【エチオピア旅行記】Day2 聖地ラリベアの土を掘ってできた教会とは?

昔から行きたかった場所「ラリベラ」を目指す今回の旅。

日本からとりあえずエチオピアの首都アディスアベバに到着し、アディスアベバの街を観光。
正直なところ「観光的にはちょっと外れだったかな」という感も否めなかった。

そして日付は変わって2日目。気を取り直して、本日はこの旅最大の目的地でもある「ラリベラ」に移動。
さて、ラリベラは期待通りの場所なのかっ!

アディスアベバの観光を終え、一泊し、日付は変わって旅は2日目に突入。

まずは、アディスアベバの空港から国内線でラリベラの空港を目指す。

我々が乗った飛行機はラリベラ直行ではなく、途中「バハルダール」という街を経由して飛ぶ飛行機だった。バハルダールでの途中降機は無く、そのまま飛行機内で待つパターン。まさしく「トランジット」ですな。

バタルダールを経由して、我々の乗った飛行機は無事ラリベラの空港に到着。

ラリベラの空港は本当に管制塔と滑走路しか無い空港で、搭乗橋やバス等もない空港。
飛行機をおりるとわらわらと歩いてターミナルに向かう感じ。
個人的にはこういったのは好き。

さて、ラリベラ空港から、ラリベラ市街までの交通機関についての事前情報が全く無く、正直「どうなってるんだ?」と思っていた。
とはいえ、情報が無いのならば「まあ、行ってみたらわかるだろう。少なくともタクシーぐらいはいるだろう」と軽く考えていた。

しかし、実際に行ってみると、それは大きな間違いだったことに気づく。

ラリベラの空港は、本当に何も無い場所にポツンと空港があって、路線バスどころか、客待ちのタクシーすら一台もいない状況。
飛行機の発着時間は1日にほんの数本なので、その時以外は車の一台も止まっていない空港なのだ。

じゃあ、どうやって、空港から街まで行くのか?

我々は事前にbooking.comで今晩の宿を予約しておいた。
すると、宿の方から「空港のシャトルサービスがあるから、到着時間を連絡してくれ」との知らせが。その段階で飛行機は決まっていたので、とりあえず連絡しておいたので、空港を出たら自分のネームプレートを持ったドライバーがいたので助かった。

ミニバンの乗り合いタクシーのような車で、我々が泊まったホテルだけではなく、いろんなホテルを回って行ったので、いろんなホテルが共同で運行しているシャトルバスのようだ。
ちなみに、ラリベラ市街から空港まで行く時も、その宿にお願いして、途中で次々と人を拾って行く乗り合いタクシー状態で空港へ行った。

まとめると、ラリベラの空港には公共交通機関のバスはもちろん、タクシーもない。
したがて、ラリベラの宿は確保しておき、宿からシャトルサービスをお願いするしか、空港からの足は無い。
ホテルを予約する時は、「空港のシャトルサービスはあるか?」というのを確認して確保した方が良い。

ちなみに「交通機関が無いんだったら歩けばいんぢゃね?」と思われるかもしれないが、決して歩けるような距離では無いし、暑いのでやめといた方が良い。

空港からラリベラの街までは、ほとんどが舗装されていない砂利道のような道。

ラリベラまでの道は舗装されていない道がほとんどだったが、ラリベラの街の道路もアスファルトで舗装されている道ではなかった。
たまに石畳の道があるぐらい。

ラリベラは聖地として、時期によってはすごい賑わいになるという噂を聞いたことがあるので、さぞかし栄えた街なんだろうと勝手な想像をしていた。
しかし、実際に行ってみると、正直まだまだな感じはする。

街の商店はほとんどが「露店」といったレベル。
しっかしりした店はほとんど無いのが現実。

お昼頃ラリベラに到着し、教会群を見学できる時間はあまり無いので、すぐにでも教会群に行きたい。しかしながら、ラリベラの教会群はちゃっかりとお昼休みを取るので、お昼の12時から14時までは入ることができない。

我々はちょうどその時間にかぶってしまったので、仕方なく昼飯を食べることに。

Google MapやMaps.meの地図ではいろんなレストランらしき店が出ているので、なにも心配していなかったのだが、正直自分が想像したようなレストランではなく、「大丈夫か?」と一瞬不安になるような店ばかり。

んで、ぶらぶら歩いていると「ここならいいんぢゃね?」と思われるレストランを発見。
店の名前は多分「Selina Restaurant」というお店。

この写真をみて想像して欲しい。

これでも「まだ、まともぢゃね?」と思った店なのだ。
となると、我々が「大丈夫か?」と思った店はどれほどだったか…。

Selina Restaurantは道路から一段下がった場所にある店。
ちょっとした個室形式の店で、机と椅子は石とコンクリで出来ているので超座りにくいし、机は低い。

さて、エチオピアの食事の名前をまだ把握出来ていない我々は「ドロワット」という名前が何か?を知らず、「チキンの煮物」的な英語の解説を読んで頼んだら、普通にカレーのような煮物。
これをエチオピアの主食「インジェラ」で食べる。

インジェラの酸っぱさはなんとか我慢できるレベルなのだが、ドロワットは基本的に辛い味付け。
我々は辛いものが苦手なので、そちらの方が我慢できなかった。

アディスアベバでもインジェラを食べたが、「場所によってはちょっと違うかも」と思って、メニューに「インジェラ」と書かれていたものをとにかく頼んでみた。

すると、写真上のように何かを包んだインジェラが出てきて、期待をして中を開けてみると、味付けされたインジェラが出てくるという不意打ち。

んで、何の味付けなのか?と言ったら、先ほど食べたドロワットに細かくしたインジェラを浸したような感じだった。これも辛い味付けで、箸は進まず。

エチオピアはコーヒーの産地としても有名。

実際のところまともなコーヒーなんかは、ほとんどが輸出にまわっちゃって、現地の人が飲むコーヒーは出来の悪いものや余り物なのかもしれないが、それでもそこら編で生豆をフライパンで炒っていたりする光景に出会えたりする。

「さすがコーヒーの国だね」と思う光景なのだが、コーヒーのいれかたも独特。

基本的に欧米ではペーパードリップや、サイフォン、エスプレッソマシンなんかでの抽出を行うが、エチオピアを始め、中東の国なんかでは、お湯にどっさり豆をそのまま淹れて、漉すか上澄みを飲む等の方法でコーヒーを飲む。

んで、このレストランでも独特の形の容器でコーヒーを入れるようなので、頼んでみた。
どうやら、このレストランだけではなく、このようなスタイルでコーヒーを入れるのは、エチオピアでは一般的のようだ。

お湯を沸かす七輪みたいなものに、お香のような木片を入れて香りを楽しむみたいなのだが、いかんせん店員のおばちゃんが作法を教えてくれないもんだから、よくわからず。

そして、ドンッ!とこんなボトルでコーヒーが提供される。
すでに中にはコーヒーが出来ており、自分で器に注いで飲む。

別にさっきの七輪を使うわけでもなく、ぢゃあ、あの七輪は何だったのか?

できれば、もっとちゃんと作法なんかが知りたいところだが、通訳とかガイドとかがいるわけではないので、わからず残念。

とはいえ、コーヒーは美味しい。
これは、良い意味で雑味がいっぱい入ったコーヒー。
豆が持つすべての味が出ている感じで、自分はこういう方が好き。

欧米で飲まれるコーヒーは、なるべく雑味が出ないように抽出し、美味しいところだけをいただく感じが、このコーヒーとは違う。

さて、お腹は満たされ、そろそろ14:00になるので、いよいよラリベラの教会群に行くことに。

レストランの前の道路を西にてくてく歩いて行くと、ラリベラの教会群の管理事務所があるので、ここでまずチケットを買う。

チケットはべらぼうに高く、たしか一人50US$ぐらいした。
以前行ったヨルダンのペトラ遺跡は確か7000円ぐらいはしたので、それに次ぐぼったくりよう。

その上、管理事務所にはたくさんの暇そうな現地人が「ガイドは要らないか?」とさかんに誘ってくる。

「入場するだけで50$もすんのに、ガイドなんて雇えねぇよっ!」と思わずツッコミたくなる。

ラリベラの教会群は、こんな感じで、大きく「第一グループ」と「第二グループ」そして、少し離れた場所に「聖ギオルギス教会」がある。
今回自分の最も見たかった場所は「聖ギオルギス教会」なので、とりあえず真っ先に聖ギオルギス教会を目指す。

ラリベラの岩石教会群は現在数ある世界遺産の中でも、最初に登録された世界遺産の一つ。
聖ギオルギス教会までの道の途中には世界遺産を示す碑があった。

そんなこんなで、ずんずん進んで行くと、とうとうご対面〜!

地面を掘ってくり抜かれた教会「聖ギオルギス教会」

地面をくり抜いてつくられているので、いきなり見るのは建物の天井。
そして建物の形は十字架の形になっていることがよくわかる。

建物の入り口へアクセスするには、周囲に掘られた溝のような道をずんずん下って行く。

しかも、その溝の幅は「必要最低限」といった感じで、一人分ぐらいの幅しかないので超狭い。
向こう側から来る人がいようもんなら、すれ違いは結構厳しいかもしれないってほどだ。

下まで降りてみると、くり抜いて作った教会なのに、かなりの高さなのがわかる。
下からみても立派な建物だ。

我々が行った時にはちょうど地元の学生団体らしき人(特に女性が多かった)がたくさんいて、エチオピア人にとっても重要な土地なんだということが感じられる。

教会の中に入ることもできる。

実際に入ってみるとかなり薄暗い。地面をくりぬいて作っているので、建物自体の強度が無く、窓が大きく撮れないのが原因だと思われる。

中に入るときには土足厳禁なので、靴を脱がなければならない。

ネットやガイド本の解説によれば、このように一日中太陽光が当たらない環境、かつ多分定期的には交換されていないだろう絨毯が床に敷かれているので、ダニやノミの宝庫になっているという。
座っただけでもダニにやられたという噂もあるようで、我々はかなりビビって、すぐに捨てる用の靴下とかを持って行った。

んで、実際に中に入ってみると、確かに言われるように、ノミやダニはわんさかいると言われても納得するような感じではあった。しかし、宿に帰ってからも足が痒くなるようなことは全然なかったので、それほどビビらなくても良いとは思う。

教会群にはたくさんの教会があって、どの教会も靴を脱がなければならない。
頻繁に靴を脱ぐので、荷物に余裕があるのであれば、サンダルなんかを持って回った方が良いかもしれない。
あと、内部の床は汚れているので、捨てるような靴下を履いて行った方が良い。

中には一応神父らしき聖職者がいる。

「一応」と書いたのは、正直「あなた、本当に聖職者?」と疑わしい感じだから。
特に観光客にお金を要求するようなことはなかったが、ただただ建物の隅に座っていたりするだけだったりなので、若干疑わしいと感じるのは、自分の心が荒んで(すさんで)いるからだろうか?

個人的には聖ギオルギス教会を見ただけでほぼ満足だったのだが、他にも教会群があるので、見てみようと思う。当たり前だけど。

まずは、第二教会群の方に行ってみる。

第二教会群も、聖ギオルギス教会ほど素晴らしい感じではないが、それでも地面を掘って、いろいろな形で教会にしている。

場所によっては、よれよれの木でダイナミックに足場を組んで修復(?)しているような場所もある。修復なのか、単純に風雨から教会を守る屋根とかと作っているのか?目的は定かではないけど。

第二教会群にある教会の一部ではすごい天井が低かったり、すごく暗かったりする場所もある。

基本的にはどの教会も内部は薄暗い状態なのだが、うまいこと太陽光が入るように考えられている教会では、幻想的に光が入る場所もある。

マヤ文明とか、世界的に絶賛されているような古代文明では、天文学が発達していて、陽の光が入る角度なんかを緻密に計算されていたりする。
同じようにここも、どこか目的の場所に陽の光が入るように計算されているのかな?とも思われるが、個人的には「多分たまたまでしょ」と思っている気持ちの方が大きい。

欧米等の教会では、内部がびっしりと壁画で覆われていたり、壮大な彫刻が施されている場合が多い。

しかし、ラリベラの教会群のどの教会にも共通することだが、内部はシンプル。
とくに壁画で覆われているわけでもなく、壮大な彫刻で飾られているわけでもない。
なので、幾つもの教会内部を見ていくと、個人的には微妙に飽きてきたりする。
なので、すごく頑張って、すべての教会の中に入ろう!とかいう意気込みを持たなくてもいいんぢゃないか?というのが正直な感想。

第二教会群にある聖エマニュエル教会は、かなり大規模に地面をくり抜いて作られていた。

我々はそんなに心踊る感じでもなかったが、教会内にいる聖職者は、欧米人には人気で、いっしょに写真を撮っていたりした。まあ、チップは払うんだけどね。

個人的には入場するだけで50ドルも取られた上に、チップなんか払えるわけはないのでパス。

第一グループには立派な聖救世主教会がある。

この教会はかなり大きく、中にはいるとかなりの広さがある。

聖救世主教会の内部には多数の宗教的絵画が置いてある。

第一グループにはもう2〜3個教会があるのだが、女性が入れない教会もあるので注意が必要。

地元の人なんかは入り口にあるキリスト像に熱心にお祈りしていたりする姿が見られる。
外国人から金を巻き上げるための施設なのかと思ったが、地元の人にとっては神聖な場所なんだなぁ〜というのがよくわかる。

さて、この日の夕食はどこか良いレストランを探したけれども見つからず。
宿のおやじに聞いても「ここで食べてくのが良いぞ」って「それ、自分とこが儲かるからぢゃん!」という魂胆見え見えの回答しかなかったので、結局昼間ごはんを食べた「Selina Restaurant」で夕飯。

ただし、インジェラとかはもう飽きたので、オーソドックスなメニューを注文。
正直な感想を言えば、全然美味しくなかったんだけどね。

ラリベラの教会群は、実質半日ぐらいしか見学時間を取っておらず、日程を組むときに「少なすぎかなぁ〜?」と心配していた。

しかしながら、結局のところ、半日もあれば十分だなぁ〜というのが正直な感想。
確かに地面を掘って建物を作っているところはすごいのだが、内部が何もなければそのうち「ふ〜ん」ぐらいにしか思ってこなくなる。
それぞれの教会に特徴とかが無いのが残念なところ。

というわけで翌日には宿から呼んでもらった乗り合いタクシーで空港へ。
相変わらず全然人のいないがら〜んとした空港で、出発時間近くにならないと人は来ない。

実際のところ、飛行機に乗っている人たちを見ると、ほとんどが観光客らしき欧米人。
地元の人も幾人かはいるのだが、ステータスは高そうな感じ。

アフリカ全体で言えば、エチオピアは結構発展している国の一つであると言われている。
しかしながら、国民みんなが気軽に国内線の飛行機を利用できるほどにはなっていないんだろうなぁ〜というのを感じる。

ラリベラから飛行機でアディスアベバへ戻る。
帰りもバハルダールを経由。

アディスアベバの空港に着いたら、夜のフランス行きの便まで時間があるので、ちょっと観光。

とはいえ、バックパックを背負ったままなので、あまりアクティブに行動できない。
よって、空港近くをブラブラと。

空港近くに「正教会」と書かれたのが地図に載っていたので行ってみることに。

我々が行った時にはちょうどミサみたいなものをやっていて、たくさんの人が真剣に聞いており、我々は完全に場違い状態。
とはいえ、出ることもできず、仕方なしに聞いていた。

この教会についての詳細はガイド本にも載っておらず、よくわからないのだが、かなり大きくて立派な教会。
観光スポットとしてもアリなんぢゃないか?という感じだった。

いつもだったら、あれこれとガイド本に載ってないネタをアクティブに探しまわろうとするのだが、そもそも、ガイド本に載っている場所においても「う〜ん」という感じばかりだったので、正直諦めムードが満開。
結局そこらへんのカフェでお茶して、夜の便を待つことに。

エチオピアは我々にとって初めてのアフリカで、かなりビビっていたが、意外に地元の人は優しく、恐い感じもなかった。
観光客に対しても押しが強くなく、なかなか過ごしやすい。

しかし、観光となると、なかなか資源に乏しく楽しめるか?と言った点については疑問。
アディスアベバとラリベラに行ったぐらいでこんなことを言う権利なんかは無いと思うが、「また来たいか?」と聞かれたら、それほど積極的に行きたいなぁ〜という感じも無い。

アフリカには中国資本が積極的に投入されているってのは、ニュースとかでなんとなく知っていた。
んで、実際に行ってみると、それはかなり肌で感じられる。
必要に応じて投資するわけではなく、とにかく投資する側の都合でどんどんどんどん投資されているので、正直地元の人がついていけず戸惑っている感じがあった。

まあ、それで街が発展すれば、現地の人にとっては良いのだけれども、いつか歪みが出て来てしまわないかが心配だ。

あと、エチオピアと中国のつながりが強いこともあってか、我々のようなアジア人が街をあるいていると、ひっきりなしに「チナ!」と言われる。
これは、我々が行った国の中でもかなり頻度が高く、かなりイラっとする場面が多かった。

その現地人が言う「チナ!」の言い方からしても、本当にエチオピア人が中国人のことを歓迎しているのか?というのは疑わしく感じた(あくまでも個人的な感想です)

さて、エチオピア旅はここで終了。
続いてはここからフランス・イタリアに飛ぶんですが、フランス・イタリアは別に面白くもなんともなかったし、ネット上には、いらない情報が溢れかえっているので、フランス・イタリア編の旅行記は無し。

話は飛んでしまうけど、旅行記はさらにその先の「スロベニア編」へ。
スロベニアでは世界的にも有名な鍾乳洞なんかを見てみますよ〜!

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