【ミャンマー旅行記】Day1・2 完全想定外!日本人にビーサンをパクられる!

自分にはかつて「有給を取って海外に旅行に行くなんてとんでもない!」と思っていたバカな時期があった。
実は数年前にミャンマーには行ったことがあったのだが、その時は有給を取らずに行った為、十分な時間が取れず、結局、首都のヤンゴンと、ヤンゴンから電車で数時間の場所にある「バゴー」という場所しか行けなかった。

あれ以来、ミャンマーは絶対にリベンジしたい!と思っていた場所なのだ。
ミャンマーはヤンゴンだけではなく、バガン・マンダーレ・インレー湖など見所は満載。
しかも仏教国ということもあってか、とても人は優しく、気持ち良く旅ができる国だ。

そんな思いから、夏休みにがっつり有給をプラスして、行きたいところは行き尽くしてしまおう!的に行った今回のミャンマー旅。

日本からミャンマーまでは、大昔にANAが直行便を運行していたが、一旦中断。そして数年前にビジネス客を目当てに直行便が再開され、いっそう行きやすくなった。
しかしながら、自分のような人間にはお値段的にちょっと厳しいものがあり、今回は北京を経由してヤンゴンin。

実は我々には必ずリベンジしなければならないことがあった。
それは北京故宮博物館に行くこと。

数年前に北京に行った時に、あまりの大混雑で泣く泣く諦めたという過去がある。
今回は北京経由ということもあり、トランスファータイムの長い便をわざと選択し、北京故宮博物館に行く予定だった。しかし、様々な問題が発生し今回もまた見ることができず、リベンジならず!(「そんなの事前に調べとけよっ!というような、自分のズボラさが大きな要因なのだが・・・)

そんな旅行記のネタとしては豊富な北京だったのだが、それを記事にするには個人的にはあまりにも悲しいので、そこら辺は触れずに「単に北京経由でヤンゴンに行った」ということだけにしておく。

せっかくなので、北京で良かったことなどを少しだけ書いておくことにする。

北京で「マカオ的喫茶店」を見つけ、エッグタルトを見つけた。
香港やマカオに行ったことがある人はわかるかもしれないが、あの辺にある、いわゆる「名店」と言われるお店のエッグタルトは本当に美味しい。
しかし、ここは北京だ。
「絶対美味しいわけはないっ!」と自分は主張したのだが、香港・マカオでの美味いエッグタルトに惚れ込んでしまった妻は「食べる!」と言って聞かない。
仕方なく食べることにしたのだが、そのお味は・・・

美味かった!

「あれっ?これぢゃあ、香港とかマカオじゃなくてもいいぢゃん!」という感じ。
パリパリのパイ生地にぷるぷるの中身がすごくマッチしていた。

北京からヤンゴンへ行く便の電光掲示板の表示は写真上のように表示。
ヤンゴンは漢字で「仰光」なのね。

今回は中国国際航空で行ったのだが、中国のフラッグキャリアである航空会社(中国にはフラッグキャリアがいくつかある)にしては・・・。というのが正直な感想。
相変わらず中国本土系のキャリアに対して抵抗感があることは否めない。

そんな余計な情報はこのぐらいにして、ようやくヤンゴンの空港に到着。

数年前に来た時は、到着したターミナルが綺麗でびっくりしたのだが、今回到着したターミナルはもっと綺麗で「あ〜、変わったんだぁ〜」と思っていた。後で分かったのだが、どうやら今回利用したターミナルはさらに新しく増設されたターミナルのようで、以前に利用したターミナルも健在。

ターミナルの配置はこんな感じで、第1ターミナルと第2ターミナルが国際線用と使われていて、第2ターミナルは以前からあり、第1ターミナルが新たに新設された模様。

これらのターミナルの間に国内線用の小さなターミナルがあるのだが、ここは昔から使われていたようで、かなりボロい。
最初「貨物用ターミナルなんだなぁ〜」と思ってしまったほどだ。

ヤンゴン空港は、ターミナル同士が隣接しているので、徒歩で行き来ができちゃうところがありがたい。
国内線利用なのに、国際線のショップやATMを利用しに行ったりが簡単にできる。

さて、続いてお金の話。

数年前にミャンマーに来た時は、公定レートと闇レートがあった気がするのだが、現在はそんなことはない模様。
しかも以前は空港での強制両替もあった気がするのだが、現在はそれもなし。

今回ミャンマーに来てちょっと驚いたのは、街じゅうにATMが溢れていたこと。
正直「こんないる?」と思ってしまうほど。
さすがに政治体制が変わると、ここまで急速に変わるとは・・・。

さて、そんな感じでATMが街じゅうに溢れているので、現金の入手には困らなそう。
ミャンマーでは現在のところクレジットカードはあまり普及しておらず、幾つかのホテルで使えるくらいなので、基本的に現金を軸に旅をしなければならない。

んで、ネットの情報は正しいのかどうか?はわからないのだが、数あるATMの中でも「UAB (United Amara Bank)」のATMは手数料が無料だという情報を鵜呑みにして、空港内でUABのATMを探す。

空港にあるUABのATMは第2ターミナルにあって、こんな写真のような緑色のATM。
第1ターミナルにはないので、到着が第1ターミナルだった場合は、第2ターミナルへ移動が必要。

ミャンマーのお金の単位は「チャット(英語表記 Kyat 通貨記号 MMK)」で、2016年8月現在では、1チャットあたり0.085〜0.086円ぐらい。
これでは分かりにくいので、実際に街で使うお金の金額で分かりやすく考えると、1000チャットでおよそ85〜86円。
ATMで実際に下ろしたところ、1000チャットあたり91〜93円ぐらいで引き落とされていたので、1000チャットあたりで言ったら6〜9円ぐらいの手数料ということですね。

思っきしざっくり考えれば、1000チャットあたり100円と考えれば楽。
チャットの数字を一桁落とせば大体日本円となる。
以降、そんな感じで説明する。

ついでに現金の話も少し。

両替の場合、USドルからチャットへの両替が必要。
街中でもホテルなどではUSドルを受け付けてくれる所は多い。

ただし、注意が必要なのは、汚いUSドルは受け付けてくれないのは現在でも健在の模様。
試しに、ホテルでの支払いの時に、汚い1ドル札を織り交ぜてみたところ、普通に返された。
なので、USドルを用意する場合は、なるべく綺麗な新札を用意しておいた方が良い。

さて、続いて空港でSIMを購入しようかと、カウンターを探す。
ちなみにミャンマーで外国人が携帯電話、しかもプリペイドSIMなんか、数年前では考えられなかったことだ。

ミャンマーにはいくつかの携帯電話キャリア(日本で言ったらDocomoみたいな会社)は幾つかあるのだが「MPT」という会社が老舗で、街なかでもたくさん看板を立てている。
実際のところ地域のカバー率も一番良いそうで、自分は「MPT」のSIMを買おうと思っていた。

ところが自分がミャンマーに到着した夜の時間はMPTのカウンターに誰もおらず・・・。
仕方なしに翌朝、再びヤンゴンの空港に来る予定があったので、来てみたら、今度は朝早すぎてやっておらず・・・。
どうやら朝9時開店らしい。

仕方なしに今回は、カタール系の外資企業である「ooredoo」というキャリアのSIMを買う。
1ヶ月使える500Mのプランで4500チャット(約450円・SIM代込)で、自分が買った時はさらに500Mのボーナスがついて、計1G使えるようだった。
SIMの期限は30日間。
1〜2週間程度の旅行ではおそらく十分だと思われる。

気になる通信速度やカバー範囲だが、全然不満は無い感じ。
正直「田舎の方に行ったら全然繋がらないんだろうなぁ〜」と思っていたが、普通につながった。

さて、ミャンマーは数年前までは大使館に行って揃えた書類を提出し、観光ビザを取らなければいけなかった。
しかし、現在は事前にネットで e-visa を申請し、プリントアウトした用紙を持っていけば入国できる。
超簡単。
ということで、その申請方法について少し触れる。

まず、e-vizaが適応できるのは、「ヤンゴン」「マンダレー」「ネピドー」の3つの空港から空路で入国する、もしくは「tachileik」「myawaddy」「kawthaung」の国境検問所から陸路で入国する場合のみ。
それ以外の場所から入国する場合は、以前のように大使館に行って事前にビザを取っておく必要がある。

あと、ビザ申請に必要なものは、6ヶ月以上有効期限が残っているパスポート、宿泊予定の施設の名前と住所を確認しておくこと、3ヶ月以内に撮影した縦4.5cm×横3.5cmのサイズで容量が2MB以内の証明写真のデジタルデータ、そして最終的に支払うのに必要なクレジットカードが必要。

注意点としては、e-viza の場合、ダブルエントリー(1回出国し、再び入国すること)はできないので、再入国するときには再度ビザを申請する必要がある。
また、めでたく e-visa が発行されたとしても、その有効期限は90日間なので、あまり申請が早すぎてもダメだ。

では早速、e-visaの申請方法を。
まずは申請のサイト(http://evisa.moip.gov.mm/NewApplication.aspx )にアクセスする。
この時、画面の端っこに小さなポップアップウィンドウが表示されればOK。
表示されない場合は、支払いの時にトラブルが発生する可能性があるので、自分が使っているブラウザの設定でポップアップウィンドウがブロックされない設定に変更しよう。

サイトにアクセスすると、こんな画面が出る。
まずは①の部分のビザタイプを選ぶ。今回は「TOURIST VISA」を選択。
50USドルかかる。
次に②の国籍を選択する。
そして③の入国する場所を選択する。
ヤンゴンから入国するならば、「YANGON INTERNATIONAL AIRPORT」を選択する。
最後に④のセキュリティー用の文字入力で、画面の下に出ているランダムな文字を入力する。
この画像には「otghZx」と出ているが、自分が申請する時に表示されている文字を入力しないとダメですよ。

「continue」で次の画面に進むと、このような規約条件が表示されるので、よく読んで「I Agree」をクリックする。
(まあ、承認しないと次に進めないので仕方がないが・・・)

すると、個人の情報を入力する画面が出るので、自分の情報を正しく入力。
ここで、宿泊予定の施設の名称と住所を入力する必要があって、その宿泊先も国に登録されている場所ではならないらしい。
なので、宿泊場所が決まっていない場合は、ガイド本等に載っている、当たり障りのない超有名な宿泊施設の名前と住所を入力しておいた方が良いと思う。

個人旅行で旅行会社を通していない場合は、18番と19番は空白でOK。
最後に、用意しておいた証明写真のデジタルデータを指定して次に進む。

すると、入力した内容を確認する画面が出るので、間違いがなければ次に進む。

続いて、クレジットカードでの支払いの画面が出るので、自分の持っているクレジットカードの情報を指定して支払うだけ。

正しく支払いが済めば、申請を受け付けた旨のメールが届く。

特に問題が無ければ3営業日以内にこんな感じの承認書がメールに添付されて送られてくるので、それをプリントアウトして持っていけば良い。
必ずプリントアウトした物を持って行こう。
iPadとかiPhoneの画面だとダメだと思われる。

この承認書も3営業日以内とあったので、どうせ時間がかかるだろうと、のんびり構えるつもりだったのだが、夜申請して次の日の昼ぐらいには承認書が送られてきたので、思わず「はやっ!」と言ってしまった。
まあ、その時に申請をしている人数にもよるんだと思われるが・・・。

さて、話は元に戻る。

次の日の朝にはヤンゴンの空港から国内線でバガンに飛ぶ予定。
というわけで、本日は空港近くの「Yangon Airport Hotel」というホテルを確保しておいた。
宿を予約した時には、名前が「Yangon Airport Hotel」だったもんで、勝手に「空港出たらすぐだろう」と、ろくすっぽ場所も確認せずに予約したのだが、経由地の北京でたまたま「あぁ、今夜の宿の場所を確認しよう・・・」と思って検索したら、想像以上に空港から離れていたことに土壇場で気づく。

まあ、タクシーを使っても良いのだが、車だと1〜2分で到着してしまう距離なので、てくてく歩く。
運の悪いことに天気が悪く雨が降っていたのがちょっときつかった。

ホテルに向かう途中で「あっ、ホテルで飲む水が必要だわ」と思い出し、途中にあった屋台的な店で水を買う。
しかしながら、ATMでお金を下ろしたばっかりなので、手元には10000チャット札しかなかった。
ところがどっこい、水は1Lで300チャット。
日本円で言えば「30円の水を買うのに1000円札を出す」ようなもので、店にとっては大迷惑。

さすがに店の人も困った顔をしていて(しかも店はすでに営業を終えているっぽかったのに、無理矢理買おうとした)、「細かいのはないか?」みたいなジェスチャーをされたのだが、こちらも持っていなかったので「持っていないんだよ・・・」的な答えを、こちらもジェスチャーで返す。

ここは人が優しいミャンマーだけあって、店の人も「仕方ないなぁ〜」的に、他の店員(おそらく家族だと思われる)と相談し、各人の財布からお金を集めまくって、きっちりと9700チャットのお釣りを渡してくれた。
普通にボッタくる国とかだったら「お釣りないよ」とか言って、ちょろまかすのが当たり前だが、そういったことはしないところが実にミャンマーらしい。

そんなこんなで、「Yangon Airport Hotel」に到着。

自分は事前に予約して行ったのだが、予約していなくても一泊50USドルで宿泊可能。
予約しても予約しなくても同じ値段だったので「だったら予約しなくてもい〜ぢゃん!」と思わずツッコミそうになった。

一泊50USドルも取るので、どんだけ奇麗なホテルなんだ?と思っていたら、部屋は大して綺麗でもなく、Wifiも虫の息だった。
まあ、フロントのねぇちゃんも「申し訳ないけどwifiはスローよ」みたいに言っていたので、自覚はしているみたいだけど・・・。

ということで、完全に立地条件だけで成り立っているホテルだなというのが正直な感想。

さて、日付は変わって、旅は2日目に突入。

ホテルで朝飯を食べたら、空港に歩いて向かう。
朝食を食べている時には雨が降っていたので「また雨の中を歩くのかよ〜」と、少し萎えてしまっていたが、ホテルを出発する時には運良く雨が止んでいたので急いで向かう。

昨日ヤンゴンの空港に着いた時には夜だったので、外観は全然見えなかったのだが、朝見てみると、外観は立派で綺麗。

さて、事前にネットで予約していた国内線に乗るためにチェックインして搭乗を待つ。

数年前まではミャンマーの国内線をネットで予約なんて考えられなかったのだが、現在は「AIR KBZ」という航空会社がネットでの予約が可能。
詳しくは不明だが、他の航空会社は未だに旅行会社とかを経由しないと、自力での手配はなかなか難しいようだ。

自分が予約した時には「AIR KBZ」の公式サイトで周遊チケットを予約する仕方が良く分からなかったり、単品で取っていくと値段が高かったりしたので、エアチケットの予約サイトで予約。
あまり聞いたことの無いチケット予約サイトだったので「絶対、空港でのチェックインでトラブるだろう」と思って「前日にリコンファームしとこうか」ぐらいに思っていたのだが、何の問題もなくチェックインが通って拍子抜け。

事前の情報だと「AIR KBZ」の便は、自分の席が決まっておらず「自由席」だと聞いていたので、てっきり鵜呑みにしていた。しかし、エアチケットを見たらちゃんと自分の席は決まっていた。

さて、いよいよ搭乗なのだが、ターミナルから飛行機まではバス移動。

ミャンマーの街なかで走っているバスは日本の中古車が多い というのは有名な話なのだが、空港内を走るターミナル←→飛行機間のバスも日本の中古車だった。

搭乗の時には雨が降っていたので「あ〜、濡れながら乗るんだろうなぁ〜」と思っていたら、バスから飛行機までの間を係員数人で傘をさしてくれるサービス。

AIR KBZの国内線はATR 72というプロペラ機。
プロペラ機に乗るのは久しぶりな気がする。

さて、そんなこんなで、ヤンゴンからバガン(ニャンウー空港)へ飛ぶ。
飛行時間は1時間ぐらい。

1時間ぐらいの飛行なのに軽食が出てびっくり。
意外と美味しい軽食で好印象。
「Air Chinaの機内食とはえらい違い」というのが個人的な感想。

ということで、バガンのニャンウー空港に到着。
本当に「地方の空港」という感じで、日本のド田舎の空港と同じく、飛行機が来る時間は多少賑わうが、来ない時間は「人誰もいませ〜ん」という空港だった。

新しくは無いが、施設は綺麗。

バガンの遺跡群を観光するには、バガンの入域料を払う必要があって、空路でのバガンinの場合は空港で支払う。一人25000チャット(約2500円)と結構高い。
まあ、ヨルダンのペトラ遺跡のように7500円も取るわけでは無いので、それに比べたらまだマシだが・・・

さて、まずは予約していたホテルに向かい、バックパックを置きに行く。

空港からの交通手段はタクシーしか無いようで、乗り合いバスや路線バスはなさそう。
空港からニャンウーの街までは5000チャットで一律っぽく、値段交渉にも応じなさそうだった。

バガンと言っても範囲はすごく広く、見所が集まる地域は5個ぐらいあって、位置関係はだいたいこんな感じ。

さて、ホテルにバックパックを置いたら、早速観光に向かう。

今回泊まったホテルは、一部屋あたり1台の電動自転車が無料で付いてくる。
このホテルのセコイところは一部屋あたり1台しか無料で貸してくれないので、2台目以降は1台につき5000チャット(約500円)必要なところ。
一人旅だったらいいけど、夫婦だったらもう一台借りる必要があるぢゃん!

借りる前に「2ケツできる?」と聞いてみたが「それは無理」と言われた。
んで、実際に借りてみたら「あっ、2ケツは無理だわ」と納得する自転車だった。

そんなことはさておき、まず向かったのが「Gyar Pone Phaya」というところ。
正しくは「Tha Kya Pone」かもしれない。
ガイドをつけているわけではないので、情報が曖昧ですいません。

「Gyar Pone Phaya」はニャンウーの街からオールドバガン方向に走り、ニャンウーの街を抜けたぐらいの所にある。
車道から舗装されていない脇道に入ったところにある。

車道から脇道に入るところと、脇道に入った途中に左写真のような案内板がある。
外観は右写真のような感じで、ごくごく普通のパヤー。
「歩き方」とかのガイド本には載っていないパヤー。

では、なんでこんな普通のパヤーに来たのか?

このパヤーは建物上部に登ることができ、そこからの景色を楽しむことができるそうなのだ。
現在いくつか登れるパヤーもあるのだが、バガン自体「世界遺産に登録されるかどうか?」と言われているような観光スポットなので、これから建物に登ることは、どんどん禁止されていく傾向にあるだろうと思われる。

あと、バガンと言ったら、気球に乗って空からたくさん点在するパヤーを見るというのも有名。
我々も値段は高いが(300USドルぐらいする)が、絶対に気球に乗ろう!と思っていたのだが、あの気球はオンシーズンの乾季である10月から4月まで。
8月の今の時期は運行していないことを、出発の2日前ぐらいに知るというボンクラぶり。

仕方ないので、なんとか上から見れる場所を探して、ここにたどり着いたというわけ。

このパヤーに来たら、一人の現地人男性がいて「上に登れる?」と聞くと「もちろん、登れるよ!」と案内してくれた。登れる場所は2段階ぐらいあって、上の方の階に行くにはこんな急な階段を登る。

パヤーを周回するような感じで、ぐるっと360°見渡すことができる。
歩ける場所はそんなに広くはないが、恐い感じもない。

さて、上からの景色はさすがに絶景。
かなり遠くまで見渡すことができる。

登ってみて初めて知ったのだが、気球から撮ったんだろうと思われる、ガイド本に載っているバガンの写真では、パヤーがかなり密集しているように見える。
しかし、実際に上から見てみると、パヤーの数は確かに多いのだが、それほど密集はしておらず「ポツン・ポツン」とある感じだ。
むしろ意外と豊かな緑に覆われているんだなぁ〜というのが印象強い。

雨季なので、天気はあまり良くない。
「う〜ん、晴れていればもっと良い写真が撮れるのにぃ〜」と思いがちだが、冷静に考えれば、仮にすごい晴れていたら直射日光がすごくてジリジリと暑いと思う。
適度に曇っているので、それほど「暑い!」という感じもなく、結構快適に過ごせる。
写真を取るか?環境を取るか?が難しいところ。

予想はしていたが、案内してくれたおっちゃんは、当たり前のように砂絵を売りつけてくる。
バガンでは何故かこの「砂絵」が豊富で、今後どのパヤーに行っても砂絵をうんざりするほど見ることとなるが、ここが今回のバガン観光で初めて訪れたパヤーなので、若干興味深く見てしまった。

いろんなパヤーでの砂絵を見て思ったのだが、どのパヤーで売っている絵のデザインは似たり寄ったり。
「これって、彼らが描いてるわけぢゃなく、砂絵の問屋がいるんぢゃね?」という感じだ。

ハナから買うつもりは無かったが、一応値段を聞いたら5USドルとか7ドルとか10ドルとかいう値段が返ってきたので「そりゃ買わんわ」という感じ。
果たして値段交渉でどこまで落ちるか?というところだが、砂絵自体にあまり興味がも無いので、値段交渉すらせず。

ということで、案内してくれたお礼のチップをわずかばかり渡して、このパヤーを後にする。
ミャンマーの観光地での物売りは押しがそれほど強く無いので、割と気が楽。

すぐ近くにもパヤーがあったので寄ってみることに。

実は先ほど登ったパヤーが「Gyar Pone Phaya」だと思っていたのだが、もしかしたら、このパヤーが「Gyar Pone Phaya」かもしれない。
あまりにもマイナーすぎて、正しい情報がわからんのだ。
こちらのパヤーの方が、先ほどのものより若干立派な気がする。

中には険しい表情なのだが、どこか優しさも垣間見える仏像が鎮座する。

天井を見上げると、ほとんどは剥がれ落ちているのだが、一部に壁画が残り、おそらくブッダの像が書かれているんだと思われる(写真左)

また、右写真のように入り口付近の外壁にある彫刻は、かなり細かくて綺麗。
外壁なので雨ざらしなのだが、「大丈夫かなぁ〜?」とちょっと心配になる。

自転車を走らせ次に向かうは「ティーローミンロー寺院」

ティーローミンロー寺院は結構大型のパヤー。

バガンの王様だったナンダウンミャーが王位継承者に選ばれたことを記念して建てられた寺院だそうだ。
その選ばれ方が、なんともいい加減な選ばれ方で、傘が倒れた方向に座っていたからという「それ、運だけぢゃん!」と言ってしまいそうな選ばれ方らしい。
そのような逸話があるので、ナンダウンミャーは別名「ティーローミンロー(傘の王)」とも呼ばれており、この寺院はティーローミンロー寺院と言われているらしい。

こちらのパヤーに収められている仏像は黄金の仏像。

東西南北に4体の仏像が置かれている。観光客は登ることができないのだが、このパヤーは2層構造になっていて、2階にも東西南北に4体の仏像が置かれており、計8体の仏像があるそうだ。

ティーローミンロー寺院はガイド本に載るようなメジャーなパヤーなのだが、その目の前にもガイド本には載らないような小さめのパヤーがあったので、入ってみた。

中に入ると、建物の大きさとは違って結構立派な仏像が鎮座していた。
LED電球で飾られているのだが、歴史ある遺跡の仏像を電球で飾るなんて・・・と観光客の我々は思ってしまいがちだが、こちらの人にとってみれば、仏様の理想の姿を表すのに、このような背後に円形の光をつけるのは、ごくごく標準的なことらしいのだ。

さて、お腹もすいてきたし、時間もちょうどお昼時だったので、お昼ご飯を食べに行くことに。

向かった先はアーナンダー寺院近くにある「ゴールデン・ミャンマー」というお店。
ガイド本にものっている。
この辺には観光客を狙ったんだろうと思われるレストランが結構ある。

そんなこんなで、自転車を走らせているとこんな感じで道路からたくさんのパヤーが見える。

実は、バガンに行く前には「ガイド本に載ってないパヤーでも、できる限りパヤーを見ていこう!」と意気込んでいた。
しかし、実際に行ってみると、その考えは浅はかだったとすぐにわかる。

パヤーなんてそこらじゅうにあって、全部見るなんて絶対無理なのだ。
すぐにそう感じてしまうほどの多さ。
大小様々なパヤーがそこらへんに点在する。
ちなみにすごくショボくて小さなパヤーにもちゃんと仏像が収められている。

さて、そんなこんなで、ゴールデン・ミャンマーに到着。

と、店の前の木陰で自分の子供の顔にタナカを塗る女性を発見。

タナカとは、ミャンマー独特の化粧(?)品で、タナカの木をすりつぶして粉状にし、水で溶いて顔や腕などに塗る。
日焼け止めにもなるし、虫除けなどの効果もあるらしい。
最近ではタナカを塗らない人も多くなっているらしいが、それでも女性や子供なんかは塗っており、男性も子供のうちは塗っていたりする(男性の大人で塗っている人は少ない)。

んで、その塗っている姿を(勝手に)見学させてもらった。単純にただ塗るだけかと思ったら、木の枝でちょっとした模様を描いていて、その時は葉っぱの形にしていた。

面白そうだったので、お願いして妻にも塗ってもらう。
なかなか綺麗に仕上がったのだが、ミャンマーは暑いので、旅の途中に妻はいつも汗をかいている状態。
現地の人は暑さに慣れているので、それほど汗をかかないようで、タナカはいつも乾いた状態なのだが、妻は常にタナカが濡れている状態で若干「地元の人となんか違うなぁ〜」という感じが否めなかった。

自分は汗っかきで、夏なんか無意識に顔の汗を服の裾なんかで拭いてしまいがち。
タナカを塗ってしまうと、無意識にやった行為でタナカが落ちてしまうので、タナカを塗るのもちょっと考えものだ。

そんなこんなで、ゴールデン・ミャンマーでお昼ご飯を食べる。

建物には壁が無いオープンテラス的な造りの店なのだが、店に入って席に座るとなかなか注文を取りに来ない。
「どうなってんだ?」と思っていると、何も言わずとも勝手にたくさんの小皿とご飯が運ばれてくる。

ミャンマーの代表的な料理は「カレー」だ。
カレーと言ってもインドやスリランカのカレーとはちょっと異なり、油漬けのような感じで出てくるカレー。
別にすごい辛いわけでもないので、全然食べられるのだが、胃が弱い人なんかは、この油っ気にやられるかもしれないというのはどのガイド本にも書かれている内容。
自分は胃が弱い方では無いので問題無いのだが、多少胃が弱い妻も特に問題なさそうだった。

ところが若干問題なのが、この油によってすぐにお腹がいっぱいになってしまうという点。
妻は食べ始めて結構早い段階で「お腹いっぱいになってきた・・・」と言っていた。

この後わかったのだが、ミャンマーで老舗のレストランは、基本的にメニューが「カレー」しか無い。場合によってはカレーの種類を選べるぐらいで、それ以外のメニューが無いのがスタンダードのスタイル。
したがって、注文なんか取りに来ることは無く、席に座っただけでカレーが運ばれてくる。

あと、ミャンマーの食事で特徴的なのは、カレーだけでは無く、たくさんの小鉢で色々な料理が運ばれてくること。
メインのカレーがメインに見えなくなってくるぐらいだ。
それぞれの小鉢に好き嫌いはあるものの、どれもそれなりに美味しく趣向も違うものだったりするので、結構楽しめ、白いご飯にも合うので、ご飯がいっぱい食べられる。

お腹も満たされたところで、観光の再開。
続いて向かったのは「アーナンダ寺院」。
バガンで最もメインと言える観光ポイントとも言える寺院だ。

アーナンダ寺院の前にはたくさんのお土産屋やジュース等を売る屋台が出ていた。

ちょっと面白かったのが、先ほど紹介した「タナカ」を原木から売る店。
実は前回ミャンマーに来た時に小さいやつを買ったことがあるのだが、帰国してから気づく「道具ものないのにどうやってすり潰そうか?」と。
結局原木のまま現在も家にひっそりと飾られているのだが、自分が買ったものより全然デカイ木がたくさん並べられていた。
こんなデカイ木買ってどうすんだ?とちょっと思う。

原木を買ってもなかなか使いにくいところがあるのだが、ちゃんと粉状にして製品化されたタナカも置いていた。

ということで、アーナンダ寺院に入る。
建物内の参道にもお土産屋が並ぶ。

寺院内に入ると、まず大きな仏足石が見えてくる。

仏足石の上にはたくさんのお賽銭の紙幣が無造作に置かれている。
さすがに盗む人がいないのが実にミャンマーらしい。
こんな無造作に置かれていたら、いくら寺院の中と言っても盗んでいく人がいる国って結構あると思う。

さらに奥に行くと、大きな立仏像がある。
高さは9.5mほどあって、近くで見るとかなり高い。
これらの仏像は東西南北に計4体あって、それぞれ表情が異なる。

今まで色々な宗教の勉強をそれなりにしてきたつもりだったのだが、ミャンマーに来るまで全く知らなかったことがある。
それは、我々がお祈りをしている「仏様」とは1人だけではなく、実は4人いる(7人という考えもある)ということ。
過去四仏という考え方で、ゴータマ・シッダールタ以前にも悟りを開いた仏様がいるのだ。
この考えでミャンマーの仏教は成り立っている。

の4体。我々が通常「仏様」としてお祈りするのが「ゴータマ」で、この4体の中では最も新しい仏様だ。

この4体の仏様を設置するのがミャンマーにあるパヤーの基本スタイル。
大きなパヤーはだいたい4体の仏像が置かれ、小さめのパヤーでは1体しかない場合もある。

東西南北の4方に置かれた大きな仏像間を行き来できる通路が回廊だ。
アーナンダ寺院にある回廊の壁には、小さな仏像を安置できるようにくぼみが彫ってあり、そこにたくさんの仏像が置かれている。
壁はすごく高いのだが、上の方までぎっしりだ。

ほとんどの仏像は基本スタイルの形で作られているのだが、ブッダの人生を表す「仏伝図」のレリーフもある。
ガイド本によれば、マーヤ夫人の脇腹から生まれたというブッダの誕生のレリーフが傑作ということだったのだが、このレリーフはかなり下の方にあって、我々が触れちゃうぐらいの高さに置かれていたため、触れないようにガラスの扉がついていた。
おかげで、どう頑張っても綺麗に写真が撮れない。
他のレリーフは手が届かない位置にあるので、そう言った扉はない。

仏像の一部には寄進の一環として仏像に金箔を貼ることができる。
現地の人に限ったことではないので、多分それほど信仰心が深くなかったり、異教徒でも貼れちゃうんぢゃないか?と思われる。
他の宗教に比べて、仏教はいくぶん寛容なところもある気がする。

金箔はそこら辺で売っている。
事前の情報では「ピンクの四角い紙で売られている」ということだったので、ピンクの四角い紙を持っている人を探したが全然見つからず。
しかし、写真のような四角い紙をたくさん持っている人を見かけたので「それって金箔?」と聞いたらビンゴだった。

というわけで、各自1枚づつ購入。
四角い外包装の中には小さな正方形の紙が2枚入っている。
この小さな紙の間に挟まれているのが金箔。

先ほどの大きな立仏像の足元にある小さな仏像に金箔を貼ることができる。
仏像をよく見ると、今までにたくさんの人に金箔を貼られてきたために、表面がボコボコになっているのがよくわかった。
「箔」と言えども、重なっていくとこうなるのね。

我々は泊まっていたホテルが1部屋あたり1台無料で貸し出すという電動自転車で回っていたのだが、その他にもバガンには観光用の馬車がホテルの前とか有名な観光地の前で待機している。

バガンを回る方法として一般的のは、我々のように自転車で回る方法。
そしてほとんどが中国製の電動スクーター。
あとはチャータータクシーとこのような馬車だ。

最近では最も一般的になってきたのが、電動スクーターだと思われる。
我々が回っている時にも、ほとんどの観光客は電動スクーターで回っていた。
電動スクーターの良いところは、値段の割に快適だし速い。
自分のペースで回ることができるという点だと思う。
難点は、常にバッテリーのことを気にしていなければならない点だと思う。

今回利用した電動アシスト付自転車だが、個人的にはあまりオススメしない。
電動と言えども、やはりそこそこ漕がなければならない。
あと、バッテリーのことも気にしておかなければならないので、広いバガンを一気に観るには体力も必要になってくる。

人数が多い時はチャータータクシーや馬車が良いと思うが、馬車の場合は速度が速くないのが難点。
のんびり観光したい場合はそれでも良いと思う。
ただ、case-by-caseだが、馬車の値段はタクシーチャーターとあまり変わらないので「だったらタクシーの方がいいぢゃん!」という結果になる可能性が高い。

あと、暑い時期に行ってしまうと、馬も動物なので休息が必要。
一つ一つの観光ポイントをあまり早く見すぎてしまうと、馬への負担が大きく、馬も「え〜、もう?」といった動きになるらしい。

タクシーチャーターや馬車での観光は、ドライバーのオススメの場所へ連れて行ってくれる とガイド本には書いてあったりする。
確かに一理あるとは思うが、個人的には「それって、ドライバーにとって都合の良いところにしか連れて行ってくれないってことぢゃない?」とも思う。
ドライバーにとって、馬の疲労やガソリン代などもなるべく抑えたいところなので、やっぱりそうゆうことを優先する傾向はあるとは思う。
吉と出るか凶と出るかは紙一重なので、そこら辺も考慮しておいた方が良いと思う。

アーナンダ寺院から自転車で割とすぐのところにある大型の寺院「タビニュ寺院」に行く。

タビニュ寺院はかなり大型の寺院で高さは61mもあるそうだ。
遠くからでも見つけやすい寺院。

内部は2層構造になっているらしく、以前は上まで登ることができたらしいが、現在は保護のために1階しか見ることができない。
代わりに、上層階の仏像をモニターで見ることができるらしいのだが、我々が行った時は故障中なのか?ハナから電源を入れる気がないのか?わからないが、モニターには何も映っていなかった。

1階に置かれている仏像はこんな感じで、表情は皆異なる。
黄金の仏像で、回廊にも小さめの仏像が配置されていた。

メジャーどころのパゴタはどこもこんな感じで砂絵を売る。
こんな狭い場所にも所狭しと置いて売ろうとする商売っ気は見事だ。

タビニュ寺院からは北へ移動し、次に向かうは「マハーボーディ・パゴタ」

マハーボーディ・パゴタの特徴は何と言っても、建物の形だと思う。

ブッダが悟りを開いたと言われる聖地ブッダガヤーのマハーボーディ寺を模して建てられたそうで、ヒンドゥー教を思わせる形状が特徴的だ。

内部の仏像はごくごく普通。

マハーボーディ・パゴタは建物裏側にまわって見ることもできる。
ヒンドゥー教的形状の上部に限らず、基礎部分の外壁も見事な造りだった。

さて、マハーボーディ・パゴタからさらに北西の方向に進み、川べりのところまで進むと現れるのが「ブーパヤー」

ブーパヤー入り口の両脇には幸運のお守りである「ピッタインダウン」が門の両脇に狛犬のように置かれていた。
見ようによっては不気味な感じもあるが、愛嬌のある人形とも言える。

ブーパヤーは3世紀頃に建設された最古の仏塔だそうだ。
1975年の地震で塔は川に崩れ落ちてしまったのだが、現在あるのは同じスタイルで再建されたもの。この仏塔の形は「ピュー族」の特徴的なスタイルらしい。

ブーパヤーの入り口横には嵐を司るという「ナッ神」が祀られている。
ガイド本には結構大きそうに写真が写っていたので、大きいものを想像してそこら辺を探しまくってしまったが、実際のものは「ちまっ」とした感が否めない感じだった。

ブーパヤーはエーヤワディー川のほとりにあって、境内からは広大な川を眺めることができる。
エーヤワディー川は地図上ではそれほど大きそうには見えないのだが、実際には対岸が見えないぐらいに広かった。

この色の川を見ると「あ〜、東南アジアの川だね」という気がしてならない。

さて、ブーパヤーの次に向かったのは、ゴードーパリン寺院。
ブーパヤーから南へ行ったところにある。

ゴードーバリン寺院もかなり大きな寺院。
タビニュ寺院の次に大きな60mの高さを誇る。
1975年の地震の時には一部が壊れてしまったのだが、現在は修復を終えて美しい姿が戻っているそうだ。

ゴードーパリン寺院はガイド本には必見度が「★☆☆」となっていてかなり低く期待「小」で行った。
しかしながら、行ってみると、大きい以外は確かに特徴という特徴は無く、一見すると必見度は低いのも納得なのだが、地元の人はかなりいた。

観光のみどころとしてはあまり価値がないのかもしれないが、信仰の場としては価値が高いんだろうなぁ〜と思われる。

今まで見てきた場所は「オールドバガン」に分類される地域にあったのだが、今度は南の方向にさらに進み、ミインカバー村という地域にある寺院を見てみようと思う。

向かったのは「マヌーハ」寺院。

ミインカバー村に入ってくると、漆塗りの工芸品を売る店や、その工房なんかが多く現れてくる。
マヌーハ寺院のすぐ手前の道を奥に行ったところにも工房があったのでちょっと立ち寄ってみることに・・・。

「Golden Cuckoo lacquerware」という工房。

店に行ってみると、店内は誰もおらず電気も消えていて「やっているのか?」と不思議な感じ。
とりあえず勝手に店内に入って見てみるといろいろな漆塗りの入れ物や置物がたくさんあった。
さすがに観光客用の土産のようで、お値段は高い。
具体的にいくらだったのかは忘れてしまったが「おぉ、これは買っていこう!」と思うほどの値段ではなかった気がする。

勝手に店内を見たが、店の横の作業場らしき場所で一人の男性が黙々と作業中。
手で黒いものを塗っていたので、漆塗りの下地作りの様相だった。

さて、工房のすぐ南側にある「マヌーハ寺院」に移動。

マヌーハ寺院は建物自体に装飾も少なく地味な感じ。
中央には金色の大きな桶みたいなものが置かれていた。
中には寄進用の米が入っていると聞いていたのだが、実際に覗いてみたら何も入っていなかった。
代わりにその桶の前にたくさんの米袋が積まれていた。多分これは寄進用なんだと思う。

さて、奥に進んでいくと、3体の座仏と裏に1体の涅槃像がある。
座仏は建物に対してギュウギュウに作られているのがよく分かり、仏像を見るのもかなり窮屈。

この寺を建てた「マヌーハ」という人物はタトォン国の王様だった人で、アノーヤターに攻められた時に捕虜になってしまって、この土地にやってきた。
この寺を建てる時に、その時の捕らわれの身としての窮屈な気持ちを表したと言われているのだ。

裏側にある涅槃仏も見てみたのだが、こちらも建物に対してギュウギュウに作られているので、写真を撮ろうと思っても全然良い写真が撮れず常にアップの写真となってしまう。

さて、ここでちょっとしたトラブルが発生。

ミャンマーの寺院では境内に入る時には裸足にならなければならない。
靴を履いていると、寺に入る度に脱いだり履いたりしなければならないので非常に面倒。
ということで、こちらではビーサンがスタンダードな履き物。
地元の人も基本的に靴なんて履いておらずビーサンだ。

自分もそれに習ってビーサンで歩き回っていたのだが、マヌーハ寺院から出ようとした時に自分のビーサンが無くなっていることに気づく。
海外では当たり前のように盗難については気をつけているのだが、いくらなんでもミャンマーだし(仏教国では盗みは少ない)、他人が履いたビーサンなんか持っていかないだろうと気が緩んでいた。

自分が履いていたのは havaianas(ハワイアナス) の黒いビーサン(一番安っぽいやつ)。
しかし脱いだ場所に残っていたのはサイズが小さくなった同じ黒の havaianas(ハワイアナス)。
???。仏像を見ているうちに小さくなったか?とも思ったが、そんなわけはない。

マヌーハ寺院の前はかなりお土産屋や物売りがいて、ミャンマーには珍しくかなりしつこい若い女性の物売りがいた。
彼女は片言の日本語を喋り、日本人を見かける度にかなりしつこく物を売りつけてくるのだ。

そんな彼女曰く「日本人女性3人組が履いていったと思うよ」と。

確かに我々がマヌーハ寺院を見ている時に、ガイドに案内されながら同じく寺院内を見ていた中年女性3人組がいたのは自分も覚えている。
しかも、 havaianas(ハワイアナス) のビーサンはその質の低さに反して値段が高い。
なので、正直、ミャンマーの現地人で havaianas(ハワイアナス)を履いている人なんていない。

同じ黒の havaianas(ハワイアナス) のビーサンが残されていたこと。
しかもそれが女性サイズだったこと。
そしてしつこい物売りの女性の証言を考えると、何の証拠もないが、その日本人女性3人組の誰かが間違えてオレのビーサンを履いて行ったことは間違いないと思われる。

海外で日本人に盗まれるとは完全に想定外! しかもあんだけサイズが違ったら普通わかるでしょ〜!

もしこの旅行記を読んでいる人で、2016年8月15日にバガンのマヌーハ寺院で黒の havaianas(ハワイアナス)のビーサンを間違えて履いて行った人がいましたら、すいませんが返してくださ〜い!
あなたのおかげで私はこの後大変な目に遭いました。
しかも足は腫れに腫れ、歩くのが困難にもなりました!

とりあえずビーサンは大して高くないので、どこかで買えば良いが、それ以前に取り戻せるのなら取り戻したい。

すると、先ほどのしつこい物売りの女性が「日本人だったら、シュエサンドーに行ってサンセットを見に行ってるんぢゃない?」と。

シュエサンドーとは「シュエサンドー寺院」のことで、バガンのパゴタにしては珍しく、建物に登ることができ、サンセットを見る場所として有名なパゴタのこと。

「確かに、サンセットの時間としてはまだ早いが、日本人なら皆行動はだいたい同じだ。
彼女の言うことは一理あるな」と思い、予定を変更してシュエサンドー寺院に向かうことに。

もちろん裸足のまま自転車を漕いで向かう。

というわけで、サンセットを見る目的ではなく、パクられたビーサンを取り戻すためにシュエサンドー・パゴタにやってきた。

シュエサンドー・パゴタも結構大きなパゴタ。
途中まではレンガ色の建物なのだが、上の方は白い石とコンクリで作られたパゴタ。
サンセットを見る場所として有名なパゴタということもあって、ここにも物売りが結構いる。

シュエサンドー・パゴタを登るには、外にあるこの階段を使って登る。
これが結構急で恐い。
写真だけを見ると「全然恐そうじゃないぢゃん!」と思うかもしれないが、登る時よりも降りる時の方が断然恐いのだ。

登ってみると、さすがに眺めが良い。
オールドバガンにあるので、一番最初に登ったパゴタよりもたくさんのパゴタが点在しているように感じる。
他に高いパゴタがあまりないので、遠くまで見渡せて、確かにサンセットを鑑賞するには絶好の場所かもしれない。

パゴタに登ることができないと、パゴタの頂上付近を間近で見ることができないと思う。
シュエサンドーの頂上付近は、悪い言い方をすれば「汚い」と言えるし、良い言い方をすれば「年季が入っている」と言える感じ。

パクられたビーサンを取り戻すために来たシュエサンドーパゴタなのだが、サンセットの時間までにはまだ早く、仮にその日本人が来るとしても、まだ待たなければならないと予想される。

そもそも、来るかどうかもわからないのに、ビーサンぐらいを取り戻すために我々の貴重な観光の時間を無駄にするのもアホらしい。
仕方なくビーサンは諦めて、貴重な観光の時間を有意義に使うことに…。

ということで移動するのだが、そう言えば「タラバー門」を見忘れてスルーしてしまっていたのに気づく。
すでに通った場所なのだが、アーナンダ寺院の前を走ってタラバー門に向かう。

オールドバガンはその昔、城壁でぐるっと囲まれていた。
その城壁の東側の出入り口としてあったのが「タラバー門」。
昔は12個も門があったそうなのだが、現在残っているのはこのタラバー門だけだそうだ。

さて、次の場所に移動する前に、トイレに行きたくなったので、すぐ近くにあるアーナンダ寺院でトイレに行く(寺の中にはトイレは無く、外にある)。

ついでに、喉が渇いてきたので、アーナンダ寺院の前にいっぱい出ているお土産屋の一つにサトウキビジュースを売る店があったので、生絞り100%のサトウキビジュースを飲むことに。

サトウキビを絞る機械はこんな感じで、ぐるぐると回る2つのローラーの間にサトウキビを入れて絞る。
一回では絞りきれないので、同じサトウキビを何度も通して絞りきるのだ。

日本では生絞りのサトウキビジュースってなかなか飲めないが、東南アジアに行くとわりとメジャー。
砂糖を作り出す時の最初の「砂糖汁」で、国によっては小さなサトウキビの繊維カスとかも混ざっていることが多い。まあ、そんな時は「あぁ、東南アジア」ってしみじみと感じてしまうのだが。

ミャンマーでのサトウキビジュースは細かい繊維カスが入らないようにしっかりと漉されていて飲みやすく、おそらくライムだと思われる柑橘系の果汁が少し添加されていて、甘ったるさが無くなり、わりとすっきり飲める。

1杯のジュースを妻とシェアしたのだが、妻は「おいしい」と言ってグビグビ飲んでいた。
お、おれの分は・・・?

サンセットの時間までにはまだ早いのだが、一通り目的のパゴタは見たので、サンセットを見るポイントに向かう。
向かった先は「Bulethi Pagota」というパゴタ。

Bulethi Pagotaは、パゴタ自体の紹介はガイド本にもほとんど乗っておらず、歩き方にサンセットポイントとして小さく紹介されているだけ。
なので、全然人はいないだろうと思って行ってみると、日本人以外には結構メジャーなようで、かなり有名なパゴタにしかいないチケットのチェック係がこのパゴタにはいた。

確かに、日本人以外の欧米人が結構いるパゴタだった。

Bulethi Pagotaに登ってみると、こちらも結構景色は良い。
シュエサンドーよりは低い気がするが、シュエサンドーよりも見通しが良い感じがする。
確かにサンセットを見るポイントとしては条件が良いかもしれない。

さて、ミャンマーはこの時期は雨季。
遠くの方を見ると、かすかに虹が見えたりする。
「虹が見える=雨?」という予想はなんとなく素人でも思いつき、確かにところどころ黒い雲が立ち込めてモヤっている場所も見える。

あぁ、あれって雨ぢゃないの〜!なんてのんきなことを言っていたら、突然この場もスコールに見舞われる。
「うぉ〜!マジで?!」と我らも含め周りは大わらわ。
パゴタに登ってしまうと下に降りないと雨宿り的な場所はないのだ。

皆が急いで下に降り、ほぼビショビショの状態なのだが、なんとか雨宿りできそうなところに隠れる。
実は後から気づいたのだが、我々は折りたたみの傘を持参していた。
だったら、とりあえずその場でさせばよかったんぢゃない?と冷静になる。

それはさておき、こちらの雨季の雨はスコール的に降るのだが、長い時間は続かず、しばらく待てば止む。
では再びパゴタに登ってサンセットに備えようか?とも思ったが、すでに先ほどの雨で気持ちが萎えてしまった。

もともと、観光地のサンライズとかサンセットに対しては若干否定的な考えをしていることもあって、サンセットを見るのは止めることに…。

そんなこんなで、我々は一旦ホテルに戻って小休憩。

しばらく休むと、お腹も空いてきたし、夕飯にも良い時間になってきたので、夕飯を食べに行くことにする。
向かった先は「Myo Myo Myanmar Rice Food」というお店。

歩き方には「地元で人気のビルマ料理レストラン」と書かれており、どう考えても他に紹介されている店に比べて値段が安そうなのだ。

ということで「Myo Myo Myanmar Rice Food」に到着。

店に入ると「外の席と中の席、どっちがいい?」と聞かれたので、虫とかに刺されると嫌なので「中でお願い」と言うと、ただ屋根が付いているだけで「ほぼ外」と言ってもの過言ではない席に案内される。いやいや、そこぢゃねぇ〜んだ!もっと中!と言いたかったが、とりあえず「ほぼ外」の席に落ち着く。

ガイド本に載っているぐらいなので、観光客ばかりかと思ったら、客はほぼ地元民。
カップルとか仕事帰りの女性1人とか、いろいろなスタイルの地元民が来ていた。

ここでも、何も注文せずとも料理が出てくるスタイル。
昼間食べたレストランよりもたくさんの種類の小鉢が出てくる。

歩き方によれば「好きなものをチョイスするスタイル」と書かれていたのだが、どうやってチョイスするのかわからず、店員に「どうやってチョイスするのか?」と聞くと「Don’t eat. Don’t pay」と言われた。
「どうやって手をつけたかどうか?を判断するんだろう・・・?」という疑問は解決しなかったのだが、とりあえず我々は「これは手をつけました」「これは手をつけてません」というのが一目でわかる感じに皿を置いた。
支払いの時は店主みたいなのが、何となくの感じで「え〜っと、これと、これと、これね〜」みたいな感じで手を付けた皿をカウントしていた。
正直「けっこうアバウトなんぢゃね?」というのが否めない。
こっそり手をつければバレない感じ。
(そんなことしちゃダメですよ)

そんなことはさておき、お味の方は、小皿がいっぱいあるので、もちろん好き嫌いはあるものの、「Don’t eat, Don’t pay」のシステムなので、「これはいいや」ってのは手を付けない。
なので「これは美味しそうだね」というものしか食べないので、たいていは美味しいものに当たる。

みんながみんな油っこいものばかりではないので、いろいろと楽しめて良い。

そんなこんなで、バガン1日目は終了。
バガンは1日では回りきれないので、明日も引き続きバガンを楽しんでいこうと思う。

この先のミャンマー旅
Day1・2 完全想定外!日本人にビーサンをパクられる!
Day3 バガンのパゴタで絵画鑑賞?
Day4 時間無いのにバイクがパンク! マンダレーヒルのサンセットに間に合うのか?!
Day5・6・7 実はがっかり?雨季のゴールデンロックはこんなことに!
Day7・8 スーチーさんちに行ってみた!

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