゃね?」と思わせるような建物にも遭遇できる。

そんなこんなで地下鉄「Nasimi駅」からバクー中央駅がある「28May駅」まで、地下鉄のグリーンラインに乗って戻って来た。

バクー市内を走る地下鉄は基本的に2路線。
正確にはもうちょっとあるんだけど、基本的に2路線と考えて良い。

一つは先ほど乗った「Nasimi駅」があるグリーンライン。
そしてもう一つは旧市街の方へ行くレッドライン。

まあ、地下鉄乗るのなんかは何も難しいことはないのだが、注意点が一つ。
バクー中央駅のところにある地下鉄駅「28May駅」から東側はレッドラインとグリーンラインが同じ路線を走る。
そんなことは日本でもよくある話だが、バクーの地下鉄の落とし穴は、自分が乗っているラインが「グリーン」なのか?「レッド」なのか?が非常に分かりにくい。
車体が色分けされているとか、電光掲示板が充実しているとかだったら問題ないのだが、そうではないので、電車の行き先表示とかを注意して見てグリーンラインかレッドラインかを判断する必要がある。

もしくは周りの乗客の状況を見て「あっ、これ、グリーンラインだな」とか判断する。

特に街の東側から地下鉄に乗ってきた場合に、旧市街方向に行きたいのに、気づいたら街の北の方に行っていたなんてことは普通に起こり得るので、十分に注意が必要。

バクー中央駅(地下鉄「28May駅」)の前には立派な像がある。

さて、ここからは街の南側を徒歩圏内で探索してみようかと思う。
まずは、駅から歩いて5~10分ぐらいのところにある「オペラ・バレエ劇場」へ。

オペラ・バレエ劇場は1910年に建てられた趣ある建物。

ネットで数少ないバクーの観光ポイントを検索すると、たいていヒットする。
しかも、そうやって紹介されているメディアのどの写真もたいていこんな感じのアングルで撮られている。
「なんでだろ?」とちょっと不思議だったのだが、行ってみて納得。
理由を知りたい方は、是非直接行って見てもらいたい。

さて、ここからさらに南下して、カスピ海の海岸線付近にあるショッピングモール「パーク・ブルヴァール」に行ってみることに。

バクーの街中を歩いていると、こんな感じの公園が多い。
ロシアとかでもこんな感じの公園は多かったし、ウズベキスタンでもよく見かけた。
ソ連時代の名残なのだろうか?

ショッピングモールの「パーク・ブルヴァール」は結構綺麗なショッピングモールで、テナントも埋まっている感じ。
上層の1フロアはフードコードとして埋まっているので、気軽に食事ができる。
街中を歩いていると、基本的にはケバブばかりなので、フードコートだと写真付きで色々な種類の料理が選べるので、旅行者にとっては敷居が低いとも言える。

そんなこんなで、一人にも関わらず、あれやこれやと頼んでいたら、結果的にすごい寮になってしまった。
まあ、お味の方は大絶賛するほどではなく、ごくごく普通。
旅行の楽しみとして「食」のウェイトが高い人は避けた方が良いかもね。

さてさて、そんなこんなで、無事にバクーに到着した初日にはバクー市街をあれこれ回ってみたが、明日はちょっと郊外の観光ポイントを回ってみますよ!

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