【イスラエル旅行記】Day5 これぞ「聖地」の代名詞。黄金のドーム!

昨日死海でアホみたいにはしゃいで疲れていたにもかかわらず、今日は超早起きして旧市街の聖墳墓教会に向う。

というのも、一昨日聖墳墓教会に行った時には、観光客がいっぱいで、イエスの墓の中を見ることができなかったのだ。幸いなことに聖墳墓教会は朝5時から開いているようで、「そんなに朝早くに行けば、さすがに見れるだろう」という単純な考えで早起きしたのだ。

さすがに早朝のエルサレム旧市街はひっそりとして、店を開けているところはほとんどない。開いているとすれば、早起きなおじいちゃん店主が自分のお茶を飲むために開けただけという感じだった。

さすがに聖墳墓教会に入ってみると、人は少なかった。昼間はあれだけ混んでいた亡くなったイエスに香油を塗ったとされる場所にも人はほとんどおらず。

ところが、さらに奥に進んで、イエスの墓に行くと目を疑う光景が!

すでに、わんさか人がいる。「えっ!何で?」と自分の目を疑ったが、朝一からミサが始まっているのだ。昼間ここにいる人のほとんどは観光客だったが、朝一からここにいる人は、敬謙なキリスト教徒だった。

結局の所、「イエスの墓は昼も朝も一日中混んでいる」ということが分かった。頑張って並ぶことも考えたが、こんな朝早くからお祈りしているキリスト教徒に混じって、完全な異教徒が入るのも失礼だと考え、泣く泣くあきらめることに。

聖墳墓教会を出ると、さすがに静まりかえっていた。静かな空気の聖墳墓教会の前で、これほど時が経っているのに、たくさんの人々の尊敬を保っているイエスはスゴイ人だったんだなぁ~と改めて感じた。

一旦ホテルに戻り朝食を取る。ホテルの屋上はテラス席になっていて眺めが良い。雲ひとつない朝の天気が素晴らしかった。

朝食を終えた我々は再び出かける。今度は旧市街にある「神殿の丘」。ここにある「岩のドーム」を見に行くことに。神殿の丘には入れる時間が決まっており、夏は7:30~11:00と13:30~14:30で冬は7:30~10:00と12:30~13:30とわりと短い。時間が決まってしまっているので、観光客も集中して結構並ぶことになるので早めに行った方が良い。

神殿の丘自体には門はいくつかあるのだが、ムスリム以外の観光客は、「嘆きの壁(西壁)」の南側にある「モロッコ門」からしか入れない。モロッコ門は「門」って感じの物が無く、「どこっ?」って思ってしまうが、入場可能な時間近くになると入場待ちの行列ができるので、心配する必要は無く素直に列に並んで待てばよい。

入場には手荷物検査があって、割と厳しめなので、手荷物は少なめで行った方が楽(別にたくさんあっても、入れないほど厳しいわけではない)

神殿の丘は、「ソロモンの神殿」があった場所だとされる。この場所はエルサレムの中でも特に神聖で、時代によって様々な宗教によって管理されてきた。現在はほぼ中心にある「岩のドーム」が建てられて、ムスリムによって管理されている。

ひと際目立つ岩のドームはムハンマドが天使を従え天馬に乗って昇天したとされている聖岩を保護する目的で建てられた。

神殿の丘の外から見ても相当目立つ金色屋根の岩のドームを間近で見ると、圧巻の姿で感動すら覚える。異教徒の我々すら感動を覚えてしまうぐらいなので、遠くから来たイスラム教の人なんか、泣いちゃうぐらい感動するのではないか?と思う。

イスラム教では、仏教での仏像やキリスト教でのイエス像等のような「偶像崇拝」は基本的に禁止。なので、モスクの中とかには何かしらの「像」のようなものは無く、通常はメッカの方向を示すものがあるだけだ。しかしならが、やはり信仰するものとしては、イスラム教の宗教施設をやはり神聖で豪華なものにしたい気持ちがあるので、偶像の代わりにこの写真のような豪華な幾何学模様にて装飾するのが一般的。

間近で見てみなければわからない、センスと豪華さが素晴らしい

現在ではムスリム以外はこの岩のドームに入ることは出来ないが、ムスリムの一般人はたくさん入っていた。やはり岩のドームの中が気になるところだが、ここは神聖な場所なので、素直にあきらめる。

さて、神殿の丘と岩のドームを満喫した我々は、オリーブ山まで歩いてみることにした。神殿の丘に入る時は「モロッコ門」からしか入れないが、出るときはどの門からも出られる。

神殿の丘からテクテク歩いて行ったのだが、地図では神殿の丘から凄く近く感じるのだが、実際は一旦モーレツに下って、モーレツに登るという道筋で、坂が結構きつい。我々のように歩いていく人は、動きやすい格好で行った方が良い。

オリーブ山のビューポイントまでの途中には「マグダラのマリア教会」があるので、ちょっと寄ってみた。教会の中はそれほど絶賛するようなものは無いのだが、ロシア正教の教会のため、外観はロシア正教独特のタマネギ屋根の構成になっているのが特徴。遠くからでもこの金色の屋根が目だって美しく見える。

さて、キツイ坂で息があがりながらやっとのことオリーブ山のビューポイントまでやってきた。我々と同じく坂道を歩いている観光客は他にもいたが「ちらほら」という感じだった。しかし、ビューポイントに来ると大量の観光客が・・・。「えっ?この人たちどこから来たの?」と思っていたら、その脇には大量の大型観光バスが・・・(汗)。

車で来れるのね。通常のツアーとかだったら、普通にツアーコースに組み込まれてるのかもしれない。あと、歩くのが嫌な人はタクシーとかで行った方がいいかもしれない。

さて、肝心のオリーブ山からの景色はどんな感じだったのか?というと、エルサレム旧市街周辺が一望できる素晴らしい景色だった。さすがに乾燥した土地だけあって、「色鮮やか」って感じではないのだが、そのせいもあるのか、先ほどまで見ていた「岩のドーム」の金色屋根が目立って見える。

写真の手前に見えるはユダヤ人墓地。この墓地沿いに道があって、その道を登ってくる。道から墓地写真を記念写真として撮っている人もいたが、私はちょっと気が引けて撮るのをためらった。

岩のドーム付近を拡大して撮ってみる。う~ん、ここから見ても圧巻の姿だ。

オリーブ山からの景色を楽しんだ我々は、ここまで必死で登ってきた急坂を降り、旧市街を通り抜けて新市街方向を散歩することに。

新市街は旧市街からヤッフォ通り沿いに、セントラルバスターミナル方向に行ったところにある。新市街をあてもなくぶらぶらと歩いていると、ちょうどお昼時ということもあって、ガイド本に載っていた「キングファラフェル」というお店に立ち寄った。

キングファラフェルは、ファーストフード的なお店で店内にゆっくりと座って食べる場所はほとんどない。当然のごとく言葉が通じない上にどうやって頼んだら良いのかよくわかなかったが、成り行きのまま、こちらの一般的な食べ物のシュワルマを注文。店には具材が並んでいて、店員が「これは入れる? これは入れない?」的なジェスチャーをしてくれるので、うなずくか首を横に振れば、なんとなくシュワルマが出来上がってしまう。 海外旅行を重ねると、だいたいこうゆう系の注文では「オール」(全部の具材を入れてくれ)的なお願いをしても、日本だったら驚かれるだろうが、海外ではたいてい普通に対応してくれる。なので、迷ったら「オール」と言っておけば簡単だ。

さて、肝心のシュワルマの味だが、具材たっぷりでうまい。具材は肉だけではなく野菜もあってうまかった。食べ応えも十分で、写真のシュワルマ1個を夫婦二人でシェアしたが、ちょうどお腹が満たされる感じだった。

お腹が満たされた我々は、そのままセントラルバスステーション方向のトラムに乗って、最終駅の Mount Herzl駅へ。
次に向かったのは「ヤド・ヴァシェム(ホロコースト歴史博物館)」。

トラム最終駅のMount Herzel駅からヤド・ヴァシェムまでは少し歩かなければならない。電車を降りたら今来た方向に少しだけ戻る。すぐ目の前にある交差点を西側へ(乗ってきた電車の進行方向に向かって右手方向)に歩いて5分ぐらいで着く。電車を降りたところになんとなくだが標識もあるが、わからなければそこら辺の人に「やど・ヴァシェム?」と聞けばすぐにわかって教えてくれる。我々もそこら辺の係員っぽい人に聞いて教えてもらった。

ヤド・ヴァシェム(ホロコースト歴史博物館)」とは、ナチス・ドイツによって虐殺された約600万人のユダヤ人を慰霊する目的で建てられた博物館。中にはユダヤ人虐殺に至る経緯や人々の写真、関連する品々等が展示されており、かなり考えさせられる内容だった。

しかしながら、我々夫婦はナチス・ドイツのユダヤ人虐殺(ホロコースト)についての事前勉強が不足しており、十分に理解できるまでには至らなかった。勉強不足できてしまった自分に反省だった。次来るときには、十分勉強した上で来たい。

ヤド・ヴァシェムで考えさせられた後は、一旦ホテルに戻ることに。というのも今夜、ウェスタン・トンネルのツアーに参加する予定なのだ。帰りにこちらのメニューで有名なファラフェルを購入してホテルで食べる。ひよこ豆やそら豆から作られるコロッケのような物で、日本ではなかなか食べられないメニューだ。びっくりするほど美味しいものでもないが、普通にうまい。お腹が空いている時にはパクパク食べてしまう感じだった。

他にはチキンのフライやひき肉のコロッケみたいな物を購入したが、ほとんど揚げ物ばかりだったので、若干胃がもたれた。

さて、夜の19:20からウェスタン・トンネルツアーに参加する。ウェスタン・トンネルツアーとは、西壁付近で行われている現地ツアーで、地下に埋もれたかつての地面や神殿の壁が見られるツアー。ここを見るためには、このツーアに参加しなければならず、某「歩き方」には「事前予約必須の時間指定制になっており、非常に人気が高い。少なくとも数日前、確実に見たい人は2ヶ月以上前から予約が必要」とあった。

我々が、このツアーに気づいたのは実は2日前の夜。「歩き方」の文言を見る限りはダメそうだとほぼ諦めていたが、前日に受付場所に行って「明日参加したいんだけど・・・」と無謀にも聞いてみたら、「明日の夜の19:20からの分だったら大丈夫よ」的な回答をもらって、完全に拍子抜けしたのだ。なんだったんだ?あの「歩き方」に書いてあったことは・・・。

(写真はツアーとは関係なく、夜の西壁)

さて、いざツアーに参加。西壁の横にあるところから、いきなり地下に潜る。そして大昔の神殿の様子や位置関係、さらには自分たちが今いる場所なんかの説明がありながら、北側(ダマスカス門方向)に進んでいく。驚いたことに地下には大昔の壁が今でもちゃんと残っていて、現在も発掘作業が進行中なのだそうだ。

それら壁の事などの説明が事細かに説明されたのが、いかんせん英語ツアー。正直英語が全然話せない自分にとってはかなり厳しく、早々に挫折。ほとんど説明がわからなかった。というのもガイドの英語が超早い。普段仕事で英語を使っている妻に通訳をお願いしたが、妻も中盤で挫折するほどの速さで「全然わからなかった〜!」って言っていた。結局夫婦二人で、細かい内容全く理解できず。他の参加者はヨーロッパから来ていたカップルとかフィリピン出身の家族等で当たり前のように英語はできる。したがって、このツアーで完全に蚊帳の外となった我々アジア人カップル二人。

今日のヤド・ヴァシェムといい、この英語ツアーと言い、自力で海外を回ろうとするには、事前の勉強等、それなりの努力が必要だなぁ〜と身に染みた一日となった。まあ、これだから自力旅は楽しいのかもしれないのだが・・・。

そんなこんなで、本日は就寝。明日はパレスチナ地区にあるベツレヘムに行き、イエスが生まれたとされる協会や、パレスチナ問題のもととなっている分離壁を見に行ったりする。

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