【コーカサス旅行記】Day3 旧市街は鉄壁の防御?(アゼルバイジャン)

昨日はバクーの郊外にある観光ポイントを回ってみたが、本日はバクー滞在の最終日なので、旧市街を中心に回ってみようと思う。

まずは地下鉄でバクー中央駅から旧市街のある「icharishahar駅」へ移動。

旧市街は城壁でぐるっと取り囲まれたエリア。
地下鉄駅を出ると、いきなり目の前にその城壁が現れる。

駅を出て、城壁の門をくぐり、最初に向かった(というか現れた)のは銅像がある場所。

いろんな人の旅行記でだいたい旧市街の写真を見てると出てくる銅像。

「これ、誰?」と思っていたのだが、そこにあった説明文を読むと、どうやら「Aliagha Vahid」という詩人だそうだ。
どんな人なのか?はよくわからないけど…。

この銅像のちょっと気持ち悪い部分は、髪の毛の部分が人になっているところ。
どうして、こうなったのか?については不明。

旧市街と呼ばれている城壁内部の区域にある街の雰囲気は、バクー市街の他の地域とかなり違っている。
通路は狭く、ぎっしりと詰まった感じ。自体は新しいものもあるのだが、作り自体は昔の作りを継承している感じだ。

先ほどの銅像からてくてく歩いて、旧市街のメインの見どころとも言える「乙女の塔」へ行ってみる。
旧市街は道が複雑なので、iPhoneのGPSを頼りに歩かないと迷ってしまいそうな感じがある。

乙女の塔は世界遺産で、高さは30m近くある。

かつてバクーを治めていたモンゴル人の王が、何故か自分の娘に言い寄って、それを嘆き悲しんだ娘がこの塔からカスピ海に身を投げたという伝説の塔。
現在ではこの周辺には海岸線は無く、もっと離れた場所が海岸線なのだが、かつては海岸線がこの辺まで水があったらしい。

せっかくなので塔に登ろうと思っていたのだが、入場料がはっきりした金額は忘れてしまったのだが、心の底から「はぁ〜!?」と言ってしまいそうなぐらい値上がりしていたので、登るのは断念。

乙女の塔のすぐ隣には「Qedim Bazar」という場所があるので行ってみる。

詳しい解説を持っていないので、ここが何か?は分からないのだが、「Qedim Bazar」という名前からして、以前は市場だったのかな?と勝手に想像。

「Qedim Bazar」からぐるっと旧市街を一周するような感じで反対側に行くと「アートギャラリー」があるようなので行ってみることに。

旧市街の北側のエリアは欧米人がたくさんいて、彼らがすごく好みそうなおしゃれなカフェがたくさん並んでいた。

「アートギャラリーって何?」と思っていたのだが、実際に来てみると、こんな感じで壁に不思議なアートが描かれていたり、木の幹に不思議な顔の絵が描かれていたりする場所だった。
まさか、木の幹に絵を描くとは…。

この辺に来ると、城壁に大砲なんかが置かれていたりする。

かつては城壁によって敵の侵入を防ぐ目的で建てられた要塞だったことが良く分かる。

アートギャラリーからさらに地下鉄駅の方向に歩いて行くと、これまた旧市街のメイン観光ポイントである「シルヴァン・シャフ・ハーン宮殿」がある。

自分は旧市街をぐるっと回って行く結果となったのだが、地下鉄駅から直接向かえばかなり近いと思われる。

シルヴァン・シャフ・ハーン宮殿はその名の通り宮殿なのだが、外観は豪華な感じは全く無く、すごく地味な色の建物ばかり。

もちろん宮殿しての建物はあるが、宮殿だけではなく、会議場や霊廟なんかもある。
すごく大きな施設ではないので、観光にはそれほど時間はかからない感じ。
まあ、派手さもないので、すごく期待して見るものでもないかも…。

当時の城壁内の街の模型も置かれていた。
城壁内はびっしりと建物が建っていて、栄えていたことがよくわかる。

さて、宮殿を後にしてブラブラ歩いてみた。

バクーの街には公園的な広場が多いことは先の旅行記で書いたが、その公園にはこんな感じの「英雄」や「著名人」の銅像的なものが結構ある。

ヨーロッパも比較的多いけど、ロシアや旧ソ連を形成していた国々では、こういった銅像は多いなぁ〜という感想。
日本ではこんなに無いと思う。

自分は全く知らずに来てしまったのだが、ちょうどこの時「F1 バクーグランプリ」が開催されていたらしく、しかもバクーグランプリは市街地コース。
本当に街なかにコースが設置される。

先ほど見た旧市街もコースに取り囲まれた場所にある。

おかげで、あちこちで通行規制されているもんだから、観光にはかなり不便であった。
自分のようにF1にあまり興味がない人は、この時期バクーに行くことは避けた方が無難。

「市街地コースだったら、そこら辺からレースが観れんぢゃね?」と、軽く考えていたのだが、実際にはスタンド席とか、お金を払わないと観れないように、歩道とコースの間には高い幕が張られていて、基本的には覗くことはできない。

それでも、ほんとうにところどころでかすかにコースが見える場所があり、そんな場所はちょっとした人だかりになっているので、「あっ、あそこなら見れるんだな」という感じですぐわかる。
自分も公園脇のちょっとした高くなっている場所でしばし観戦。

正直 F1のレースとか見たことはなかったのだが、さすがに市街地コースで自分のすぐ目の前をレーシングカーが疾走するのはかなり圧巻だった。

さて、お腹も空いてきたので、ここらでちょっとお昼休憩。

向かった先は「DOLMA Restaurant」というお店。
旧市街からは歩いている距離にある。

DOLMA restaurantは地下にあるお店なので、ちょっと見つけにくいかも。
こんな感じの緑の看板が目印。

地下にあるお店なので「どんな感じかな?」と思って入ると、中は洞窟のように作られたおしゃれな空間だった。

メニューをもらって「何を食べようか?」と迷っていたのだが、結構な量のメニューがあり、写真なしのメニューだったので、いちいち読むのが面倒だった。
そこで店員に「おすすめのメニューは何?」と聞いたら、タブレットを持って来てくれて、写真があるメニューを見せてくれた。
多分全てのメニューを網羅しているわけではなく、この店の主なメニューが表示されているものだと思われるが、直感的に選べるようになったので、かなりよかった。

んで、食べたのはこんな感じの料理。

北はソ連南はトルコやイランといった位置にあるアゼルバイジャンは、その土地柄、ロシア地方の料理も中東地方の料理も同時に楽しめるといった利点がある。
いかにも中東っぽい料理をボルシチと一緒に食べるのは、なかなか面白いと思う。

バクーのシンボル的な建物と言えば「フレームタワー」があると思う。

フレームタワーは夜になると炎が燃えているようなライトアップがされていて綺麗なそうなのだが、この度でバクーに3泊もしたくせに、夕方ホテルに戻って来ると疲れてしまって再び出かける気にならず、夜には一回も見に行かなかった。

少なくともフレムタワー自体は見ておこうということで、昼間ではあるが、近くまで行ってみることに…。
本来だったらバスに乗れば近くに行けるのだろうが、本日はF1バクーグランプリとかぶってしまっているので、バスが走っているのかも微妙。
しかも、走っていたとしても、本来のルートではないルートを走っている可能性が高いので、しかたなくてくてく歩いて行くことにした。

結構な距離を歩く結果になってしまったのだが、なんとかフレームタワーに到着。
フレームタワーは曲線の美しい独特な形状の建物で、建築家泣かせだなぁ〜と思う。

フレームタワーのすぐ目の前には殉教者墓地がある。
フレームタワー側からアクセスすると入り口には立派な碑があって、その先はかなり長い通路になっている。

そんな通路を歩くと、その脇にはこんな感じでずらっと肖像が彫られた暮石が並んでいる。
これらの暮石はソ連末期のバクーの騒乱や隣国アルメニアとの戦争で犠牲になった人々を弔う場所だ。

フレームタワー側からこの小道をずんずん進んで行くと、一番奥には立派な塔が建っていて、中央にはどんな強風でも決して消えなさそうな勢いで火が灯されていた。
まあ、燃料となるガスには困らない国なので、いくらでも燃やせられるんだと思う。

ちなみにこの殉教者墓地は結構な高台の場所にあるので、この塔の場所からはかなり見晴らしが良い。
バクー市街とカスピ海が一望できる絶好のビューポイントだし、振り返ればフレームタワーがバッチリと見える。
人通りも激しく無いので、カップルや友達同士でいっしょにいる現地の人っぽい人がたくさんいた。

フレームタワーと殉教者墓地と塔、そしてビューポイントの位置関係はこんな感じ。

さて、ここからは、高台上になっている殉教者墓地から一気にカスピ海沿岸まで下ってみる。
目指すは「絨毯博物館」

自分は殉教者墓地がある場所までぐるっと回る感じで、歩いて登って来たが、カスピ海側からケーブルカーがあるので、歩くのが面倒な人はケーブルカーを使ってもよいと思う。

そんなこんなで丘を一気に下って到着したのが絨毯博物館。

建物はかなり奇抜な形をしてるのだが、どうやら絨毯を模した形なんぢゃないか?と思う。

絨毯博物館はその名の通り絨毯がたくさん展示されている博物館。
なかなか綺麗な絨毯ばかりだ。

単純に絨毯だけではなく、どうやって絨毯が作られるか?を展示した絨毯を織る機械や、絨毯地の生地でできたバックなんかもあって、なかなか興味深い。

絨毯を織る記述の最高峰は「絨毯で絵を描く」ことなのだろうか?と思うほど、絨毯で描かれた細かい絵が誇らしげに飾ってあったりもする。

自分はイランの「マシャハド」という場所でも、同じような絨毯博物館に行ったのだが、比べて考えると、イランの絨毯博物館の方がすごかったような気がする。

たしかにアゼルバイジャンでも絨毯の文化はあるのだろうが、イランの方が絨毯文化を大切にしているように感じられるし、彼らが作る絨毯に誇りをもっているように感じた。

絨毯博物館を後にして、次に向かったのは「Taza Bazar」。
地下鉄と徒歩でなんとか行ける場所にある。
まあ、F1がやってなくてバスが通常運行してたら、バスで行けるんだろうけど…。

Taza Bazarは広くでかなり入り組んだ構造の市場。

ガイド本にも載っているぐらいなので、歴史も古いんぢゃないか?という感じはするバザールだった。

市場といえば、野菜や果物、魚や肉といった食べ物ばかりが豊富なバザールだろうと勝手に想像していたのだが、実際に行ってみると、こんな感じの電気機器など、個人的には「それ、ガラクタぢゃね?」と思われるものがかなり豊富にあった。

まあ、日本でいう「ホームセンター」的なお店がなさそうなので、一般庶民はホームセンター代わりに、このような市場で買い求めていくんだろうと勝手に想像。

Taza Bazarを早々に後にして、徒歩でホテルに戻ろうと思う。

途中、まちなかの歩道でボードゲームに興じるおっちゃんたち。

ホテルに戻る前に腹ごしらえだけしとこうと思って、バクー中央駅目の前にあるショッピングセンターへ。
ここにはフードコートがあるらしいので行ってみたのだ。
まあ、ちゃんとしたレストランに行っても、あるのはケバブばかりっぽいし。

さて、日付は変わって翌日朝。

本日は飛行機でお隣の国「ジョージア」に移動。

アゼルバイジャンからジョージアに移動するには、バスや夜行列車で行くのが一般的なのだが、飛行機だったら1時間ぐらいですっと行ってしまうので、まあ時間を買ったということで。

バクー中心街から空港へは、バクー中央駅前からでる空港エクスプレスに乗れば良い。
乗り場はこの地図の場所。

この辺はいろんなバス乗り場が混在している場所なので、「どこなのか?」が迷ってしまいそうになるのだが、ちゃんとバス停に「Airport Express」と書かれているので迷うことは無いと思う。

バスは正式には「H1」という番号らしいのだが、車体に大きく「Airport Express」と書かれているし、バスの種類が他とはちょっと違う(高級な感じ)ので、すぐにわかる。

空港行きのバスは夜には本数が減るものの、24時間運行なので、ありがたい。
日中は30分間隔で時間もわりと正確なので、行動予定が立てやすくて良い。

さて、Airport Expressに乗って空港へ。そこから次の国「ジョージア」へ!

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