【モンゴル旅行記】美仏像を見にモンゴルへ?!旅 前編

旅行時期 2019/9/21〜24

ザナバザルという人の作った仏像の写真を図書館で見た時に、一瞬で心を奪われた。「これは是非実際の物を見に行きたい」と。
モンゴルのイメージと言えば、大草原とそこに遊牧で生活する人たち。そしてポツンと建ったゲル。そんな感じで、ガイド本なんかを見ると、そこら辺を中心に客の心を掴もうとしている構成になっている。
ところがどっこい、個人的にはその辺にはあまり興味をそそられず、いままでモンゴルに足を運ぶきっかけがなかったのだが、今、心を奪われたザナバザルの作った仏像を見に行きたい!というきっかけが出来たことで、モンゴルに足を運ぶことに。
とは言え、有給休暇もそんなにたくさん取れないので、ほんの数日だけ。ということで今回の旅はウランバートルだけにする。

そんなこんなで、ウランバートルの空港に到着。
飛行機からの景色は大体予想はしていたのだが、ず〜っと赤茶の平原が広がっていたかと思いきや、突然限られた場所にと都市が出現し、滑走路が現れ、到着という感じ。
ウランバートルの空港はイマイチで、現地のお金を入手しようとATMを探したが見つからず、結局銀行カウンターで両替なのだが、開いている銀行カウンターが一つしか無く、さらに手際の悪い女性職員が1人でやっているので、激混み。
現地通貨の入手だけで結構な時間がかかってしまった。

市街から空港までは少し離れているので、バスで向かうことに。
「歩き方」によれば、「空港を出てまっすぐ伸びる道路を進み、大通りまで出たら左に曲がって少し行ったところにある」とあったのだが、実際に行ってみると、この地図のようにショートカットできる感じで大通りに出れた。

ショートカットできる場所はただの公園?的な感じ。
夜の写真なので分かりにくいが、地元の人も何人かあるいているので、ついて行ったら良いと思う。

空港から市街までの道筋はこんな感じ。市街までは9番のバスで行ける。

バスの車内はこんな感じ。地元民でいっぱいだった。

なんだかんだでホテルに着いたのが結構遅くなってしまい、ホテルについてから開いているレストランを探したのだが、近くで全然見つからず。
仕方ないので、適当な店で肉まんを食べたのだが、中のラム肉はめっちゃ臭くてマズかった。

ウランバートルには地下鉄は走っていないので、街の移動はもっぱらバスかタクシーか徒歩となる。
バスに乗るには現金かバスカードが必要。
事前情報では「バスカードが必須」とか書かれていたので、「あ〜、バスカード買わなきゃ」と思っていたが、特に現金でも問題なさそうだった。
とは言え、結局自分はバスカードを買ったのだが、バスカードはこんな感じのキオスク的な店で買える。たいていはバス停の近くにある。
店の人に「バスカードある?」と聞けば良いのだが、バスカードが売り切れている可能性は結構高い。バスカードがある店にぶつかるまで根気よく探さなければいけない場合もあるので、注意が必要。

海外では「トイレの確保」って結構重要な問題なのだが、ウランバートルではそれほど苦労はしなかった。
まちなかにはこんな感じで公衆トイレもあるし、博物館なんかに行けば確実にトイレはある。場合によってはホテルなんかで借りても良いと思う。

ということで、昨晩ウランバートルに到着したばかりで、右も左も分からない状態なのだが、今日は朝から精力的に観光しようと思う。まずは街の中心にある「スフバートル」広場へ。

スフバートル広場。かなり広い。奥に見えるのは政府宮殿。

スフバートル広場の右側にはピンク色が美しいオペラ劇場がある。

スフバートル広場にある政府宮殿。モンゴルの政治の中心なんだと思う。かなり立派な建物だ。

政府宮殿の中央には「チンギスハーン」の像が鎮座する。
かなり立派な像で近くまで行けないのだが、大きさ的にはワシントンにあるリンカーンの像ぐらいある。
それだけモンゴルの人にとっては、チンギスハーンが英雄なんだろうと容易に想像できる。

チンギスハーンの像の両サイドには馬に乗る衛兵と思われる像もある。
こんな感じでチンギスハーンは常に守られていたんだろうか?

スフバートル広場の中央には、この広場の名前にもなっている「スフバートル」の像がある。
スフバートルとはモンゴルの革命家であり軍人。「近代モンゴル軍の父」として英雄視されて紙幣にも描かれている。

スフバートル広場はいろんなイベントで使われている感じで、この日もちいさなイベントをやっており、早い時間だったからか?そのイベントで踊ると思われる子供たちがリハーサルをやっていた。

スフバートル広場からは歩いて「ザナバザル博物館」に向かう。
いきなりこの旅の最大の目的地に行ってしまうのだ。
ザナバザル博物館はスフバートル広場からは歩いてほんの数分の距離だ。

ザナバザル博物館の外観はこんな感じ。そこそこ立派な建物だ。
博物館の開館時間は冬季は10:00~17:00 で土日休み。夏季は09:00~18:00で無休のようだ。
入場料は8000トゥグルグ(日本円で310円ぐらい)とそれほど高くないのだが、写真撮影料がびっくりするほど高く45000トゥグルグ(日本円で1750円ぐらい)もする。

さて、ここからは博物館館内の紹介。
入るとチンギスハーンとフビライハーンの絵がある。お〜、教科書とかで見たことある絵だよ〜。

こんな僧侶の像をみると、モンゴルの宗教はチベット仏教の影響を強く受けているんだなぁ〜と感じる。

あとはこうゆう感じの独特な宗教観を示した絵がたくさんある。
あくまでも個人的な感想だが、チベット仏教と土着の宗教または習慣が融合した感じに思える。

これまた特徴的な祭壇。
これを見ていたら、係員のおばちゃん(開館直後で掃除をしていた)が頑張って丁寧に「これはここが綺麗でしょ〜」てな感じで説明してくれた。ところが躊躇うことなく現地語で説明してくれるので、ほとんどの部分はわかんなかったんだけどね。

おばちゃんの言うことはさっぱり分からなかったのだが、それでもその美しさに自信を持っているようだった。確かに一つ一つの作品を見ると、美術的な価値としても高いと思うが、思想や文化を伝える価値としても高いと思う。

解説によると、モンゴルでのさまざまな行事で使われる面と衣装。
このスタイルも独特だなぁ〜と思うが、この後いろいろなところを見学するが、この姿がけっこう描かれていたりするので、宗教行事のデフォルトスタイルなんだと思われる。

さて、この旅最大の目的である「ザナバザルの作品を見る」をいよいよ成し遂げる。
ザナバザルとは人の名前なのだが、モンゴルにおける「活仏として代々継承される個人名」として「ジェプツンダンパ・ホクトク」というのがあるのだが、その初代の人。
彼が作った仏像はモンゴルで見る他の仏像とは一味違う。

いろんな角度から撮ってみる。
他の人の作品と比べると、曲線が明かに違う。滑らかで自然な感じだ。
慣れてくると、素人の自分が見ても、それがザナバザルの作品なのか?それとも別の人の作品なのか?が判るようになるぐらい違う。

古い仏像なので、多少のキズはあるものの、それでも表情も穏やかで心奪われる感じがする。

ザナバザルの作品が展示してある部屋だけ若干雰囲気が違う。
この部屋だけ監視の係員がビッタリと張り付いていた(撮影料を払わずに写真を撮るのを防ぐためだと思われる)

ザナバザルの作品は仏像が素晴らしいのだが、彫刻以外にも絵画も残しているそうだ。展示物の解説によると、ザナバザルが描いた母の像(だったと思う)

ザナバザルの自画像だと解説文に書かれていたような気がする絵。
絵画については仏像ほど絶賛するものでは無い感じだが、独特なテイストの絵だなぁ〜というのが正直な感想。

ザナバザルの博物館にはザナバザル以外の作品もたくさんあるのだが、その中でなかなか面白かった作品がこれ。
当時のモンゴルの暮らしを描いた絵で、この写真ではわかりにくいがかなり大きな絵で、子供の身長ぐらいある。

日常生活を描いた絵なんてよくある絵な気もするが、この絵が特に面白いのが「普段の生活」と言っても、本当に出産のシーンやSEXしているところなど、通常だったら絵として描かないような内容についても余すところなく描いているのが印象的だった。
ラクダの横でSEXしようとしているのを見ると、「あ〜、人間だなぁ〜」と思うし、モンゴル人に対して親近感が湧く。

何かの記号がズラッとならんだ展示があったので「何の展示かなぁ〜?」と近づいて見ると、当時の文字の解説(読み方やアルファベットとの対比など)だった。
モンゴルの文字の歴史と文化についての知識があまり無いのでなんとも言えないのだが、チベットからの文化の栄養を受けているのかなぁ〜?という感じの文字でなかなか面白い。
現在は通常ではキリル文字が使われているので、この文字を街中で見ることはほとんどない。

先ほどの文字の展示よりさらに細かい何かの展示があったので、近くに寄ってみたら、本当に小さな仏像の集まりだった。
正直よくこんな細かいの作ったなぁ〜というのが正直な感想。

ザナバザルの博物館はなかなか面白かったし入場料も安いのでオススメだ。
ただ、写真の撮影料が高いのでそれだけ改善してくれれrばベストなんだけどなぁ〜と思う。
さて、ザナバザルの博物館から歩いていける距離にある「恐竜博物館」に向かってみる。
さらに、現地SIMを入手するために途中に「Tech store」というビルがあったので寄ってみた。

行く途中に広場で小さな青空市場的なものもやっていた

海外旅で現地で使えるSIMがゲットできると、旅自体がかなり便利になる。
ということで、恐竜博物館の斜め前で「UNITEL」と看板が付けられた綺麗なビルがあったので「ここでSIM売ってんぢゃね?」と思っておもむろに入る。
ビルの中にはUNITELという、日本で言ったらdocomo やSoftBankのストアみたいな感じの電話会社のショップがあった。
「SIM売ってますか?」と聞くと、売ってそうだったので、その場で購入。
今回滞在日数も数日なので、適当な1Gか4Gぐらいのプランを売ってもらった。
お値段は確か1000円前後だったような気がする。
GoogleMapなんかで「UNITEL」と検索したら、いくつかショップが出てくるので、事前に調べておいても良いかもしれない。(ちなみに自分が今回SIMを買ったUNITELのショップはGoogleMapでも出てこなかったんだけどね。「TechStore」と検索して、恐竜博物館のすぐ近くに出てくる場所の建物の中で買いましたよ)

モンゴルって実は恐竜王国で、多くの研究者が発掘しているというのを聞いたことがある。
ということを知っていたので、今回この恐竜博物館には期待して来てみた。
館内に入るとこんな感じでどどーんと大きな化石がお出迎えしてくれる

オブジェ的にこんな恐竜もお出迎え。

普通、恐竜博物館にある骨の化石ばかりではなく、卵の化石もあった。
モンゴルでは卵の化石もけっこう見つかっているらしい。

結構しっかり残った化石も展示してある。
モンゴルではいろんな種類の恐竜化石が見つかっていて、近年では新種の化石や恐竜についての新たな事実が分かったりしているそうだ。

モンゴルは恐竜化石がたくさん出るということで、当然博物館は充実しているものと勝手に思っていた。
しかし、実際に行ってみると全然充実しておらずでかなり残念だった。
日本で恐竜博物館として有名な福井の博物館と比較したら、1/10以下といった感じ。
恐竜についた詳しく知りたければ、わざわざウランバートルの恐竜博物館に行かなくても、福井の博物館の方が全然充実しているのでそちらで十分。

恐竜博物館はかなり残念ではあったが、ここは気を取り直してご飯を食べに行くことにする。
恐竜博物館の近くにあった「ソジンカフェ」というお店に行ってみる。

ソジンカフェは一応「Fast Food」ということになっていて、店に入ってみると、確かに気軽に入れる感じで、簡易的な「ファミレス」的な感じだった。

しかも、店員の客のさばきかたがダメダメで、客の量に対して店員の能力が追いついていない感じ。しかもそれを問題とも思っていない感じだった。
決めつけてはいけないが、社会主義体制の名残りかなぁ〜と勝手に思ったりして…。

ソジンカフェでお腹を満たしたところで次の目的地へ。
次は「ガンダン寺」という寺を目指す。
歩いて行けない距離ではないが、そこそこ歩かなければならない。バスに乗れればよいのだが「歩き方」に載っている以上のバス路線図が無いので、運が悪ければ予想もつかない方向に行きそうなので注意が必要。

そんなこんなで、ガンダン寺に到着。
ガンダン寺の南側にはこんな立派なもんがそびえ立つ。
実は、自分は寺の西側から入ってしまい、最初にこの門を見ることが出来ず、帰り際にこの門の存在に気がついた。

南側の門をまっすぐ進んで突き当たったところにあるのが、ガンダン寺本堂。
かなり大きな建物で白く高い壁と鮮やかな屋根が印象的。

敷地内には赤く塗られた高い木の柱がどど〜んとたっていて、その周りにちょっとした人だかりができている。
なんだろ?と思って近づいてみると、人々が時計回りにその棒の周りを回っている。どうやら、そうすることで良いことがあるというありがたい棒のようだ。

本堂に入ってみると正面にはかなり大きな観音像(グジェド・ジャンライシグ観音像)がある。かなりの高さで完全に下から見上げる状態となる。
高さは26.5mもあるそうだ。ちなみに奈良の大仏は(座っているけど)18mぐらいの高さなので、奈良の大仏よりも全然高い。
正直、あまり高すぎると、仏像の表情とかあんまり見えないので、良くないんだけどね。

大仏の足元にはこれまた特徴的な像がある。ザナバザルの博物館でも見た、モンゴル独特の像ですな。

寺本堂の大きな立像を取り囲むように、大量のマニ車が置かれている。
やはり現地の人はマニ車を見ると回さずにはいられないのか?みんな必ず回していた。
自分も現地の人に混じって一心不乱に回す。

そのマニ車の外側には、びっしりと小仏像が配置されていて圧巻。

大きな本堂がこのお寺の中では最も印象深いのだが、その他にも境内には小さな寺がいくつかある。

ガンダン寺は歴史ある寺のようなので、木造の趣ある建物がほとんどなのだが、入口付近にはかなり立派な現代風の鉄筋コンクリート造りの建物もあった。
中に入ってみると、かなり大きな祭壇が設置されていて、わりと多くの人がお祈りをしていたので、一般の人がメインにお参りをするのはこちらなのか?と思った。

お寺なのでもちろんお坊さんがいるんだけど、その格好を見ると、チベット仏教を思い出す。

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